ウクライナと国境を接するロシア西部のクルスク州では、8月6日以降、ウクライナ軍が越境攻撃を続けていてウクライナ側は12日、これまでにおよそ1000平方キロメートルのロシアの領土を掌握したと主張しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、軍のシルスキー総司令官と協議したとする写真をSNSに掲載し、「困難で激しい戦闘にもかかわらず、われわれの軍は前進を続けている」と強調しました。
そして、74の集落を管理下に置いていると主張した上で「次の段階に向けた準備が続いている」と述べ作戦を継続する姿勢を強調しました。
ただ、部隊をさらに進めるのか、前進をとめて領土の防衛に重点を移すのかなど、次の段階が何を意味するのかは明らかになっていません。
一方、ウクライナ外務省の報道官は13日、記者会見で「ウクライナはクルスク州の領土には関心がない。われわれの国民を守りたいのだ」と述べ、越境攻撃については、ロシア軍がクルスク州からウクライナ側に攻撃を仕掛けてくることや激戦が続く東部ドネツク州に部隊を追加で派遣することを阻止するのが目的だとしています。
ロシア “国境を接する地域から2000人以上避難”発表
こうした中、ロシア非常事態省は13日、クルスク州で過去24時間にウクライナと国境を接する地域から2000人以上が避難したと発表しました。
避難した人たちのために、周辺の9つの州の、あわせて120か所に仮設住宅が設置され、子ども2200人以上を含む8000人以上が避難生活を送っているとしています。
これに先だって、クルスク州のスミルノフ知事代行は12日までに12万1000人が避難したと明らかにしており、住民の避難が続いていることがわかります。
ロシア非常事態省は、およそ900トンの支援物資をクルスク州に運び込んで、避難した人たちを支援しているとしていて、ロシア国営テレビは、避難した人たちに、食料や衣服などの日用品を配布する様子を連日、放送しています。
一方、ロシア国防省は13日、越境攻撃を行っているウクライナ軍を撃退する作戦を行っていると発表し、依然として双方の攻防が続いています。