能登のと 地方ちほうの震災しんさい復興ふっこうで期待きたいと注目ちゅうもく集あつまる「2地域ちいき居住きょじゅう」とは

この座談ざだん会かいは企業きぎょうやNPOで作つくる団体だんたいが開ひらき、石川いしかわ県けん輪島わじま市しや穴水あなみず町まちなど能登のと地方ちほう出身しゅっしんの男女だんじょ5人にんが参加さんかしました。

5人にんは、ふるさとから離はなれて暮くらしながら復興ふっこうに関かかわりたいと考かんがえていて、被災ひさい地ちの人ひとたちがどのような支援しえんを求もとめているか十分じゅうぶんに情報じょうほうが入はいってこないことなどを課題かだいにあげていました。

このあと、会場かいじょうの人ひとたちも一緒いっしょにグループに分わかれて意見いけんを交かわし、参加さんかした人ひとたちからは被災ひさい地ちとの距離きょりが遠とおく、能登のとと簡単かんたんに行き来いききができないといった声こえもあがっていました。

そのうえで、被災ひさい地ちと都市とし部ぶをつなげるハブとなる人ひとを通をつうじて情報じょうほうの共有きょうゆうを図はかることや、リモートワークなどで仕事しごとと余暇よかを両立りょうりつする「ワーケーション」も活用かつようし、能登のとと関かかわり続つづけることが重要じゅうようだという意見いけんが出だされていました。

座談ざだん会かいに参加さんかした輪島わじま市し出身しゅっしんの青地あおち美帆みほさんは、「被災ひさい地ちに思おもいを寄よせてくれる人ひとがとても多おおいことがわかり励はげみになりました。能登のととは距離きょりが離はなれていて交通こうつう費ひもかかりますが、多おおくの人ひとが能登のととの関かかわりを持もってもらえるようにしていきたいです」と話はなしていました。

「2地域ちいき居住きょじゅう」能登のとの復興ふっこうでに大おおきな役割やくわりと期待きたい

能登のとの復興ふっこうを考かんがえていくうえで注目ちゅうもくされているのが、「2地域ちいき居住きょじゅう」です。

「2地域ちいき居住きょじゅう」はふだん住すんでいる所ところとは別べつの場所ばしょに生活せいかつの拠点きょてんを設もうける新あたらしいライフスタイルで、コロナ禍かでリモートワークが進すすんだことなどにより若わかい世代せだいを中心ちゅうしんに関心かんしんが高たかまっています。

東京とうきょうの一極いっきょく集中しゅうちゅうを是正ぜせいし、地方ちほうの活性かっせい化かや移住いじゅうにつながるだけでなく、能登のと半島はんとう地震じしんからの復興ふっこうにも大おおきな役割やくわりを果はたすと期待きたいされています。

復興ふっこう支援しえんに動うごき始はじめた「2地域ちいき居住きょじゅう」の人ひとは

1日にちの座談ざだん会かいに出席しゅっせきした1人にんで、さいたま市しに住すむ東ひがし井い孝允たかよしさん（41）は、石川いしかわ県けん穴水あなみず町まちにある実家じっかが震度しんど6強きょうの激はげしい揺ゆれと津波つなみで被害ひがいを受うけました。

地区ちくの高齢こうれい化かが進すすむ中なか、東ひがし井いさんはふるさとの復興ふっこうに携たずさわりたいと考かんがえ、能登のとと埼玉さいたまを行き来いききしながら、同おなじように地元じもとを離はなれて暮くらす仲間なかまと復興ふっこう支援しえん団体だんたいを立たち上あげました。

先月せんげつ26日にちには仮設かせつ住宅じゅうたくのすぐそばの会場かいじょうで被災ひさい者しゃどうしが交流こうりゅうする催もよおしを企画きかくし、コーヒーや手作てづくりのケーキをふるまいながらみずからも輪わに入はいって、買い物かいものが不便ふべんになったことや近ちかくに自動じどう販売はんばい機きがなくなったことなど困こまりごとを聞き取ききとっていました。

参加さんかした74歳さいの女性じょせいは、「家いえの片付かたづけで気持きもちがふさぎこむ中なか、久ひさしぶりに心こころが晴はれました。若わかい人ひとたちに応援おうえんしてもらえると頑張がんばろうと思おもえます」と話はなしていました。

今後こんご、東ひがし井いさんは月つきに1回かいほど、実家じっかなどに泊とまって「2地域ちいき居住きょじゅう」を続つづけながらふるさとを支援しえんしていくことにしています。

東ひがし井いさんは、「1度外どがいに出でた人間にんげんだからこそ、この地域ちいきの魅力みりょくがわかると思おもうので、ふるさとの復興ふっこうに関かかわり続つづけていきたい」と話はなしていました。

人口じんこう減少げんしょうを見据みすえた「創造そうぞう的てき復興ふっこう」へ

石川いしかわ県けんが先月せんげつまとめた「復興ふっこうプラン」の最終さいしゅう案あんでは、被災ひさい前まえの姿すがたに戻もどすのではなく、人口じんこう減少げんしょうを見据みすえて「創造そうぞう的てき復興ふっこう」という方針ほうしんが掲かかげられましたが、その主おもな取り組とりくみが「2地域ちいき居住きょじゅう」です。

週末しゅうまつに被災ひさい地ちなどで過すごしながら定期ていき的てきに能登のとの復興ふっこうを担になうプランが示しめされていて、多様たような形かたちで地域ちいきと関かかわる「関係かんけい人口じんこう」の拡大かくだいに最もっとも重点じゅうてんを置おいています。

また、やむをえず能登のとを離はなれて生活せいかつする被災ひさい者しゃを支援しえんするためにも「2地域ちいき居住きょじゅう」は重要じゅうようだとしていて、県けんは今後こんご、実施じっしに向むけた課題かだいの検討けんとうや、能登のとの特性とくせいにあったモデルの構築こうちくなどを進すすめることにしています。

「2地域ちいき居住きょじゅう」には国くにも力ちからを入いれていて、空き家あきやの改修かいしゅうやリモートワークなどを活用かつようして取り組とりくみを進すすめる自治体じちたいに補助ほじょ金きんを出だすことなどを盛り込もりこんだ法律ほうりつの改正かいせい案あんが先月せんげつ、可決かけつ・成立せいりつしています。

「都市としと地方ちほうでの人材じんざいシェアが大切たいせつに」

岩手いわて県けんで会社かいしゃを経営けいえいする高橋たかはし博之ひろゆきさんは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの復興ふっこうにも携たずさわってきた経験けいけんから石川いしかわ県けんのアドバイザリーボードの委員いいんを務つとめています。

高橋たかはしさんは、ばく大ばくだいなコストをかけてインフラを元もとに戻もどし、被災ひさい者しゃだけで新あたらしいまちづくりを進すすめることは現実げんじつ的てきに難むずかしいとしたうえで、「2地域ちいき居住きょじゅう」を推進すいしんし、都市とし部ぶから復興ふっこうを担になう人材じんざいを集あつめることが重要じゅうようだと指摘してきしています。

そのうえで、「2地域ちいき居住きょじゅう」を行おこなう人ひとを行政ぎょうせいが支援しえんできるよう「登録とうろく制度せいど」を導入どうにゅうし、石川いしかわ県けんが「2地域ちいき居住きょじゅう」の先進せんしん地ちとして人口じんこう減少げんしょうが進すすむ地方ちほうのモデルとなる復興ふっこうを目指めざす必要ひつようがあるとしています。

高橋たかはしさんは、「これからは都市としと地方ちほうが人材じんざいをシェアしていくことが大切たいせつになってくる。能登のとに関かかわり続つづけたいという人ひとは多おおいので、そうした人ひとたちを地域ちいきの中なかに取り込とりこんでいき、能登のとが日本にっぽんの過疎かそ地ちの希望きぼうとなるような復興ふっこうを進すすめてほしい」と話はなしていました。