こうした中、上海市当局は13日の会見で、今月中旬のうちに施設などに隔離された人を除き感染者をゼロにすることを目指すと強調しました。
新たな目標を掲げる中、当局は感染リスクがあるとみなした人に対しても厳しく隔離する方針に乗り出しています。
例えば、集合住宅で感染者が出た場合、同じ階や上下の階の住民も隔離対象になる可能性があると説明しています。
ただ、どのようなケースが隔離対象となるかの基準はあいまいな部分もあり、こうした中で強制的に隔離される可能性もあるということで、インターネット上では批判的な意見や懸念も出ています。
このため、現地の日本総領事館は日本人が隔離される場合などは必要に応じて当局に申し入れを行うとしています。
女性が住むマンションでは、ことし3月下旬から外出が制限されていましたが、今月に入ってからも感染者が相次いで確認されたため、当局はマンション内の消毒を理由に感染していない住民に対しても今月10日から隔離措置を行うと通知してきました。 女性は当初、隔離を拒否したものの受け入れられず、上海からバスで4時間ほど離れた別の都市のホテルに移送されました。 移送の際には防護服を着用することになりましたが、バスの車内は隔離の対象者でほぼ満席となっていて密集していたほか、到着したあとに陽性反応を示した人もいたため、自分も感染していないか不安を感じたということです。 また、隔離先のホテルでは食事が提供されるものの、浴室やベッドなどは十分に清掃されていないなど衛生的に問題があるということです。 女性は「当局には隔離場所に行きたくないと言ったが『いずれ警察に連行されるので従った方がいい』と言われました。上海の生活が普通に戻ることがいちばんですが、あまり期待を抱かないようにしています。ただ、こうした状態が早く終わってほしいし、日本に戻って家族を安心させることが今のいちばんの願いです」と話していました。 一方、徹底して感染を抑え込むゼロコロナ政策については「上海で外出制限が始まるまでは、中国はコロナ対策に関してはうまくやっていたと思います。ただ今回は現場の状況を分からずに政策を決めていることも多いように思い、『ゼロコロナ』の悪い部分もたくさん見せられたとも感じています」と話していました。