イタリアのフィレンツェで、酒と豊穣(ほうじょう)の神バッカス像にキスしたり抱き付いたり下半身を押し当てたりしている若い女性の姿が撮影され、当局が身元の捜査に乗り出した。
SNSで出回った写真に対してイタリア文化省やフィレンツェ当局は憤りを募らせ、フィレンツェ市長は「疑似セックス」行為と呼んで非難した。
フィレンツェ市によると、問題の観光客はまだ特定されていない。この女性は泥酔状態だったと思われる。
身元が判明すれば罰金を命じられ、文化遺産の乱用を禁じた条例に従ってフィレンツェには生涯立ち入り禁止となる可能性がある。
バッカス像は、16世紀の彫刻家ジャンボローニャが制作した作品の複製だった。ジャンボローニャはヘレニズム彫刻やミケランジェロの作品に影響を受け、1552年にフィレンツェに定住した。
ジャンボローニャの作品は市内の博物館に収蔵されている。複製像はポンテベッキオ橋近くの街角にある。
SNSのX(旧ツイッター)ではこの行為をめぐって憤りや冷笑の声が飛び交っている。
イタリアでは各地で観光客の問題行動が後を絶たない。フィレンツェでは2023年、シニョーリア広場にある16世紀のネプチューンの泉の彫像を傷つけたとして、観光客が拘束されていた。