池袋いけぶくろ暴走ぼうそう事故じこ 高齢こうれいドライバー側がわに1億おく4600万まん円えん余よの賠償ばいしょう命令めいれい

2019年ねん4月つき、東京とうきょう 池袋いけぶくろで当時とうじ87歳さいのドライバーが運転うんてんする車くるまが暴走ぼうそうし、自転車じてんしゃに乗のっていた松永まつなが真菜まなさん（31）と娘むすめの莉子りこちゃん（3）が死亡しぼうしたほか、9人にんが重軽傷じゅうけいしょうを負おいました。

この事故じこについて、真菜まなさんの夫おっとの松永まつなが拓也たくやさんなど遺族いぞく9人にんは、過失かしつ運転うんてん致死傷ちししょうの罪つみで禁錮きんこ5年ねんの実刑じっけい判決はんけつが確定かくていした飯塚いいづか幸三こうぞう受刑じゅけい者しゃとその保険ほけん会社かいしゃに対にたいし、賠償ばいしょうを求もとめていました。

27日にちの判決はんけつで東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょの平山ひらやま馨かおる裁判さいばん長ちょうは「ブレーキと間違まちがえてアクセルを踏ふみ、異常いじょうな走行そうこうをした。一方いっぽう的てきで重大じゅうだいな過失かしつによる凄惨せいさんな事故じこで、亡なくなった2人にんの恐怖きょうふや無念むねんさは察さっするに余あまりある」と述のべました。

また「事故じこのあと謝罪しゃざいもせず、みずからの過失かしつを認みとめずに不合理ふごうりな弁解べんかいを続つづけたことは刑事けいじ手続てつづきでの被告ひこくの権利けんりを踏ふまえても遺族いぞくの心情しんじょうを逆さかなでする行為こういで、これらも慰謝いしゃ料りょうの算定さんていに考慮こうりょする必要ひつようがある」とも指摘してきし、被告ひこく側がわに合あわせて1億おく4600万まん円えん余あまりの賠償ばいしょうを命めいじました。

判決はんけつのあとの会見かいけんで松永まつながさんは「もういちど2人にんをこの腕うでで抱き締だきしめたいけど、それはかなわないので、せめて2人にんの命いのちがむだにならないよう前向まえむきに生いきていきたい。妻つまのきょうだいに賠償ばいしょうが認みとめられなかったのは心こころが痛いたい」と話はなしました。

また、真菜まなさんの父親ちちおやの上原うえはら義教よしのりさんは「これで終おわったという気持きもちではなく苦くるしみと悲かなしみだけがわき上あがってくる。2人にんのことを思おもいながら生いきていこうと思おもう」と話はなしました。

一方いっぽう、被告ひこく側がわの弁護士べんごしは「判決はんけつは真摯しんし（しんし）に受け止うけとめる。内容ないようを精査せいさのうえ早急そうきゅうに今後こんごの対応たいおうを判断はんだんしたい」としています。