FRBは4日にちまでの2日間にちかん、金融きんゆう政策せいさくを決きめる会合かいごうを開ひらき、政策せいさく金利きんりを通常つうじょうの2倍ばいにあたる0.5％引き上ひきあげることを決きめました。0.5％の大幅おおはばな利上りあげは2000年ねん5月つき以来いらい22年ねんぶりで、これによって政策せいさく金利きんりは0.75％から1％の幅はばとなります。

さらにFRBは保有ほゆうする国債こくさいなどの金融きんゆう資産しさんを来月らいげつから段階だんかい的てきに圧縮あっしゅくしていく対応たいおうを始はじめることも決きめました。

月額げつがく475億おくドル、日本にっぽん円えんでおよそ6兆ちょう1000億おく円えんを上限じょうげんに圧縮あっしゅくを始はじめ、3か月かげつ後ごには上限じょうげんを950億おくドルに拡大かくだいするとしています。

コロナ禍かの量的りょうてき緩和かんわ策さくでは市場しじょうから国債こくさいなどを買い入かいいれて大量たいりょうの資金しきんを供給きょうきゅうしてきましたが、これとは逆ぎゃくに市場しじょうに出回でまわる資金しきんが減へることになり「量的りょうてき引き締ひきしめ」と呼よばれます。

声明せいめいの中なかでFRBはロシアによるウクライナ侵攻しんこうや中国ちゅうごくの厳きびしいコロナ対策たいさくに伴ともなう物流ぶつりゅうへの影響えいきょうなどを懸念けねん要因よういんに挙あげたうえで「インフレのリスクを非常ひじょうに注視ちゅうししている」としました。

FRBは前回ぜんかい・3月つきの会合かいごうでゼロ金利きんり政策せいさくを解除かいじょして利上りあげに踏み切ふみきりましたが、ウクライナ情勢じょうせいも影響えいきょうして消費しょうひ者しゃ物価ぶっかは40年ねんぶりの高たかい水準すいじゅんになっていて、2つの金融きんゆう引き締ひきしめ策さくでインフレの抑おさえ込こみを急いそぐ構かまえです。

ただアメリカ経済けいざいは3月つきまでの3か月かげつ間かんの成長せいちょう率りつがマイナスに転てんじるなど課題かだいもみられ、引き締ひきしめの加速かそくが景気けいきを冷ひやしすぎないか警戒けいかいされています。

また外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは日本にっぽんとアメリカとの金融きんゆう政策せいさくの方向ほうこう性せいの違ちがいを背景はいけいに円えん安やすドル高だかが急速きゅうそくに進すすんでいて、今後こんごも引き締ひきしめのペースをめぐるFRBのかじ取かじとりに円えん相場そうばが大おおきく左右さゆうされることも予想よそうされます。

FRB議長ぎちょう「次つぎの2回かいの会合かいごうでも0.5％の利上りあげ検討けんとう」

FRBのパウエル議長ぎちょうは記者きしゃ会見かいけんで今回こんかいの決定けっていについて「インフレはあまりにも高たかすぎそれがもたらす困難こんなんを理解りかいしている。強つよい雇用こよう環境かんきょうを維持いじするためにはインフレを低下ていかさせることが不可欠ふかけつだ」と述のべ、物価ぶっかの記録きろく的てきな上昇じょうしょうを抑おさえるねらいを強調きょうちょうしました。

またアメリカ経済けいざいそのものは堅調けんちょうで金融きんゆう引き締ひきしめに対応たいおうできるとし「次つぎの2回かいの会合かいごうでも0.5％の利上りあげが検討けんとうされるだろう」と述のべ、来月らいげつと7月つきの会合かいごうでも0.5％の大幅おおはば利上りあげを続つづける可能かのう性せいを示しめしました。

一方いっぽう、市場しじょうではFRBが今後こんご0.75％のさらなる大幅おおはばな利上りあげに踏み切ふみきる可能かのう性せいが警戒けいかいされてきましたが、これについて問とわれたパウエル議長ぎちょうは「0.75％の利上りあげを積極せっきょく的てきに検討けんとうしているということはない」と述のべ、慎重しんちょうな考かんがえを示しめしました。