スペインのフェリペ国王は3日、大規模洪水で200人超が死亡した東部バレンシア自治州を訪れた。
被害が大きい州都郊外パイポルタをレティシア王妃らと共に見舞ったが、支援の遅れに不満を募らせた被災者が訪問に抗議。現場は一時騒然とした。
パイポルタでは少なくとも60人が犠牲になった。道路が寸断され、水・食料は不足したまま。住民は「全てを失った無力感」(公共放送)から、国王一行に泥を投げたり、シュプレヒコールを上げたりして反発。住民と警護隊がもみ合いとなる中、国王は被災者との対話を続けた。
一方、プエンテ運輸相は3日、水害の死者が214人に達したと明らかにした。行方不明者の捜索は住宅の地下室や冠水した駐車場を中心に行われている。ただ、水没した車の撤去や排水に時間を要していると説明した。
バレンシア州には続々と支援が集まっている。首都マドリードや北部ナバラ州、地中海に浮かぶマヨルカ島などから派遣された消防、警察、医療関係者らが救助活動に従事。南西部セビリア市は飲用水3万5000リットルの提供を表明した。