インフルエンザ患者かんじゃ数すう 現行げんこうの統計とうけい開始かいし以降いこうで最多さいたに

すべての都道とどう府県ふけんで前まえの週しゅうから増加ぞうか

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょなどによりますと、先月せんげつ29日にちまでの1週間しゅうかんに全国ぜんこくおよそ5000か所かしょの医療いりょう機関きかんから報告ほうこくされたインフルエンザの患者かんじゃ数すうは31万まん7812人にんで、前まえの週しゅうより10万まん人にん余あまり増ふえました。

1医療いりょう機関きかんあたりでは64.39人にんと前まえの週しゅうより21.73人にん増ふえて、現在げんざいの方法ほうほうで統計とうけいを取とり始はじめた1999年ねん以降いこう、最もっとも多おおくなっています。

都道とどう府県ふけん別べつにみますと

▽大分おおいた県けんが最もっとも多おおく104.84人にん、

次ついで

▽鹿児島かごしま県けんで96.4人にん

▽佐賀さが県けんで94.36人にん

▽熊本くまもと県けんで92.56人にん

▽宮崎みやざき県けんで90.24人にんなどとなっているほか、

▽愛知あいち県けんで82.35人にん

▽大阪おおさか府ふで67.53人にん

▽東京とうきょう都とで56.52人にんとなっていて、

43の都道とどう府県ふけんで「警報けいほうレベル」の30人にんを超こえました。

また、すべての都道とどう府県ふけんで前まえの週しゅうから増加ぞうかしています。

データをもとに推計すいけいされるこの1週間しゅうかんの全国ぜんこくの患者かんじゃ数すうは、およそ258万まん5000人にんとなり、9月つき2日にち以降いこうの今こんシーズンの累積るいせきの患者かんじゃ数すうはおよそ593万まん7000人にんと推計すいけいされています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは手洗てあらいやマスクの着用ちゃくようなど、感染かんせん対策たいさくの徹底てっていを呼よびかけています。

こども病院びょういんで“インフルエンザ脳症のうしょう”や“肺炎はいえん”相次あいつぐ 死者ししゃも

インフルエンザの患者かんじゃが急増きゅうぞうする中なか、東京とうきょうと静岡しずおかにある小児しょうに医療いりょうの専門せんもん病院びょういんでは意識いしき障害しょうがいやけいれんが起おきる「インフルエンザ脳症のうしょう」と診断しんだんされた子こどもが今こんシーズンすでにあわせて7人にんにのぼり、このうち2人にんが亡なくなっています。

このうち東京とうきょう・府中ふちゅう市しの東京とうきょう都立とりつ小児しょうに総合そうごう医療いりょうセンターでは「インフルエンザ脳症のうしょう」の入院にゅういん患者かんじゃは毎年まいとし2人にん程度ていどだということですが今いまシーズンは今月こんげつ5日にちの時点じてんですでに4人にんの患者かんじゃが入院にゅういんしたということです。

患者かんじゃの年齢ねんれいは1歳さいから9歳さいまでで、このうち1人にんは症状しょうじょうが悪化あっかし亡なくなったということです。インフルエンザ脳症のうしょうは発熱はつねつなどの症状しょうじょうが出で始はじめてから1日にちほどの短たん期間きかんで悪化あっかして、けいれんや意識いしき障害しょうがいが続つづくとされています。

東京とうきょう都立とりつ小児しょうに総合そうごう医療いりょうセンター感染かんせん症しょう科か 堀越ほりこし裕ひろし歩ふ部長ぶちょう

「今こんシーズンはインフルエンザの流行りゅうこうが大おおきく脳症のうしょうなど重症じゅうしょう患者かんじゃも増ふえているのだと思おもう。脳症のうしょうになる子こどもはごく一部いちぶなので過度かどに怖こわがる必要ひつようはないが、最悪さいあく死亡しぼうすることもある病気びょうきなので、発熱はつねつして意識いしき障害しょうがいが起おきたり、けいれんを起おこしたりといった症状しょうじょうがあった場合ばあいはすぐに救急きゅうきゅう病院びょういんを受診じゅしんしてほしい」

また、静岡しずおか市しにある県立けんりつこども病院びょういんによりますと、先月せんげつから年始ねんしにかけてのおよそ1か月かげつの間まに3人にんの子こどもがインフルエンザ脳症のうしょうと診断しんだんされ、このうち幼児ようじ1人にんが亡なくなったということです。

この病院びょういんでは同おなじ時期じきにインフルエンザに感染かんせんした0歳さいから16歳さいまでの25人にんが肺炎はいえんやぜんそくなどの症状しょうじょうで入院にゅういんしたということです。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょのまとめによりますと、インフルエンザ脳症のうしょうは例年れいねん、全国ぜんこくで100例れいから200例れい余あまり報告ほうこくされ、多おおいときには20人にん近ちかくが亡なくなっています。前まえのシーズンにあたる2023年ねんから去年きょねんにかけては189例れいが報告ほうこくされ、8人にんが死亡しぼうしています。

静岡しずおか県立けんりつこども病院びょういん小児しょうに感染かんせん症しょう科か 荘司しょうじ貴代たかよ医長いちょう

「入院にゅういん患者かんじゃが目立めだつ背景はいけいには新型しんがたコロナの影響えいきょうでインフルエンザが流行りゅうこうしない年としが続つづいたため免疫めんえきのない子こどもが一定いってい数すういることがあるとみられる。子こどもが熱ねつを出だしたときに、けいれんが起おきたり顔色かおいろが悪化あっかして呼吸こきゅうが苦くるしそうだったりしたらすぐに医療いりょう機関きかんを受診じゅしんしてほしい。また、今後こんごの流行りゅうこうに備そなえて積極せっきょく的てきにワクチンを接種せっしゅしてもらいたい」

患者かんじゃ急増きゅうぞうで医療いりょう機関きかんなどへ供給きょうきゅう一いち時じ停止ていしの薬くすりも

インフルエンザの患者かんじゃが急増きゅうぞうした影響えいきょうで、大阪おおさかに本社ほんしゃがあるジェネリック医薬品いやくひん大手おおての「沢井さわい製薬せいやく」は製造せいぞうする治療ちりょう薬やくの在庫ざいこが不足ふそくしたため、医療いりょう機関きかんなどへの供給きょうきゅうを一時いちじ的てきに停止ていしすると発表はっぴょうしました。

供給きょうきゅうを一時いちじ停止ていししているのは、大阪おおさか市しに本社ほんしゃがあるジェネリック医薬品いやくひん大手おおて「沢井さわい製薬せいやく」が製造せいぞうしている抗こうインフルエンザウイルス薬やく「オセルタミビル」のカプセルとシロップです。

会社かいしゃによりますと、先月せんげつ中旬ちゅうじゅんから12月つきインフルエンザの患者かんじゃが急増きゅうぞうした影響えいきょうで薬くすりの製造せいぞうが追おいつかなくなり、8日にちから医療いりょう機関きかんなどへ供給きょうきゅうできない状態じょうたいになっているということです。

会社かいしゃは、年末ねんまつ年始ねんしも工場こうじょうを稼働かどうさせるなど増産ぞうさんする体制たいせいをとっていて、供給きょうきゅうの再開さいかいは

▽シロップの薬くすりは1月つき下旬げじゅん以降いこう

▽カプセルの薬くすりは2月つき上旬じょうじゅん以降いこう

になる見込みこみだということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうのまとめによりますと今回こんかい、供給きょうきゅう停止ていしとなった薬くすりは去年きょねん11月つき分ぶんのデータで他社たしゃを含ふくめた抗こうインフルエンザウイルス薬やくの供給きょうきゅう量りょう全体ぜんたいの25％余あまりを占しめているということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは医療いりょう機関きかんや薬局やっきょくに対にたいし、過剰かじょうな発注はっちゅうを控ひかえるとともに、ほかの会社かいしゃが製造せいぞうする薬くすりの使用しようを検討けんとうするよう呼よびかけています。

沢井さわい製薬せいやくは取材しゅざいに対にたいし「医療いりょう関係かんけい者しゃや患者かんじゃのみなさまにご迷惑めいわくをおかけし、おわびいたします。早期そうきの供給きょうきゅうの再開さいかいに向むけ、総力そうりょくを挙あげて増産ぞうさんに取り組とりくんでおります」と話はなしています。