米音楽プロデューサーで作曲家のクインシー・ジョーンズさんが死去した。91歳だった。レイ・チャールズからフランク・シナトラ、マイケル・ジャクソンに至るまで、数々の大物ミュージシャンのプロデュースを手がけた音楽界の巨匠だった。
宣伝担当によると、ジョーンズさんは3日夜、カリフォルニア州ベルエアの自宅で家族に囲まれて亡くなった。家族は「彼の音楽と無限の愛を通じ、クインシー・ジョーンズの心は永遠に鼓動し続ける」とのコメントを発表した。
ジャズとポップのミュージシャンとして知られるジョーンズさんは、ジャンルを越えた編曲家、指揮者、レコード会社幹部、公民権活動家としても活躍した。
米アカデミー賞受賞映画「夜の大捜査線」のテーマ曲やマイケル・ジャクソンの大ヒットアルバム「スリラー」を手がけ、1985年にはポップやロックのスター歌手を結集してチャリティーソングの「ウィー・アー・ザ・ワールド」を制作した。
イリノイ州シカゴに生まれて幼い頃から音楽を愛し、一家でワシントン州シアトルに転居して著名ホルン奏者のクラーク・テリーに師事。当時無名だったピアニストのレイ・チャールズと出会い、生涯にわたる友情を築いた。
10代の頃からジャズバンドで演奏してバンドリーダーのライオネル・ハンプトンに作曲と編曲の才能を見いだされ、51年にボストンのシリンジャーハウス(現バークリー音楽大学)を卒業後は、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、サラ・ボーン、友人のレイ・チャールズといった伝説的ミュージシャンのレコーディングを手掛けるようになった。
61年にマーキュリー・レコーズに採用されて3年後に副社長に昇進。白人の経営するレコード会社でアフリカ系米国人がそうした役職に就いたのは初めてだった。