”更年期離職” 40代と50代で推計57万人経済損失約6300億円か - Easy News

気分きぶんの落ち込おちこみや体からだの痛いたみなど、更年期こうねんきにあらわれる症状しょうじょうが原因げんいんで仕事しごとを辞やめざるを得えなくなる、いわゆる「更年期こうねんき離職りしょく」を経験けいけんした人ひとは、今いまの40代だいと50代だいで57万まん人にんに上のぼるとみられ、それに伴ともなう経済けいざい損失そんしつは年間ねんかんでおよそ6300億おく円えんに達たっするという推計すいけいを専門せんもん家かがまとめました。

これは労働ろうどう経済けいざい学がくが専門せんもんの日本にっぽん女子じょし大学だいがくの周しゅう燕つばめ飛ひ教授きょうじゅが、NHKと専門せんもん機関きかんが共同きょうどうで行おこなったアンケートをもとに算出さんしゅつしました。

アンケートは去年きょねんインターネットで行おこない、40代だいと50代だいで更年期こうねんきの不調ふちょうがあるとみられる男女だんじょおよそ5300人にんのうち、症状しょうじょうが原因げんいんで仕事しごとを辞やめた人ひとは

▽女性じょせいが9％

▽男性だんせいが7％で

これをもとに「更年期こうねんき離職りしょく」を経験けいけんした人ひとの数かずを推計すいけいすると、今いまの40代だい、50代だいで

▽女性じょせいがおよそ46万まん人にん

▽男性だんせいがおよそ11万まん人にんに上のぼるという結果けっかになっています。

さらに今回こんかい、「更年期こうねんき離職りしょく」によって仮かりに仕事しごとを失うしなった状態じょうたいが1年間ねんかん続つづいた場合ばあい、社会しゃかい全体ぜんたいでどのくらいの経済けいざい損失そんしつがもたらされるか推計すいけいしたところ

▽女性じょせいでおよそ4200億おく円えん

▽男性だんせいでおよそ2100億おく円えんの合あわせて6300億おく円えんに達たっするとみられることが、新あらたに明あきらかになりました。

更年期こうねんきの不調ふちょうとホルモンの減少げんしょう

更年期こうねんきは女性じょせいの閉経へいけい前後ぜんごの10年間ねんかん、40代だい後半こうはんから50代だい前半ぜんはんをいい、個人こじん差さはありますが女性じょせいホルモンがおおきく揺ゆらぎながら急激きゅうげきに減少げんしょうすることによってほてりや不眠ふみん、けん怠けんたい感かん、気持きもちの落ち込おちこみなどさまざまな心身しんしんの不調ふちょうを引き起ひきおこします。

また、男性だんせいもメカニズムは違ちがいますが、ストレスなどによって男性だんせいホルモンが減少げんしょうすることで多おおくは40代だいから60代だいにかけて不調ふちょうが起おこると考かんがえられています。

ただ、ストレスや環境かんきょうの変化へんかによって70代だいになって症状しょうじょうが出でることもあります。

専門せんもん家か「キャリアアップの重要じゅうよう時期じきに離職りしょくは大おおきな問題もんだい」

「更年期こうねんき離職りしょく」による経済けいざい損失そんしつを推計すいけいした、日本にっぽん女子じょし大学だいがくの周しゅう燕つばめ飛ひ教授きょうじゅは「無視むしできない非常ひじょうに大おおきな数値すうちになっている。更年期こうねんきの年齢ねんれいはちょうどキャリアアップの重要じゅうような時期じきだが『更年期こうねんき離職りしょく』により、その可能かのう性せいが断たたれてしまうのは大おおきな問題もんだいだ。企業きぎょうが相談そうだん体制たいせいの整備せいびや医療いりょう機関きかんの受診じゅしんを促うながすなど、離職りしょくを食い止くいとめる防波堤ぼうはていをつくることが重要じゅうようだ。国くにも更年期こうねんきの体調たいちょう不良ふりょうによる休やすみを取得しゅとくしやすくなるよう政策せいさくで促うながすとともに、症状しょうじょうが重おもい人ひとの治療ちりょう費ひについて、支援しえんを検討けんとうする余地よちがあるのではないか」と話はなしていました。