中国の河南省でアクロバット演技を披露していた曲芸師の男性が、空中演技の最中に転落して重傷を負った。男性は昨年、演技のパートナーだった妻を、やはり演技中の事故で亡くしたばかりだった。
重傷を負った張凱さん(39)は25日夜、河南省で空中演技中に、つかんでいた2枚の布がクレーンから外れ、数メートル下のコンクリートの地面に落下した。
国営紙の報道によると、張さんが中国のSNSドウイン(抖音)で同時配信していた動画は、落下した瞬間の様子をとらえていた。
家族が国営紙に語ったところによると、張さんは顔面と脚を骨折する重傷を負い、27日現在、命の危険は脱したものの、集中治療室に入院している。
張さんの妻は昨年4月、安徽省で夫と共に行った空中演技の最中に転落死していた。
この場面をとらえた映像には、屋外ステージ上でクレーンに宙高く吊り上げられた2人が映っている。空中で夫の首に腕を巻き付けていた妻は、動作を切り替えようとして手を滑らせ、観客から悲鳴が上がる中でステージの床にたたき付けられた。張さんは両脚で妻をつかまえようとしたが、できなかった。
中国のSNSではこの事故をめぐり、安全ベルトや安全ネットが使われていなかったことに疑問を投げかける声や、規制強化や安全対策の強化を求める声が噴出した。
地元自治体が調査した結果、公演を主催した会社が事前に当局の許可を得ていなかったことや、基本的な安全手順を守っていなかったことが判明。公演でのクレーン使用も規制に違反していた。
ドウインには張さんの速やかな回復を祈る声が寄せられ、子どもたちのために仕事を変えた方がいいと促すコメントもあった。