一方いっぽう、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、戦略せんりゃくを見直みなおしてウクライナ東部とうぶの掌握しょうあくを成果せいかとすることで、来月らいげつ上旬じょうじゅんにも国民こくみん向むけに「勝利しょうりした」とアピールしたい意向いこうとも伝つたえられ、東部とうぶでの戦闘せんとうがいっそう激はげしくなるとみられています。

ロシア国防省こくぼうしょうは3日にち、ウクライナ南部なんぶの黒海こっかいに面めんする港湾こうわん都市とし、オデーサ、ロシア語ごでオデッサ近郊きんこうの製油せいゆ所しょや燃料ねんりょう施設しせつをミサイルで破壊はかいしたと発表はっぴょうするなど、東部とうぶや南部なんぶを中心ちゅうしんにミサイルや空爆くうばくでの攻撃こうげきを続つづけています。

一方いっぽう、首都しゅとキーウ・ロシア語ごでキエフの周辺しゅうへん地域ちいきについて、ウクライナのマリャル国防こくぼう次官じかんは2日にち、自身じしんのフェイスブックでキーウ州しゅう全域ぜんいきをロシア軍ぐんから奪還だっかんしたと強調きょうちょうしました。

こうした中なか、アメリカのCNNテレビは3日にちまでに、複数ふくすうのアメリカ政府せいふ当局とうきょく者しゃの話はなしとして、ロシア軍ぐんが苦戦くせんを強しいられる中なか、プーチン大統領だいとうりょうはロシア国内こくない向むけに「勝利しょうりした」とアピールする必要ひつよう性せいに迫せまられ、戦略せんりゃくを見直みなおして東部とうぶの掌握しょうあくを成果せいかとすることに焦点しょうてんを当あてているとみられると伝つたえました。

その時期じきは、旧きゅうソビエトが第だい2次じ世界せかい大戦たいせんでナチス・ドイツに勝利しょうりした来月らいげつ9日にちの「戦勝せんしょう記念きねん日び」が考かんがえられ、例年れいねん、首都しゅとモスクワで軍事ぐんじパレードを開ひらくなど、愛国あいこく心しんを高たかめる重要じゅうような行事ぎょうじであることから、この場ばで「勝利しょうり宣言せんげん」を行おこないたい意向いこうとみられるということです。

ウクライナの国家こっか安全あんぜん保障ほしょう・国防こくぼう会議かいぎのダニロフ書記しょきも今月こんげつ1日にち、プーチン大統領だいとうりょうの思惑おもわくについて同おなじような認識にんしきを示しめしていますが、いったん国民こくみん向むけに成果せいかをアピールするだけで、実際じっさいには戦闘せんとうは長期ちょうき化かするという見方みかたも出でています。

一方いっぽう、停戦ていせん交渉こうしょうについて、ロシア代表だいひょう団だんトップ、メジンスキー大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんは3日にち、交渉こうしょうが4日にちも継続けいぞくすると明あきらかにしましたが、「合意ごうい文書ぶんしょの草案そうあんの作成さくせいは大おおきく遅おくれている」とするなど双方そうほうの主張しゅちょうの隔へだたりは依然いぜん埋うまっていないという認識にんしきを示しめしています。

ロシアとしては、東部とうぶでどこまで戦況せんきょうを有利ゆうりに進すすめられるか注視ちゅうししながら、交渉こうしょうにどのように臨のぞむのか見極みきわめるものとみられます。