このうち東部ハルキウでは22日、民間施設に攻撃があり、住宅地や倉庫などが被害を受け、1人が死亡し6人がけがをしたと伝えています。
映像では消防隊員が活動する様子や骨組みがあらわになった建物などが映っています。
また16日、ミコライウの原子力発電所付近に設置された監視カメラに記録された映像として、ロシア軍が発射したとみられるミサイルが上空を飛んでいく様子を伝えています。
原発の近くを黒い飛行体が猛スピードで飛んで行く状況に「脅威が高かった」と指摘しています。
一方、24日の復活祭にあわせて伝統の「イースターブレッド」が、ウクライナ軍の兵士や避難している人に届けられるという話題も伝えていて、女性たちが生地を作ったり、子どもたちが仕上げの飾りつけをしたりして準備を進める様子が紹介されていました。
ミサにはプーチン大統領がろうそくを手に参列し、ロシア正教会トップのキリル総主教らがささげる祈りにあわせて大勢の信者とともに十字を切るなどしていました。
オデーサのトゥルハノフ市長はこの攻撃で生後3か月の女の子を含む8人の死亡が確認されたとSNS上で明らかにしました。 ロイター通信が配信した映像では高層ビルから煙があがり、救急車や消防車が集まっている様子が確認できます。
しかし、地元の人によりますと、多くの市民が国内外に避難しているため、ことしは教会を訪れる人がかなり少ないということです。 2歳の娘や、夫の両親とともに教会を訪れたアナスタシヤさん(29)は夫が兵士として戦地にいるということで「夫が一緒にいればもっとよい復活祭になったでしょう。今は、毎朝、無事に目が覚めるだけで十分でほかに望むことはありません」と話していました。 また、アナスタシヤさんの夫の父親は「多くの人が亡くなり、さらに犠牲者がどれだけ増えるかもわからず、悲しみを伴う復活祭になっています。勝利を祈り信じています」と話していました。
ロシア軍は首都キーウの早期掌握を断念したあと、東部での作戦を強化していて、21日には要衝のマリウポリを掌握したと宣言しました。 ロシア軍は作戦が「第2段階」に入ったとして、大規模な戦闘に向けた部隊の移動を進めていて、ロシア国防省は23日、東部各地をミサイルなどで攻撃したと発表しました。 プーチン大統領は、旧ソビエトが第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した来月9日の「戦勝記念日」に向け、今回の軍事侵攻の成果をロシア国民に印象づけたい思惑があるとされています。 これに対し、ウクライナ側は欧米からの軍事支援も受けてマリウポリを含む東部や南部で徹底抗戦する構えで、ゼレンスキー大統領は22日「私たちの声を聞き入れ、求めたものを提供してくれたすべてのパートナーに感謝する」と述べ、欧米との結束を強調しました。 ウクライナ側は欧米からの軍事支援も受けて徹底抗戦する構えで、戦闘が長期化する懸念も出ています。
ゼレンスキー大統領は両長官と会談するとしたうえで「これはとても重要なことだ。私たちが必要としている武器や供与してもらえる時期について話し合うことになるだろう」と述べ、アメリカによる軍事支援などをめぐって協議が行われるという見通しを示しました。 これについて、アメリカ国務省と国防総省の報道担当者は、NHKの取材に対し「コメントを差し控える」としています。
また、387人がけがをしたとしています。 死傷した子どもが最も多いのは東部ドネツク州で120人、次いで首都があるキーウ州で113人、東部ハルキウ州で91人、北部チェルニヒウ州で66人などとなっています。 また、爆撃や砲撃による被害を受けた学校などの教育施設は1500にのぼり、このうち102の施設は完全に破壊されたということです。
そのうえで「美しい都市だったが、そこにはいま被害を受けていない建物はほとんどない。マリウポリはもうないのだ。そして、この写真を撮った人ももういない」とつづっています。 写真を撮った人物について、ウクライナのジャーナリストで作る団体はテレビ局に勤めていたジャーナリストで、先月11日にマリウポリの自宅で爆撃を受け亡くなったとしています。
その一方でウクライナへ戻る人たちも多くいて、車の列が国境からおよそ6キロにわたって続いていました。 これまでベルギーで暮らしていたというウクライナ人のバシル・ボイコさんは「ウクライナで兵役に就くために戻り、自分の国を守ります」と話していました。 また、ウクライナ中部に残る家族とキリスト教の復活祭を過ごそうと、避難先のワルシャワから娘と2人で戻るルドゥミラ・パブルクさんは「ケーキを焼いてゆで卵に色をつけ、教会に行ってゆっくりしたいです。これまでウクライナの人たちが過ごしてきたように、普通に過ごしたいです」と話していました。
ウクライナ正教会では24日が、キリストの復活を祝う復活祭で、これを前にポーランド南東部のジェシュフにある教会では23日ミサが行われ、ウクライナから避難してきた人たちも大勢教会を訪れました。 このうちオクサーナ・ビルトさんと、母親のマヤ・カニューカさんは2月下旬にリビウからポーランドに避難した親子で、復活祭に欠かせない色つきのゆで卵と「パスハ」と呼ばれるケーキを持参し、聖職者の祝福を受けていました。 オクサーナ・ビルトさんは「ウクライナに平和が訪れるよう祈った。すべてのポーランドの人たちが私たちを助けてくれている。アパートを無償で借り支援も受け、支えられていると感じる。しかし家族と離れ離れで、家からも遠く離れているのでつらい」と話していました。 また母親のマヤ・カニューカさんは「この2か月、私たちは家族がバラバラとなり、悲しみと怒りを経験した。平和になってほしい」と話していました。
プーチン大統領 復活祭のミサに参列
南部オデーサでミサイル攻撃 8人死亡
夫不在の復活祭「無事に目が覚めるだけで十分」
軍事侵攻から2か月
ゼレンスキー大統領「米長官がキーウ訪問する」
“子どもの犠牲 少なくとも208人” ウクライナ検察当局
ゼレンスキー大統領「マリウポリはもうない」
国境では歩いて避難する人、戻る人
避難してきた人たちが祈り ポーランド