日本製鉄は、
アメリカの
鉄鋼大手USスチールの
買収計画に
違法な
政治的介入があったとして、
買収を
禁止する
命令を
出したバイデン
大統領などを
相手取り、
命令の
無効を
求める訴えを
起こしました。
買収の是非をめぐる争いは司法の場に移りますが、大統領命令で買収放棄の手続きを終える期限となっている2月2日までに、裁判所に期限の延長などを認めてもらうことができるかが当面の焦点となります。
日本製鉄によるUSスチールの買収計画をめぐっては、アメリカ政府のCFIUS=対米外国投資委員会から判断を委ねられたバイデン大統領が、国家安全保障上の懸念を理由に禁止命令を出し、両社は6日、バイデン大統領などを相手取り、禁止命令を無効とすることなどを求める訴えを起こしました。
日本製鉄の橋本英二会長は、7日の会見で、バイデン大統領の違法な政治的介入によって審査の手続きが適正に行われず、禁止命令に至ったなどと厳しく批判したうえで、「アメリカでの事業遂行を決して諦めることはない。諦める理由も必要もないというのが私の考え方で、日本製鉄とUSスチールで一致した考え方だ」と述べ、司法の場で徹底的に争う考えを示しました。
当面の焦点は、大統領の禁止命令で買収放棄の手続きを終える期限となっている2月2日までに裁判所に期限の延長などを認めてもらうことができるかどうかです。
橋本会長は、この期限の設定も含めて、命令は無効だと主張する方針を明らかにしています。
国の安全保障に関する大統領の判断は重いとして、結果を覆すことは難しいという見方もありますが、日本製鉄が主張を裏付ける証拠を集めたうえで、大統領の命令や審査に違法な手続きがあったと立証できるかが問われることになります。