東京医科大学の
前理事長らが
文部科学省の
元局長の
息子を
不正に
合格させたとして
起訴された
汚職事件の
裁判で、
大学の
元課長が
不正な
点数操作の
実態を
証言し「
絶対に
許されることではないと
思っていた」と
述べました。
東京医科大学の
理事長だった
臼井正彦被告(79)と、
学長だった
鈴木衞 被告(71)らは、3
年前、
文部科学省の
元局長の
息子を
不正に
合格させたとして、
贈賄の
罪に
問われ、
無罪を
主張しています。
15日、東京地方裁判所で開かれた裁判では、東京医科大学で平成30年度の入試まで3年間、学務課長として点数操作を指示された女性職員が証人に呼ばれ、不正な点数操作の実態を証言しました。
それによりますと、元学務課長が前理事長と前学長との3人での打ち合わせで試験の成績の一覧表を示すと「何番の受験生のこの科目を加点し、順位を何位まで上げてください」などと、具体的に加点を指示されていたということです。
前理事長らが「学内関係者の子どもだ」とか「“1本”もらえる」などと、加点の理由を話し合うこともあり、元学務課長は打ち合わせのあと、成績のデータにアクセスできる部下の職員に、前理事長らの指示の内容を伝え、加点させたということです。
法廷で元学務課長は「初めて打ち合わせで指示されたときは、点数操作をしているとは思っていなかったので、この場から逃げたいと思った。驚いたし、絶対に許されることではないと思っていた。部下の職員からも『前の課長も嫌がっていたから、やめましょうよ』と言われたことがあった」と証言しました。