幼児ようじ教育きょういくと保育ほいくの無償むしょう化かは、消費しょうひ税率ぜいりつの引き上ひきあげによる税金ぜいきんの増収ぞうしゅう分ぶんを使つかって来月らいげつから始はじまり、認可にんか外がいの保育ほいく施設しせつについては、月額げつがく３さん万まん7000円えんを上限じょうげんに利用りよう料りょうが補助ほじょされることになっています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうが都道とどう府県ふけんなどを通をつうじて調しらべたところ、ことし４月しがつ以降いこう無償むしょう化かのための補助ほじょ金きんを必要ひつよう以上いじょうに得えようと理由りゆうなく利用りよう料りょうを値上ねあげしているとみられる事例じれいが全国ぜんこくで複数ふくすうあったということです。

具体ぐたい的てきには無償むしょう化かの対象たいしょうとなる３さん歳さい以上いじょうの子こどもだけ保育ほいく料りょうを引き上ひきあげたケースや、補助ほじょされる上限じょうげんの３さん万まん7000円えんぎりぎりまで値上ねあげしたうえで、別べつに給食きゅうしょく費ひを徴収ちょうしゅうするケースなどがあったということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、事業じぎょう者しゃが公費こうひ負担ふたんで利益りえきを得えることにつながるおそれがあり、理由りゆうのない値上ねあげはあってはならないことだとして、27日にち、都道とどう府県ふけんなどに対にたいし、同様どうようの事例じれいがないか確認かくにんし必要ひつように応おうじて指導しどうするよう文書ぶんしょで指示しじしました。

専門せんもん家か「丁寧ていねいな制度せいど設計せっけいを」

子こどもの政策せいさくに詳くわしい慶應義塾けいおうぎじゅく大学だいがくの中なか室むろ牧子まきこ教授きょうじゅは「無償むしょう化かに便乗びんじょうした値上ねあげによって、保護ほご者しゃが期待きたいしていた負担ふたんの軽減けいげんが目減めべりしてしまい、子育こそだて世代せだいを支援しえんするという政策せいさくの効果こうかが薄うすれてしまう。ただ、園えん側がわが得えられる利益りえきを最大さいだい化かしようとするのは仕方しかたがないことであって、保護ほご者しゃや子こどもに資しする支給しきゅうのしかたになるように、国くには丁寧ていねいな制度せいど設計せっけいをするべきだ」と指摘してきしています。