マクロン大統領再選も極右勢力が得票伸ばす社会の分断鮮明に - Easy News

フランス大統領だいとうりょう選挙せんきょの決選けっせん投票とうひょうで、現職げんしょくの中道ちゅうどう、マクロン大統領だいとうりょうが極右きょくう政党せいとうのルペン前ぜん党首とうしゅを破やぶり、再選さいせんを果はたしました。今回こんかいの選挙せんきょでは極右きょくう勢力せいりょくが得票とくひょう率りつを伸のばして社会しゃかいの分断ぶんだんが一層いっそう鮮明せんめいになったほか、混迷こんめいするウクライナ情勢じょうせいへの対応たいおうも喫緊きっきんの課題かだいで、マクロン大統領だいとうりょうは内政ないせい、外交がいこうの両面りょうめんで厳きびしく手腕しゅわんを問とわれることになります。

フランス大統領だいとうりょう選挙せんきょは24日にち、決選けっせん投票とうひょうが行おこなわれ、即日そくじつ開票かいひょうの結果けっか、どちらかに投票とうひょうした人ひとのうち、現職げんしょくの中道ちゅうどう、マクロン大統領だいとうりょうの得票とくひょう率りつが58.54％、極右きょくう政党せいとうのルペン前ぜん党首とうしゅが41.46％で、マクロン大統領だいとうりょうがルペン氏しを破やぶって再選さいせんを果はたしました。

同おなじ組み合くみあわせで行おこなわれた前回ぜんかい5年ねん前まえの選挙せんきょに比くらべると、ルペン氏しは得票とくひょう率りつを伸のばして差さを縮ちぢめていて、社会しゃかいの分断ぶんだんが進すすんでいることが一層いっそう鮮明せんめいになりました。

マクロン大統領だいとうりょうは支持しじ者しゃを前まえにした演説えんぜつで「私わたしは1つの陣営じんえいの候補こうほ者しゃではなく、すべての国民こくみんの大統領だいとうりょうだ」と述のべ、極右きょくうに票ひょうを投とうじた人々ひとびとの政権せいけんに対にたいする不満ふまんにも耳みみを傾かたむけ、分断ぶんだんの解消かいしょうに努つとめる考かんがえを示しめしました。

また、ウクライナ情勢じょうせいが混迷こんめいを深ふかめる中なか、フランスはことし前半ぜんはんのEU＝ヨーロッパ連合れんごうの議長ぎちょう国こくとして、停戦ていせんの実現じつげんに加くわえ、長期ちょうき的てきなヨーロッパの安定あんていに向むけて、指導しどう力りょくが問とわれています。

2期き目めを務つとめるマクロン大統領だいとうりょうは内政ないせい、外交がいこうの両面りょうめんでこれまで以上いじょうに厳きびしく手腕しゅわんを問とわれることになります。

専門せんもん家か「引き続ひきつづき難むずかしい政権せいけん運営うんえいに」

フランス大統領だいとうりょう選挙せんきょの結果けっかについて、フランス政治せいじに詳くわしいパリ大学だいがく講師こうしのバンジャマン・モレル氏しは「マクロン氏しの再選さいせんは、大統領だいとうりょうへの積極せっきょく的てきな支持しじではなく、ルペン氏しの当選とうせんを阻止そししようとした人々ひとびとによるところが大おおきい。マクロン氏しには有利ゆうりな結果けっかとなったが、棄権きけん率りつも高たかく、ルペン氏しも5年ねん前まえより多おおくの得票とくひょうをした」と述のべ、明確めいかくな勝利しょうりとは言いえないという見方みかたを示しめしました。

また、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうの影響えいきょうについては「マクロン氏しに大統領だいとうりょうとしての指導しどう力りょくを発揮はっきする機会きかいをもたらした一方いっぽうで、国内こくないの物価ぶっか問題もんだいにも焦点しょうてんが当あたり、こちらはルペン氏しに追い風おいかぜとなった」として、選挙せんきょにさまざまな影響えいきょうを及およぼしたという見方みかたを示しめしました。

そのうえで、マクロン大統領だいとうりょうの2期き目めの課題かだいについて、2018年ねんに燃料ねんりょう税ぜいの引き上ひきあげに反対はんたいする人々ひとびとが全国ぜんこくで抗議こうぎ行動こうどうを起おこした「黄色きいろいベスト運動うんどう」に触ふれ「社会しゃかいの分裂ぶんれつが解消かいしょうされたわけでなく、ウクライナ情勢じょうせいを受うけ再ふたたび物価ぶっか問題もんだいが浮上ふじょうしており、黄色きいろいベスト運動うんどうのような抗議こうぎ行動こうどうが再ふたたび起おきる可能かのう性せいは十分じゅうぶんある」と指摘してきしました。

そして「圧倒的あっとうてきな過か半数はんすうの支持しじを得えていない大統領だいとうりょうにとって、国くにを治おさめることは容易よういではないだろう」と述のべ、マクロン大統領だいとうりょうは引き続ひきつづき難むずかしい政権せいけん運営うんえいを迫せまられるという見方みかたを示しめしました。

各地かくちで抗議こうぎのデモ

フランスでは24日にち夜よる、マクロン大統領だいとうりょうの再選さいせんに抗議こうぎする人ひとたちのデモが各地かくちで行おこなわれ、一部いちぶでは警察けいさつとの衝突しょうとつも起おきました。

このうち南東なんとう部ぶリヨンで行おこなわれたデモでは、極左きょくさグループと見みられる参加さんか者しゃが警察けいさつの車両しゃりょうや建物たてものに対にたいし花火はなびを放はなったということです。

またパリ中心ちゅうしん部ぶのレピュブリック広場ひろばにも、マクロン大統領だいとうりょうを批判ひはんするプラカードを掲かかげた市民しみんなど数すう百ひゃく人にんが集あつまり、警察けいさつが催涙さいるいガスを投とうじる場面ばめんもありました。

磯崎いそざき官房かんぼう副ふく長官ちょうかん「ウクライナ侵略しんりゃくを含ふくむ国際こくさい社会しゃかいの諸しょ課題かだいに連携れんけい」

磯崎いそざき官房かんぼう副ふく長官ちょうかんは記者きしゃ会見かいけんで「心こころよりの祝意しゅくいを申し述もうしのべたい。フランスは自由じゆう、民主みんしゅ主義しゅぎ、人権じんけん、法ほうの支配しはいといった普遍ふへん的てき価値かちを共有きょうゆうする重要じゅうようで特別とくべつなパートナーだ。インド太平洋たいへいよう地域ちいきにおける協力きょうりょくなどで日にち仏ふつ関係かんけいを引き続ひきつづき強化きょうかしていくとともに、ロシアによるウクライナ侵略しんりゃくを含ふくむ国際こくさい社会しゃかいの諸しょ課題かだいに対にたいし一層いっそう連携れんけいしていく」と述のべました。

そのうえで「ロシアによる非道ひどうな侵略しんりゃくを終おわらせ平和へいわ秩序ちつじょを守まもるため、まさにいま正念場しょうねんばを迎むかえているところであり、今いまほどG7＝主要しゅよう7か国かこくの結束けっそくが求もとめられている時ときはないと考かんがえている。マクロン大統領だいとうりょう率ひきいるフランスと引き続ひきつづき緊密きんみつに連携れんけいしていきたい」と述のべました。