今月23日に
噴火した
群馬県の
草津白根山では、
28日も
火山性地震が
観測されるなど、
火山活動の
高まった
状態が
続いています。
気象庁は、
今後も
同じ
程度の
噴火が
発生する
可能性があるとして、
入山規制を
示す
噴火警戒レベル「
3」を
継続し、
火口からおおむね
2キロの
範囲では
大きな噴
石に
警戒を
続けるよう
呼びかけています。
群馬県の
北西部にある
草津白根山では、
今月23日、
本白根山の
鏡池付近で
噴火が
発生しました。
気象庁によりますと、草津白根山では、この噴火の直後から火山性地震が発生していて、今月23日には639回、24日は23回、25日は50回観測されました。
その後は減少し、26日は3回、27日は4回で、28日は午後3時までに2回観測されています。
また、地下の熱水やガスの動きを示すと考えられる火山性微動は、今月24日に4回、25日は2回観測されました。その後は観測されていません。
一方、気象庁と東京工業大学が28日、上空から行った観測では鏡池の北側に東西およそ500メートルにわたって複数の火口があるのを確認しました。
それぞれの火口で噴気は確認されなかったほか、火口の周辺で地面の温度が高まっている様子も認められなかったということです。
気象庁は、草津白根山では、火山活動の高まった状態が続き、今後も同じ程度の噴火が発生する可能性があるとして、入山規制を示す噴火警戒レベル3の火口周辺警報を継続し、鏡池付近の火口からおおむね2キロの範囲で噴火に伴う噴石に警戒するよう呼びかけています。
これに伴い、地元の自治体は、この範囲の立ち入りを規制しています。また、気象庁は、風下側で降る小さな噴石や火山灰、空振=空気の振動、それに火山ガスにも注意するよう呼びかけています。
専門家 監視態勢の強化必要と指摘
NHKのヘリコプターが28日午前8時ごろに草津白根山の上空から撮影した映像では、本白根山の鏡池の北側に長細く、深くえぐられたような穴が開いているのが見えます。
気象庁によりますと、この穴は、今回の噴火で新たにできた複数の火口で、谷を挟んだ西側にももう一つ、火口があり、東西方向でおよそ500メートルの範囲に分布しているということです。
映像からは、これらの火口から噴気や噴煙が立ち上っているのは確認できません。
また、鏡池の周辺には、噴火直後、噴石や火山灰が降り積もり、広い範囲が黒っぽくなっているのが確認されていましたが、28日の映像からは確認できず、噴火のあとに降った雪で覆われたものと見られます。
気象庁とともに上空から調査を行った東京工業大学の野上健治教授は「上空から見るかぎり、現在は噴気活動も熱活動もなく、またその兆候も認められなかった。23日以降新たな噴火は起きておらず、噴火活動は継続していないと思う」と話していました。
一方、今後の噴火活動については「地下で何が起きているかは把握できておらず、きょうの調査だけで噴火が止まったと断言するのは難しい。周辺に地震計など、観測機器の設置を急ぐ必要がある」と述べ、今後も引き続き警戒を続けるとともに、監視態勢の強化が必要だと指摘しています。