警視庁によりますと、去年7月、東京 目黒区の目黒駅近くでバス停に止まっていた東急バスの路線バスの男性運転手に向けてレーザー光線を当てたとして、威力業務妨害と暴行の疑いが持たれています。
運転手はけがはありませんでしたが、目に違和感を感じ、次の終点のバス停まで運転しその後の乗務を別の運転手と交代したということです。
当時、浅川容疑者は乗用車を運転していて、バスが止まった際に隣の車線に乗用車を横付けし、レーザーポインターを使ってレーザー光線を当てたとみられています。
その後、現場から立ち去っていて、届け出を受けた警視庁が、周辺の防犯カメラの映像などから容疑者を特定したということです。
警視庁によりますと、調べに対して容疑を認め「バスに割り込まれたので腹が立った」などと供述しているということです。警視庁が当時の状況を詳しく調べています。
バスの乗客「怖い 危ない」
近くに住む83歳の男性は「ひどい話で許せないです。自分も都電の運転士だったが、目に光が入ったらいちばん危ないし、絶対にやめてほしい」と話していました。
小学生の孫とバスに乗っていた60代の女性は「子どもも乗るのでなぜそんなことをやるのかわからないし、怖いです。危ないと思います」と話していました。
レーザー照射被害相次ぐ
電車や航空機などにレーザー光線が当てられる被害はこれまでも全国で相次いでいます。
去年10月には、宮崎県の上空を飛行していた陸上自衛隊のヘリコプターがレーザー光線とみられる緑色の光を当てられ、操縦していた副操縦士が視力の低下を訴えました。
また平成28年には、川崎市内を飛行中の海上自衛隊の航空機にレーザー光線を照射したとして、55歳の会社員が威力業務妨害の疑いで警察に逮捕されました。
さらに、平成27年には山口県周南市で山陽新幹線の運転席にレーザー光線とみられる光が当てられる被害がありました。
いずれもインターネットなどで購入できるレーザーポインターが使われたとみられています。レーザーポインターの中には国の安全基準に違反した高い出力のものが違法に販売されているケースもあり、警察が取締りを強化しています。