神奈川かながわ 逗子ずし 斜面しゃめん崩落ほうらく事故じこ訴訟そしょう 遺族いぞく側がわの訴うったえ退しりぞける 横浜よこはま地裁ちさい

2020年ねん2月つき、逗子ずし市しで道路どうろ脇わきのマンションの敷地しきち内ないにある斜面しゃめんが突然とつぜん崩くずれ、歩道ほどうを歩あるいていた18歳さいの女子じょし高校生こうこうせいが土砂どしゃに巻き込まきこまれて死亡しぼうしました。

この事故じこについて遺族いぞくは県けんが斜面しゃめんの危険きけん性せいを把握はあくせず、対策たいさくを取とらずに放置ほうちしたなどとして、150万まん円えんの賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしていました。

24日にちの判決はんけつで横浜よこはま地方ちほう裁判所さいばんしょの中山なかやま雅之まさゆき 裁判さいばん長ちょうは「県けんは、土砂どしゃ災害さいがいに関にかんする調査ちょうさとして2度ど、基礎きそ調査ちょうさを行おこなっていたが異常いじょうは見みつかっておらず、斜面しゃめんが崩落ほうらくする危険きけんが切迫せっぱくしていることを予期よきできたとはいえない」などと指摘してきし、遺族いぞく側がわの訴うったえを退しりぞけました。

遺族いぞくは「何なにの罪つみもない娘むすめが一瞬いっしゅんにして命いのちが奪うばわれた痛いたましい事件じけんが二度にどと起おきないような社会しゃかいになることを望のぞみます。4年ねんが経過けいかしても遺族いぞくの痛いたみ、悲かなしみはいやされません」などのコメントを出だしました。

この事故じこをめぐっては、遺族いぞくとマンションの住民じゅうみん側がわとの間まで和解わかいが成立せいりつしているほか、管理かんり会社かいしゃと担当たんとうしていた社員しゃいんに賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつが出でています。

遺族いぞく「事件じけんを風化ふうかさせないための活動かつどうをしていきたい」

女子じょし高校生こうこうせいの遺族いぞくは今回こんかいの裁判さいばんについてコメントを出だしました。

「この提訴ていそは、こうした事故じこが2度どと起おきないことを願ねがい、『誠実せいじつに向き合むきあって欲ほしい』との思おもいからであることは、みなさまにお話おはなししたとおりです。実じつは先日せんじつから思おもうところがあり、提訴ていそを取り下とりさげたいと考かんがえるようになりました。生前せいぜん、争あらそいを嫌きらっていた娘むすめの想おもいを考かんがえた時ときに、遺族いぞくとして争あらそいではなく安心あんしんして暮くらせる社会しゃかいを目指めざす取り組とりくみを模索もさくしてきたいと考かんがえたからです。判決はんけつの内容ないようは確認かくにんしますが基本きほん的てきに控訴こうそする意志いしはありません。この裁判さいばんで行政ぎょうせいと争あらそうことは終おえる可能かのう性せいが高たかいですが、事件じけんを風化ふうかさせないための活動かつどうをしていきたいと考かんがえます。何なにの罪つみもない娘むすめが一瞬いっしゅんにして命いのちが奪うばわれた痛いたましい事件じけんが2度どと起おきないような社会しゃかいになることを望のぞみます。4年ねんが経過けいかしても遺族いぞくの痛いたみ、悲かなしみはいやされません。温あたたかく見守みまもっていただければ幸さいわいです」などとしています。

神奈川かながわ 黒岩くろいわ知事ちじ「2度どと起おこらないよう 対策たいさくに取り組とりくむ」

判決はんけつについて神奈川かながわ県けんの黒岩くろいわ知事ちじは「裁判さいばんでは県けんの主張しゅちょうが認みとめられましたが、大切たいせつなご家族かぞくを亡なくされ、今いまなお深ふかい悲かなしみの中なかにおられるご遺族いぞくの気持きもちは察さっするにあまりあります。亡なくなられた女子じょし生徒せいととご遺族いぞくには改あらためて哀悼あいとうの意いを表あらわします。県けんとしては、このような痛いたましい事故じこが2度どと起おこってはならないという強つよい思おもいで、がけ崩がけくずれ対策たいさくに取り組とりくんでまいります」というコメントを出だしました。