千葉ちば 記録きろく的てき大雨おおあめから1年ねん 観光かんこう地ちの旅館りょかん 備そなえ強化きょうかし営業えいぎょう再開さいかい

去年きょねん9月つき8日にち、千葉ちば県けんや茨城いばらき県けんの太平洋たいへいよう側がわを中心ちゅうしんに記録きろく的てきな大雨おおあめとなって浸水しんすいや土砂どしゃ災害さいがいが相次あいつぎ、千葉ちば県けんで2300棟むね余あまり、茨城いばらき県けんで1800棟むね余あまりの住宅じゅうたくに被害ひがいが出でました。

千葉ちば県けんの市原いちはら市しと大多喜おおたき町まちにまたがる「養老ようろう渓谷けいこく」の温泉おんせん街がいでは、去年きょねん9月つきの大雨おおあめによる養老ようろう川がわの氾濫はんらんなどで、7軒けんの宿泊しゅくはく施設しせつが浸水しんすいなどの被害ひがいを受うけました。

ほとんどの施設しせつは営業えいぎょうを再開さいかいしていて、休業きゅうぎょうしていた残のこる1軒けんも復旧ふっきゅう工事こうじが終おわり、7日にち、およそ1年ねんぶりに客きゃくを受け入うけいれました。

旅館りょかんでは夕食ゆうしょく会場かいじょうに食器しょっきを並ならべるなどの準備じゅんびが進すすめられ、午後ごご3時じごろに宿泊しゅくはく客きゃくが到着とうちゃくすると、従業じゅうぎょう員いんが玄関げんかんに並ならんで迎え入むかえいれていました。

家族かぞく連づれで訪おとずれた40代だいの母親ははおやは「雰囲気ふんいきがよく、また来きたいと話はなしていました。たまたま再開さいかいを知しり、すぐに予約よやくしました」と話はなしていました。

この旅館りょかんでは、去年きょねんの大雨おおあめで1階かいに水みずや土砂どしゃが流れ込ながれこみ、温泉おんせんをくみ上くみあげる配管はいかんも使つかえなくなるなど深刻しんこくな被害ひがいを受うけました。

再開さいかいにあたって災害さいがいへの備そなえを強化きょうかし、浸水しんすいしづらくするために1階かい部分ぶぶんを20センチかさ上あげしたほか、地震じしんにも強つよくしようとはりに鉄骨てっこつを入いれ、壁かべも増ふやしたということです。

周辺しゅうへんの遊歩道ゆうほどうは復旧ふっきゅう作業さぎょうが続つづいているところもあり、旅館りょかんでは一人ひとりひとりのニーズにあわせた観光かんこうルートなどを提案ていあんしていくことにしています。

再開さいかいした旅館りょかん「喜代きよ元もと」を営いとなむ秋葉あきば保雄やすおさんは「1年ねんぶりに迎え入むかえいれることができてほっとしています。再ふたたび多おおくの人ひとが訪おとずれてくれることを期待きたいしています」と話はなしていました。

千葉ちば 茂原もはら “今後こんごの住すまい どうするか” 悩なやむ人ひとも

住宅じゅうたくの浸水しんすい被害ひがいが相次あいついだ千葉ちば県けん茂原もはら市しでは、今後こんごの住すまいをどうするか悩なやむ人ひともいます。

茂原もはら市しの橋口はしぐちよし子よしこさん（66）は、去年きょねん9月つきの大雨おおあめで平屋ひらや建だての自宅じたくが床上ゆかうえ80センチ余あまりまで浸水しんすいする被害ひがいを受うけました。

ボランティアの支援しえんも受うけて水みずにつかった畳たたみや家具かぐなどは処分しょぶんしましたが、費用ひようの面めんや、今後こんご再ふたたび浸水しんすいする不安ふあんもあることから、自宅じたくの再建さいけんに踏み出ふみだせず、県けんの支援しえん制度せいどを活用かつようして去年きょねん10月つきから県営けんえい住宅じゅうたくで暮くらしています。

ただ入居にゅうきょは1年間ねんかんに限かぎられ、退去たいきょの期限きげんが10月つき中旬ちゅうじゅんに迫せまっています。

自宅じたくを解体かいたいして売却ばいきゃくし、別べつの場所ばしょに暮くらすことも検討けんとうしていますが、中規模ちゅうきぼ半壊はんかいと判定はんていされたたため公費こうひでの解体かいたいや撤去てっきょができず、1年ねんたった今いまも自宅じたくはそのままの状態じょうたいとなっています。

売却ばいきゃくもできない中なか、賃貸ちんたい住宅じゅうたくを探さがしていますが、市内しないで希望きぼうの物件ぶっけんはまだ見みつかっておらず、今後こんごの住すまいをどうするのか頭あたまを悩なやませています。

橋口はしぐちさんは「生うまれ育そだった思い出おもいでのある家いえをそのままにしておくのは悔くやしい思おもいがあります。しかし、今いまの自分じぶんの力ちからではどうすることもできず、今後こんご住すむ家いえもなかなか決きまりません。1年ねんがたちますが、まだ落ち着おちつきません」と話はなしています。