アジア全域の子どもに愛される日本のアニメ作品「ドラえもん」で、主要キャラクターのドラえもんの声を演じた大山のぶ代さんが死去した。90歳だった。所属事務所が11日に明らかにした。
所属事務所のアクターズ・セブンの発表によると、大山さんは老衰のため、9月29日に息を引き取った。親族のみの密葬を既に済ませているという。
大山さんはテレビ放送されたドラえもんの声を1979年から2005年まで担当した。漫画を原作とするドラえもんのシリーズはアニメ映画の他、テレビゲームや音楽アルバムの題材にもなり、世界的な人気を獲得。とりわけ香港やベトナムをはじめとするアジア市場にファンが多い。
ドラえもんは22世紀に作られた猫型ロボットで、作品の公式ウェブサイトによると「なにをやってもダメな少年・のび太」を助けるため現代にやってきた。青と白を基調とする愛らしいこのキャラクターは、お腹の四次元ポケットから取り出す秘密道具を駆使して、のび太のピンチを救う。
大山さんは東京生まれ。NHKによれば1960年から67年にかけては同局の人形劇「ブーフーウー」の声優としても活躍した。
大山さんの訃報(ふほう)を受け、ソーシャルメディアには世界中のファンからの追悼メッセージが数多く寄せられた。
自身も声優として人気のアニメ作品に携わる井上和彦さんは、X(旧ツイッター)のアカウントに「大山のぶ代さんが・・・。デビューの頃からお世話になった方でした。本当に長いことお疲れ様でした。ありがとうございました」と投稿した。
のび太役の声優、小原乃梨子さんも7月に亡くなっていたことから、コンビのキャラクターを演じた声優の相次ぐ死去を悼む書き込みも見られた。