都道府県立の
高校では
全国で
唯一、
男女別で
定員を
設けている、
都立高校は、
今後、
段階的に
制度を
見直し、
性別で
定員を
分けるのをやめることになりました。
撤廃の
時期は
未定ですが、
性別によって
合格点に
差が
生じている
今の
状態を
解消する
方向にかじを
切った
形です。
これは24日開かれた都の教育委員会で報告されました。
都立高校の全日制普通科の入試は、現在、男女別で定員が設けられていますが、これを段階的に見直し、性別で定員を分けることのない入試に移行します。
性別で定員を分けることで、今は合格点に差が生じていて、こうした状態を解消する方向にかじを切った形です。
今の制度を撤廃し、性別で定員を分けない制度に完全移行する時期は決まっていませんが、来年度の入試結果を分析するなどして判断するとしていて、藤田裕司教育長は「早期に移行を目指していく」と述べました。
一方、男女の合格点の差を是正するために現在行っている「緩和措置」を徐々に拡大します。
この措置は、全体の定員の1割を性別に関係なく得点順で合格者を決めるというもので、これまでは一部の学校でのみ行われています。
来年度の入試では109校すべてで実施し、その後は男女合同の定員の割合を2割に増やすということです。
男女別定員 今年度 約800人が不合格に
東京都教育委員会は、
今年度の
都立高校の
入試で、
男女別に
定員が
分かれている
影響で
合格点に
差が
生じ、
およそ800
人が
不合格になっていたことを
明らかにしました。
このうちおよそ700人は女子生徒だったということです。
都の教育委員会は、男女別に定員を分ける今の制度で行われた今年度の入試について、定員を分けなかった場合に結果がどうなっていたかを分析しました。
その結果、全日制普通科74校では、男女別に定員を分けたことで合格点に差が生じて、786人が不合格になりました。
男女合同の定員で、合格点に差がなければ合格になっていたということです。
786人のうちおよそ9割の691人は女子生徒で、残りの95人は男子生徒でした。
分析結果に基づいて今後、男女合同の定員に完全移行した場合をシミュレーションしたところ、全体では女子の合格者が今年度よりおよそ600人増え、男子の合格者はおよそ600人減少すると見込まれるということです。
小池知事「スピード感持って検討を」
都立高校の入試で今後、段階的に制度を見直し、性別で定員を分けることをやめることについて、東京都の小池知事は「方針が示されたことは承知している。受験生や中学校の進路指導に与える影響なども実際にあるので、入試の結果などの分析もしっかり行いながら、スピード感を持って検討を進めてほしい」と述べました。