ロイター通信ろいた-つうしんが配信はいしんした現地げんちの映像えいぞうからは多おおくの建物たてものが激はげしく壊こわれ、焼やけて崩くずれているほか、戦車せんしゃなどが路上ろじょうに放置ほうちされている様子ようすが確認かくにんできます。また、ウクライナの警察けいさつが不審ふしんな人物じんぶつがいないか警戒けいかいにあたる様子ようすや放置ほうちされた車くるまに爆発ばくはつ物ぶつなどが仕掛しかけられていないか調しらべる様子ようすなども捉とらえられています。

イルピンの住民じゅうみんは「攻撃こうげきが続つづいていたので、怖こわくて避難ひなんできなかった。3月つき初はじめには水みず、電気でんき、ガスが寸断すんだんされ、これまで人道じんどう支援しえんを受うけることができなかった。近所きんじょでは、12歳さいの子こどもを含ふくむ家族かぞくが攻撃こうげきによって亡なくなった。ウクライナ軍ぐんを見みたときはうれしかった」と話はなしていました。

また、ロシア軍ぐんが包囲ほういを続つづけている東部とうぶの要衝ようしょうマリウポリについて、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは31日にち、ベルギーの議会ぎかいで行おこなったオンライン形式けいしきの演説えんぜつで「ロシア軍ぐんは街まちへの入り口いりくちをすべて閉とじている。食料しょくりょうも水みずも医療いりょう品ひんもない。生命せいめいを維持いじするためのものは何なにもない」と述のべて、深刻しんこくな人道じんどう危機ききが続つづいていると訴うったえました。

一方いっぽう、親しんロシア派はの武装ぶそう勢力せいりょくの指導しどう者しゃ、プシリン氏しは、マリウポリに「地方ちほう行政ぎょうせい機関きかんを設立せつりつする」と主張しゅちょうするなど、支配しはい地域ちいきへの影響えいきょう力りょくを広ひろげ、市内しないの完全かんぜん掌握しょうあくに向むけ攻勢こうせいを強つよめています。

またロシア側がわが軍事ぐんじ作戦さくせんを大幅おおはばに縮小しゅくしょうするとしている首都しゅとキーウ、ロシア語ごでキエフ周辺しゅうへんについて、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうのストルテンベルグ事務じむ総長そうちょうは31日にちの会見かいけんで「ロシアの部隊ぶたいは撤収てっしゅうではなく再さい配置はいちされている。キーウなどへの圧力あつりょくは続つづいており、今後こんごさらなる攻撃こうげきが予想よそうされる」と述のべ、警戒けいかいを怠おこたるべきではないという考かんがえを示しめし、依然いぜんとして、緊張きんちょうが続つづいています。

演説えんぜつの中なかでゼレンスキー大統領だいとうりょうは「マリウポリは3週間しゅうかんにわたり完全かんぜんに包囲ほういされていて、ロシア軍ぐんは街まちへの入り口いりくちをすべて閉とじている。食料しょくりょうも水みずも医療いりょう品ひんもない。生命せいめいを維持いじするためのものは何なにもない」と述のべて、深刻しんこくな人道じんどう危機ききが続つづいていると訴うったえました。

そのうえで「われわれは女性じょせい、子こども、そして高齢こうれい者しゃを含ふくむ市民しみんを避難ひなんさせるため、マリウポリからの避難ひなんルートを確保かくほしようと、毎日まいにちできるすべてのことを行おこなっている。しかしほとんどの場合ばあい、ロシア軍ぐんが人々ひとびとの移動いどうを妨さまたげ、救援きゅうえん物資ぶっしの輸送ゆそうができない」と述のべて、ロシア軍ぐんを強つよく非難ひなんしました。

また、ウクライナに侵攻しんこうしたロシア軍ぐんの状況じょうきょうなどをめぐり、プーチン大統領だいとうりょうが側近そっきんから誤あやまった情報じょうほうを伝つたえられていた可能かのう性せいについて、バイデン大統領だいとうりょうは現時点げんじてんで明白めいはくな証拠しょうこはないとしながらも「プーチンは周まわりの意見いけんを受うけつけなくなっているようだ。何なん人にんかの側近そっきんを解雇かいこ、もしくは自宅じたく軟禁なんきんの状態じょうたいに置おいたことを示唆しさする情報じょうほうもある」と明あきらかにしました。

これはイタリアのドラギ首相しゅしょうが3月つき31日にち、前日ぜんじつのプーチン大統領だいとうりょうとの電話でんわ会談かいだんについて、会見かいけんで説明せつめいした中なかで明あきらかにしました。

それによりますと、ドラギ首相しゅしょうが、速すみやかな停戦ていせんと、ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうとの首脳しゅのう会談かいだんの実現じつげんを働はたらきかけたのに対にたいし、プーチン大統領だいとうりょうは「まだ機きは熟じゅくしていない」と答こたえ、ウクライナ側がわとの交渉こうしょうは段階だんかいを踏ふんで進すすめるべきだという考かんがえを示しめしたということです。

ウクライナ語ごで、書類しょるいや携帯けいたい電話でんわを渡わたしてはいけないとか、移動いどうを支援しえんしてくれるという相手あいてから、本人ほんにん確認かくにんの証明しょうめい書しょを見みせてもらったり、車くるまのナンバープレートを書き留かきとめたりするよう呼よびかけています。

チェルニヒウから避難ひなんしてきた20歳さいの女性じょせいは、注意ちゅうい書がきについて「わたし自身じしんはそうした事態じたいに遭遇そうぐうしていないですが、重大じゅうだいな問題もんだいで、警戒けいかい心しんを持もち続つづけるべきだと思おもいます。助たすけてくれる親切しんせつなボランティアがたくさんいます。一緒いっしょについていくのではなく、なるべくウクライナ人じんの大おおきなグループにいたほうがいいと考かんがえています」と話はなしていました。

特とくに国外こくがいに知り合しりあいがいない人ひとたちが狙ねらわれやすいということで、人身じんしん売買ばいばいの防止ぼうしに向むけて活動かつどうするアメリカの非ひ営利えいり組織そしきのウィリアム・ローダーデ－ルさんは「避難ひなんしてきた人ひとに正まさしく情報じょうほうを提供ていきょうすること、それに車くるまに乗のせようとする人ひとたちの登録とうろくを厳格げんかく化かし、追跡ついせきできるようにすることが必要ひつようだ」と指摘してきしていました。

こうした問題もんだいについては、ユニセフ＝国連こくれん児童じどう基金ききんも人身じんしん売買ばいばいなどのリスクが高たかまっているとして、各国かっこくと連携れんけいして国境こっきょうでの監視かんし活動かつどうなどを強化きょうかするとしています。

エネルゴアトム社しゃはSNSで、ロシア軍ぐんについて「ベラルーシとウクライナの国境こっきょうに向むかって2列れつで移動いどうしていることが確認かくにんされた」と投稿とうこうし、部隊ぶたいの大半たいはんは撤退てったいし、数すう人にんが残のこっている状況じょうきょうだということです。

また「けさ、ロシア軍ぐんはチョルノービリ原発げんぱつを、ウクライナの職員しょくいんに任まかせる意向いこうを示しめした」とも投稿とうこうしています。

また、IAEA＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんのグロッシ事務じむ局長きょくちょうは3月つき31日にち、声明せいめいを発表はっぴょうし、チョルノービリ原子力げんしりょく発電はつでん所しょを占拠せんきょしていたロシア軍ぐんが、原発げんぱつの管理かんりをウクライナ側がわに戻もどしたと、ウクライナ当局とうきょくから連絡れんらくを受うけたことを明あきらかにしました。

IAEAは、近ちかく、原発げんぱつに支援しえんチームを派遣はけんすることをウクライナ側がわと協議きょうぎしているとしています。

声明せいめいによりますと、ロシア軍ぐんや情報じょうほう機関きかんは技術ぎじゅつ的てきに欧米おうべい諸国しょこくに依存いぞんしていますが、複数ふくすうの国くににまたがる企業きぎょうのネットワークを利用りようして物資ぶっしの最終さいしゅう的てきな納入のうにゅう先さきを隠かくしているということです。

アメリカが今回こんかい、制裁せいさいの対象たいしょうにしたのは、このネットワークの中心ちゅうしんとみられる、軍民ぐんみん共用きょうようの設備せつびや技術ぎじゅつの調達ちょうたつに関かかわっているモスクワの機械きかい販売はんばい会社かいしゃのほか、モスクワ郊外こうがいにあるロシア最大さいだいのマイクロチップ製造せいぞう企業きぎょうなどです。

アメリカ財務省ざいむしょうは3月つき24日にち、ロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうを直接ちょくせつ支援しえんする国営こくえいの軍事ぐんじ企業きぎょうなどに制裁せいさいを科かしていますが、今回こんかいの制裁せいさいは、その実効じっこう性せいを高たかめるものとなります。

このうち112人にんは子こどもだということです。

死亡しぼうした人ひとのうち、404人にんは東部とうぶのドネツク州しゅうとルハンシク州しゅうで、828人にんはキーウ州しゅうや東部とうぶのハリキウ州しゅう、北部ほくぶのチェルニヒウ州しゅう、南部なんぶのヘルソン州しゅうなどで確認かくにんされています。

また、けがをした人ひとは1935人にんに上のぼるということです。

多おおくの人ひとたちは砲撃ほうげきやミサイル、空爆くうばくなどによって命いのちを落おとしたり負傷ふしょうしたりしたということです。

今回こんかいの発表はっぴょうには、ロシア軍ぐんの激はげしい攻撃こうげきを受うけている東部とうぶマリウポリなどで、確認かくにんが取とれていない犠牲ぎせい者しゃの数かずは含ふくまれておらず、国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょは、実際じっさいの数かずはこれよりはるかに多おおいとしています。

ウクライナの隣国りんごくモルドバの中部ちゅうぶの村むらカザネスティでは、3月つき初はじめから高校こうこうの寮りょうが避難ひなん者しゃに開放かいほうされ、ウクライナから避難ひなんしてきた7組くみの家族かぞく合あわせて45人にんが、地元じもとの人ひとから食料しょくりょうや衣類いるいの支援しえんを受うけながら、家族かぞくごとに寝泊ねとまりしています。

このうちウクライナ南部なんぶのオデーサ、ロシア語ごでオデッサから母親ははおやや祖父母そふぼなどと避難ひなんしてきた、小学しょうがく2年生ねんせいのコンスタンチン君くん（7）は、平日へいじつは、かつて通かよっていた学校がっこうのオンライン授業じゅぎょうをスマートフォンで受うけています。

3月つき31日にちは体育たいいくの授業じゅぎょうが行おこなわれ、画面がめん上じょうでクラスメートが顔かおをそろえ、先生せんせいの指導しどうを受うけながらボールを投なげたり体操たいそうをしたりしていました。

30人にん余あまりいるクラスメートのおよそ半数はんすうは現在げんざい、モルドバやポーランドなどウクライナ国外こくがいに避難ひなんしているということです。

コンスタンチン君くんは「英語えいごの勉強べんきょうが好すきです。オンライン授業じゅぎょうでクラスメートと顔かおを合あわせて『元気げんき？』などとおしゃべりしています」と話はなしていました。

コンスタンチン君くんの母親ははおやは「世界中せかいじゅうどこにいてもクラスメートや先生せんせいとつながることができ、ありがたいです。戦争せんそう中ちゅうでも勉強べんきょうできるので、今いまの学年がくねんの勉強べんきょうをしっかり終おえて、新しん学期がっきが始はじまる秋あきには故郷こきょうで新あたらしい学年がくねんを始はじめられることを祈いのっています」と話はなしていました。

モルドバの首都しゅとキシニョフでは、地元じもとのプロサッカーチームが週しゅうに4日にち、サッカー教室きょうしつを開ひらいていて、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまってからは、ウクライナから逃のがれてきた子こどもたちも自由じゆうに参加さんかできるようにしています。

3月つき31日にちは、ウクライナから来きた6人にんの子こどもも練習れんしゅうに参加さんかし、コーチからパスの出だし方かたなどを教おそわっていました。

ウクライナ南部なんぶオデーサから2月つき下旬げじゅんに避難ひなんしてきた9歳さいの男の子おとこのこは「しっかり教おしえてくれてとても楽たのしいです。ウクライナの友達ともだちとも早はやくサッカーがしたいです」と話はなしていました。

教室きょうしつを開ひらいているチームのコーチは「ウクライナの子こどもたちにはできるだけふだんどおりの生活せいかつを送おくってほしい。地元じもとの子こどもたちとも交流こうりゅうを続つづけてほしいです」と話はなしていました。

ガイダイ知事ちじは「砲弾ほうだんが民家みんかや幼稚園ようちえんなどを直撃ちょくげきし、戦闘せんとうが行おこなわれている場所ばしょでは遺体いたいを収容しゅうようすることさえできない。きのう（30日にち）は民家みんかが砲撃ほうげきされ、住すんでいた家族かぞくのうち少すくなくとも7人にんが砲弾ほうだんの破片はへんで死亡しぼうした。1歳さいと7歳さい、それに8歳さいの子こどもが含ふくまれていた」と述のべ、市民しみんを巻き添まきぞえにする無む差別さべつ攻撃こうげきが続つづいていると訴うったえました。

また、ロシア側がわが支配しはいしている地域ちいきでは、住民じゅうみんが強制きょうせい的てきに戦闘せんとうに参加さんかさせられているとしたうえで「住民じゅうみんは、ウクライナ軍ぐんとの戦たたかいに参加さんかするか、殺ころされるかという無理むりな選択せんたくを迫せまられる。そして訓練くんれんを受うけたこともない人々ひとびとが戦場せんじょうに放り込ほうりこまれ、数すう十じゅう人にん単位たんいで死しんでいく。前進ぜんしんさせられ、大砲たいほうの餌食えじきとなって死しんでいるのだ」と述のべ、悲惨ひさんな人道じんどう状況じょうきょうを訴うったえました。

ガイダイ知事ちじは「ロシアは攻撃こうげき的てきで、うそつきで、世界せかいの敵てきだ。そして帝国ていこく主義しゅぎ的てきな侵略しんりゃく計画けいかくを持もっている」と非難ひなんし、ウクライナ侵攻しんこうのあとには、ポーランドやバルト3国こくがロシアの標的ひょうてきにされる可能かのう性せいがあると指摘してきしました。

そのうえで「今いまこそ、世界せかいの国々くにぐにが連帯れんたいして、この新あらたな疫病やくびょうとも呼よべる国くにを止とめなくてはならない」と述のべ対たいロシア包囲ほうい網もうの強化きょうかを呼よびかけました。