このうちアメリカはシャーマン国務副長官が出席し、「ロシアが何を言うかではなく、何を行うかが焦点だ」と述べ、ロシア側の具体的な行動を見極める姿勢を示しました。そのうえで、「この人道的な大惨事を終わらせる唯一の方法はロシア軍の完全撤退だ」と強調しました。
一方、ロシアのネベンジャ国連大使は、現地の人道状況には配慮しているなどとこれまでの主張を繰り返しましたが、今回の停戦交渉については言及しませんでした。
ミコライフ州のビタリー・キム知事は29日、州庁舎がロシア軍の攻撃を受けたとSNSで明らかにしました。 ロイター通信などは当局者の話として、この攻撃でこれまでに少なくとも12人の死亡が確認され、33人が負傷したと伝えています。
また、ロシア軍が首都キエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小すると決めたとしたことについて、「ロシア軍は攻撃を加える態勢を維持しているので、われわれの防衛態勢も維持したままだ」と述べ、停戦交渉の行方について、慎重な見方を示しました。
それによりますと、今月30日までに買い戻しに応じる意向を示した投資家に対して、ロシア中央銀行の公式為替レートをもとにルーブルで支払うとしています。 今回の国債の償還や利払いは21億ドル余り、日本円でおよそ2500億円に上り、ロシアが当面、支払わなければならない償還や利払いの額としては最も多いため、経済制裁で外貨準備の半分近くが凍結される中でもドルによる支払いができるのか、市場の警戒感が続いています。
そのうえで「われわれは、ほかの地域への大規模な攻勢を警戒する必要がある。ロシア軍は目標としていたキエフの制圧に失敗したが、キエフへの脅威が終わったわけではなく、今も、キエフを含むウクライナ国内でロシア軍は大規模な残虐行為を行うことができる。実際にきょうも、キエフに対する空爆が続いたのを確認している」と述べました。
このあと、ワシントンで行われた記者会見でバイデン大統領は、ロシア国防省が首都キエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小するとしていることについて、ロシアによる行動を注視していくことで5か国が一致したと明らかにしました。 また、記者団から、ロシア側の発言が停戦に向けたものなのか、新たな侵攻に向けた時間稼ぎなのかと問われたのに対し、バイデン大統領は「ロシアの行動を確認するまで予想することはしない」と述べました。 さらに会談では、ロシアが軍事侵攻をやめるまで強い制裁を科していくことや、ウクライナ軍に対する支援を続けていくことも確認したということです。
マクロン大統領は今月25日、トルコ、ギリシャとともに作戦を行う方針を示していて、フランス大統領府によりますと、会談でプーチン大統領はマクロン大統領の提案について検討すると答えたということです。 一方、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は「市民への人道支援や安全な避難はマリウポリを含め、ロシア軍により確保されている。人道問題を解決するには、ウクライナの民族主義者の戦闘員が武器を置き、抵抗をやめなければならない」と強調したとしています。
所有者はイギリスの経済制裁の対象ではないものの、プーチン大統領に近い「オリガルヒ」と呼ばれる富豪の1人だとしています。 当局によりますと、船には巨大なワインセラーやプールが付いていて、価格は3800万ポンド、日本円でおよそ61億円にのぼるということで、船はマルタの旗を掲げるなど、所有者がロシア人であることが意図的に隠されていたとしています。
その一方で、モルドバからウクライナに向かう人たちの車も列を作っていました。 その多くは、国境から50キロほどの所にあるウクライナ南部のオデッサからモルドバや近隣国に避難している人たちだということで、避難生活に終わりが見えない中、家族を迎えに行ったり自宅に荷物を取りに行ったりするため、一時的に帰宅するということです。
29日に公開された放送では、ウクライナ南部の都市ミコライフで、州庁舎が29日にロケット弾による攻撃を受け、これまでに7人の死亡が確認されたと伝えています。 また、西部のルツクにある燃料の貯蔵施設で、27日夜、ロシア軍の攻撃によって火災が起きたと伝えています。 さらに、東部ハリコフ州で、シェルターとして使われている地下鉄の駅に住民が避難している様子も伝えています。
アンドリュシェンコ氏は、マリウポリ市内での死者数がおよそ5000人にのぼっているとする一方、市内で戦闘が続いており、いまも被害の全容は判明していないと強調しました。 また、今月16日に破壊された劇場で、少なくとも300人が死亡した可能性があるという見方を改めて示したうえで「攻撃が続いていて、救助隊員も死亡している。劇場のがれきは撤去できていない」と述べました。 親ロシア派の武装勢力が事実上、支配している東部地域の独立承認については「絶対に譲れない。日本人は北方領土を永遠に渡せるだろうか」と強調しました。 そしてアンドリュシェンコ氏は「防衛組織の採用の事務所には長い列ができていて、今は募集は行っていない。戦争が続くかもしれないが、私たちは戦うことができる」と述べ、徹底抗戦を続ける考えを示しました。
そして「ロシアによる発言と行動のうち、注視しているのは行動だ。ロシアが行うべきことは、軍事侵攻や砲撃をやめ、軍の部隊を引き揚げることだ」と述べ、ロシア軍を速やかに撤退させるよう重ねて求めました。 一方、ロシア国防省が、ウクライナの首都キエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小するとしていることについては「ウクライナ東部での戦闘に集中するという侵攻の方向転換なのか、人々を欺くための手段なのか、軍の部隊が大きな損失を受けたことによる再編成なのかわからない」と述べ、今後のロシア軍の出方を見極めていく考えを示しました。
この中でショイグ国防相は、軍事作戦の第1段階の主要な目的は達成されたとしたうえで「ウクライナ軍の戦闘能力が非常に低下したので、主要目的の達成に集中することができる。それは、ドンバスの解放だ」と述べウクライナ東部での作戦に重点を置く姿勢を改めて示しました。 また、NATO=北大西洋条約機構の加盟国がウクライナに対して対空ミサイルシステムなどを供与する動きを注視しているとして「もし実現された場合には、相応の対応をする」と警告しました。 ロシア軍の苦戦が伝えられる中、ショイグ国防相の動静に関心が集まっていましたが、国防省としても今月26日に続いて本人の活動について公表した形です。
南部ミコライフで州庁舎にロケット弾 12人死亡か
ゼレンスキー大統領 停戦交渉の行方には慎重な見方
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