水深およそ120メートルの海底に沈んだ観光船に取り残された人がいないか調べるため、民間のサルベージ会社の潜水士が、飽和潜水と呼ばれる深い海に対応できる方法で捜索を行うことにしています。
潜水士たちを乗せた作業船「海進」は、準備のため現場に近い網走港に停泊していましたが、18日午後4時ごろ、タグボートに引かれ、沈没現場に向けて出港しました。
第1管区海上保安本部によりますと、作業船では、3人の潜水士が加圧タンクに入り、水深およそ120メートルの海底の水圧に対応できるよう体を慣らしたうえで、19日午後1時から、飽和潜水による船内の捜索を開始する予定です。
2日間ほどかけて捜索を行い、その後、船の引き揚げに向けた調査も進めることにしています。
一方、知床半島周辺の海域や陸側の海岸線では、18日も海上保安本部や自衛隊、警察による捜索が続けられていますが、午後2時半現在、新たな手がかりは見つかっていないということです。
それによりますと、「飽和潜水」という方法で深い海に対応できる潜水士を乗せた「海進」は、準備のため停泊している網走港を18日午後4時に出港し、観光船の沈没現場に向かいます。 港を出たあと、3人の潜水士は、船内に据え付けられた加圧タンクに入ります。 このタンク内で、およそ2時間過ごすことで、深海の高い水圧にも対応できるよう体を慣らしていくということです。 そのうえで、19日の午後1時から飽和潜水の作業に取りかかります。 まず、潜水士たちは、加圧タンクから「水中エレベーター」に移動し、1時間半ほどかけて、水深およそ120メートルの海底まで下りていきます。 このため「水中エレベーター」から出て、実際に船体の捜索を開始するのは、19日の午後2時半からとなります。 3人の潜水士が同時に水中で活動するのかなど、詳しい作業工程は分かっていませんが、船内での捜索活動は20日までの2日間程度、行われる見通しです。 潜水士たちは、深海の低い水温に耐えられるよう、温水を通した特殊なウエットスーツを着用し、初日の19日は数時間程度、2日目の20日は5時間ほど、海底で作業にあたる予定だということです。 1日の作業を終えると、再び「水中エレベーター」で1時間半ほどかけて作業船に戻ります。 潜水士は、行方不明者の捜索を最優先で行ったうえで、その後、船体の引き揚げに向けた調査にもあたることにしています。
今後の捜索活動のスケジュール