少年法は
成人年齢の
引き下げに
合わせて
改正され、
今月1
日に
施行されました。
「少年」の健全な育成を目的とする少年法は刑罰を与えることよりも立ち直りを重視して、20歳以上の「大人」とは異なる特別な手続きを定めています。
成人となった18歳と19歳も引き続き改正少年法が適用されますが、新たに「特定少年」と位置づけられ17歳以下とは一部異なる取り扱いを受けます。
警察や検察の捜査を受けたあと家庭裁判所に送られるのは同じですが「刑罰を科すべき」として原則、家庭裁判所から検察に送り返す「逆送」という手続きの対象事件が拡大されました。
これまでは殺人や傷害致死など故意に人を死亡させた罪に限られていましたが「特定少年」については強盗や強制性交、放火など法定刑の下限が1年以上の罪も対象になりました。
起訴されると大人と同じように裁判が開かれ、実刑が確定すれば立ち直りの教育を行う少年院ではなく刑務所などで刑に服すことになります。
また少年法では立ち直りの妨げにならないよう名前や顔写真など本人と推定できる情報の報道を禁止していますが「特定少年」が起訴された場合は報じることが可能になりました。
一方、改正法の付帯決議では「特定少年の健全育成と更生の妨げとならないよう十分配慮されなければならない」とされていて、最高検察庁は裁判員裁判の対象事件など「犯罪が重大で地域社会に与える影響も深刻な事案」を実名公表の検討対象とする考えを示しています。
被告とは
被告は
甲府市内の
中学校に
通っていましたが、
途中から
不登校になったといいます。
中学校の
同級生は「
あまり学校に
来ておらず
不登校だったので、
彼の
話はあまり
聞いたことがなかった」とか「1
年生の
早い段階から
来なくなっちゃったという
感じです。
中学1
年の
夏休みくらいの
時期は
クラスの
友達とたまに
遊んでいた
印象は
あるが、
それ以降は
印象にない」と
話していました。
中学校卒業後は県内の定時制高校に進学し、去年4月からは生徒会長を務めていました。同じ高校の生徒は「すごくまじめに取り組む生徒で、みんなをまとめていたことが印象的だ。生徒会長をしていて学校の活動を積極的に増やしたり、今より明るい学校にしたいと方針を話していた。すごく悲しく、やってはいけないことなのでしっかり罪を償い、自分の犯したことに向き合っていってほしい」と話していました。
以前、近所に住んでいたという女性は事件について「本当に驚いた。おとなしくいい子で、まさか事件を起こすとは思わなかった」と話していました。
事件とは
起訴状や
警察などへの
取材による
事件の
経緯です。
去年10月12日の午前3時半ごろ、事件は起きました。現場となった甲府市の住宅には50代の夫婦と10代の娘2人の一家4人が住んでいました。
数キロ離れた自宅から歩いて来た被告は、住宅の1階の窓を割って侵入したとみられています。そして夫婦の頭などをなたで何度も殴ったうえ、果物ナイフで刺して殺害。その後、鉢合わせした次女の頭もなたで殴ったとされています。
その後、娘2人は2階のベランダから逃げて警察に通報。
被告は住宅に油をまいて火をつけたとされ、住宅は全焼しました。
現場から立ち去った被告は自宅で車に乗り換えて逃走を続けましたが、午後7時ごろ、30キロほど離れた山梨県身延町の駐在所に出頭しました。
捜査関係者によりますと、出頭した際「人を殺してしまった」と泣きながら話していたということです。警察はその後、放火や夫婦を殺害した疑いで逮捕しました。
甲府地方検察庁は事件当時の精神状態などを調べるため、去年12月からおよそ3か月間の鑑定留置を行ったあと家庭裁判所に送りました。
そして甲府家庭裁判所は今月4日の少年審判で「凶器を計画的に準備し証拠を隠滅するために放火した。資質や成育過程の問題が影響を及ぼした可能性もあるが反省や謝罪の態度は見られず結果は重大で、刑事処分が相当だ」として検察庁に送り返す決定をしていました。
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