宅配最大手の「ヤマトホールディングス」は、
子会社が
法人向けの
引っ越し
サービスで
料金を
過大請求していた
問題で、
調査委員会の
報告書を
公表し、
悪意を
持って
意図的に
見積もり
額を
上乗せしていた
ケースがあったことを
明らかにしました。
これを
受け、
法人向けだけでなく、
個人向けの
引っ越し
事業も
新規の
受注を
休止すると
発表しました。ヤマトホールディングスは、31
日、
国土交通省に対して
外部の
弁護士らによる
調査委員会の
報告書を
提出したあと、
記者会見しました。
それによりますと、法人向けの引っ越しサービスを手がける子会社のヤマトホームコンビニエンスは、ことし6月までのおよそ2年間に2640社からおよそ17億円の料金を取りすぎていたと認定し、その多くは余裕を持って多めに見積もった金額を、そのまま請求していたことが原因だということです。
さらに過大請求した17億円のうち16%程度については、実際には行っていない作業のオプションをつけるなどの手口で、悪意を持って意図的に見積もり額を上乗せしていたと推測されるとしています。
四国の高知支店では支店長や社員が一体となって組織的に見積もり額の上乗せを行い、上役にあたる四国統括支店長も黙認していたとしています。
こうしたことを受け、会社側は法人向けだけでなく、個人向けの引っ越し事業も新規の受注を休止すると発表しました。
またヤマトホールディングスは、山内社長ら5人の役員が月額報酬の一部を3か月間、自主返納するほか、過大請求した子会社の歴代社長や現在の役員ら8人を降格や減俸の処分としました。
山内社長「深くおわび 再発防止に努める」
宅配最大手の「ヤマトホールディングス」の山内雅喜社長は記者会見で「不適切な請求により引っ越しサービスはもちろんグループのサービスを利用していただいているお客様や関係者の信頼を裏切ることになり、多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と述べて謝罪しました。
そのうえで山内社長は「親会社のホールディングスが強く関与することで、少しでも多くのお客様の信頼を取り戻せるよう再発防止策の着実な遂行に努めていく」と述べました。
調査委員会 グループ全体に組織として重大な問題あった
調査を行った委員会の河合健司委員長は記者会見で、子会社では支店などで発生した問題は現場で解決しているはずだという「現場任せ」の組織風土になっていたと指摘したほか、この問題について過去に内部通報があったにもかかわらず、具体的な対応の手順が決められていなかったため、是正できなかったことを明らかにました。
そのうえで、河合委員長は「子会社だけではなく親会社も含めたヤマトグループ全体でガバナンスやコンプライアンスに重大な問題があったと言わざるをえない。多くの関係者を裏切ることになったことをグループ全体で受け止めないといけない」と述べ、グループ全体に組織としての問題点があることを厳しく指摘しました。