激はげしい衝撃しょうげきとフリーフォール、ハワイアン航空乱気流事故こうくうらんきりゅうじこは操縦士そうじゅうしに責任せきにん　ＮＴＳＢ最終報告書さいしゅうほうこくしょ

着陸態勢ちゃくりくたいせいに入はいったハワイアン航空こうくうの旅客機りょかくきの目めの前まえに突然とつぜん、悪天候あくてんこうの上昇気流じょうしょうきりゅうが現あらわれた。数秒後すうびょうご、乱気流らんきりゅうに巻まき込こまれた機体きたいは激はげしく揺ゆさぶられ、乗客じょうきゃくは「フリーフォール」状態じょうたいに陥おちいった。

はいずりながら座席ざせきに戻もどる乗客じょうきゃく。携帯電話けいたいでんわやジャケット、ペットボトルが飛とび交かう機内きない。２度どの大おおきな衝撃しょうげきがあった。

ハワイ上空じょうくうで２０２２年ねんに起おきた事故じこについて、米国家運輸安全委員会べいこっかうんゆあんぜんいいんかい（ＮＴＳＢ）がこのほど最終報告書さいしゅうほうこくしょを公表こうひょうした。上昇気流じょうしょうきりゅうを迂回うかい（うかい）せず、上空じょうくうを飛行ひこうした操縦士そうじゅうしの判断はんだんに問題もんだいがあった可能性かのうせいを指摘してきしている。

当時とうじの報道ほうどうによると、この事故じこでは３６人にんが負傷ふしょうして、２０人にんが病院びょういんに運はこばれた。

最終報告書さいしゅうほうこくしょによると、ハワイアン航空こうくう３５便びん（エアバス３３０―２９９型機がたき）は乗客じょうきゃく２８３人にんを乗のせてアリゾナ州しゅうフェニックスを発たち、ホノルルへ向むかっていた。機長きちょうはハワイ群島上空ぐんとうじょうくうで乱気流発生らんきりゅうはっせいの可能性かのうせいがあることを告つげられていた。

それまで順調じゅんちょうな飛行ひこうを続つづけていた同機どうきだったが、目めの前まえにそびえる垂直すいちょくの気流きりゅうが現あらわれ、急激きゅうげきに発達はったつしたと操縦士そうじゅうしは証言しょうげんしている。

数秒後すうびょうご、機体きたいが激はげしく揺ゆれた。客室乗務員全員きゃくしつじょうむいんぜんいんに連絡れんらくする時間じかんはなかった。

シートベルトを締しめていなかった乗員じょういんや乗客じょうきゃくは投なげ出だされて天井てんじょうや頭上ずじょうの荷物入にもついれにぶつかり、続つづいて床ゆかにたたきつけられた。トイレにいた乗客じょうきゃくは、機体きたいが揺ゆれるのを感かんじて顔面がんめんからトイレの天井てんじょうに投なげ出だされ、続つづいていきなり床ゆかにたたきつけられたと話はなしている。同機どうきには重力じゅうりょくの２倍ばいの加速度かそくどが垂直すいちょくにかかっていた。

操縦室そうじゅうしつのボイスレコーダーには、迂回うかいすべきだったという操縦士そうじゅうしの会話かいわが記録きろくされていた。ＮＴＳＢは、悪天候あくてんこうが予想よそうされていたにもかかわらず「観測かんそくされた暴風域ぼうふういきを迂回うかいせず、上空じょうくうを飛行ひこうするという乗員じょういんの判断はんだん」が事故じこにつながった可能性かのうせいを指摘してきしている。