南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしん 評価ひょうか検討けんとう会かい「特段とくだんの変化へんか観測かんそくされず」

専門せんもん家かでつくる検討けんとう会かいは、南海なんかいトラフの想定そうてい震源しんげん域いきや、その周辺しゅうへんで観測かんそくされたデータを分析ぶんせきしました。

巨大きょだい地震じしんの想定そうてい震源しんげん域いきにあたる地域ちいきでは、5月つき以降いこう、目立めだった地震じしんはありませんでした。

一方いっぽう、想定そうてい震源しんげん域いきや、その周辺しゅうへんでは「深部しんぶ低てい周波しゅうは地震じしん」と呼よばれる小規模しょうきぼな地震じしんが、

▽紀伊きい半島はんとう西部せいぶで5月つき1日にちから6日にちにかけて、

▽四国しこく西部せいぶで5月つき13日にちから25日にちにかけて観測かんそくされています。

これに伴ともなって、周辺しゅうへんの複数ふくすうの「ひずみ計けい」で、わずかな地殻ちかく変動へんどうが観測かんそくされ、想定そうてい震源しんげん域いきのプレートの境目さかいめが深ふかいところでゆっくりとずれ動うごく「短期たんき的てきゆっくりすべり」が原因げんいんとみられています。

また、4月つき中旬ちゅうじゅんからは、「浅あさ部ぶ超ちょう低てい周波しゅうは地震じしん」と呼よばれる小規模しょうきぼな地震じしんが、鹿児島かごしま県けんの種子島たねがしまの東方とうほう沖おきから、宮崎みやざき県けんのはるか沖合おきあいにかけて観測かんそくされ、プレートの境目さかいめの浅あさいところで発生はっせいした「ゆっくりすべり」が原因げんいんの可能かのう性せいがあるということです。

この地震じしん活動かつどうは、5月末げつまつには低調ていちょうになったとしています。

このほか、

▽四国しこく中部ちゅうぶでは、2019年ねんの春はるごろから

▽九州きゅうしゅう南部なんぶでは、ことしはじめから

それまでの傾向けいこうと異ことなる地殻ちかく変動へんどうが継続けいぞく的てきに観測かんそくされ、プレートの境目さかいめが年とし単位たんいでゆっくりとずれ動うごく「長期ちょうき的てきゆっくりすべり」が原因げんいんとみられています。

こうした現象げんしょうは、これまでもたびたび観測かんそくされていることから、検討けんとう会かいは「大だい規模きぼな地震じしんの発生はっせいの可能かのう性せいがふだんと比くらべて相対そうたい的てきに高たかまったとみられる特段とくだんの変化へんかは観測かんそくされていない」とする見解けんかいをまとめました。

検討けんとう会かいの会長かいちょうで東京とうきょう大学だいがくの平田ひらた直ただし名誉めいよ教授きょうじゅは「ふだんと変かわるような観測かんそく結果けっかは得えられなかったが、依然いぜんとして、30年ねん以内いないに70％から80％という極きわめて高たかい確率かくりつで地震じしんが起おきるとされる状況じょうきょうには変かわりはない」と述のべました。

一方いっぽう、5月つきに、石川いしかわ県けんや千葉ちば県けんなど、各地かくちで震度しんど5弱じゃく以上いじょうを観測かんそくする地震じしんが相次あいついだことについて、「確たしかに平均へいきん的てきな地震じしんの数かずと比くらべると少すこし多おおいが、先月せんげつと同おなじ程度ていどの数かずの地震じしんが起おきたことは、これまでもたびたびある。日本にっぽんでは被害ひがいをもたらすような強つよい揺ゆれが時々ときどき発生はっせいするので、改あらためて備そなえをしてほしい」と話はなしていました。