として知られる広島県竹原市の大久野島で、野生のウサギが激減しています。訪れる国内外の観光客が減り、餌が少なくなったためです。地元では貴重な「観光資源」をどう守るかについて議論が始まっています。
大久野島は周囲約4キロの無人島です。第2次世界大戦前から戦中にかけ、旧陸軍の毒ガス製造工場があり、当時は機密保持のため地図から消されていましたが、1950年に瀬戸内海国立公園に編入しました。現在、宿泊施設やキャンプ場があり、国内外から観光客が訪れています。
ウサギが増えたのは70年代です。島外から持ち込まれた外来種が野生化し、繁殖したとされます。2013年頃、外国人観光客らがインターネットで「ウサギ島」と紹介したことで、知名度が急上昇しました。13年に約12万5000人だった観光客数は年々増え、19年は約28万9000人に達しました。