【詳くわしく】「プーチン氏し恐おそれるのは民主みんしゅ主義しゅぎ」米べい元もと駐ちゅうロ大使たいし分析ぶんせき

プーチン氏しは、ロシア人じんはヨーロッパの人ひとたちと異ことなると主張しゅちょうすることで、ロシアをより独裁どくさい的てきな手法しゅほうで統治とうちすることを正当せいとう化かしたかったのでしょう。

プーチン氏しが民主みんしゅ的てきな志向しこうから一夜いちやにして独裁どくさい者しゃになったというのは、間違まちがいです。

時間じかんをかけて、独裁どくさい者しゃへと変かわっていったのです。

そして、独裁どくさい的てきになればなるほど民主みんしゅ主義しゅぎからの挑戦ちょうせんを受うけるようになったのです。

次つぎに2004年ねん、ウクライナで大だい規模きぼな抗議こうぎ活動かつどうをきっかけに政権せいけん交代こうたいし、親おや欧州おうしゅう派はの政権せいけんが誕生たんじょうした「オレンジ革命かくめい」。

そして重要じゅうような局面きょくめんとなったのが2011年ねん、中東ちゅうとう各地かくちで独裁どくさい的てきな政権せいけんが次々つぎつぎと崩壊ほうかいした民主みんしゅ化か運動うんどう「アラブの春はる」、さらには2012年ねんのロシア大統領だいとうりょう選挙せんきょを前まえにした市民しみんの大だい規模きぼな抗議こうぎ活動かつどうです。

プーチン氏しはアメリカがデモを組織そしきし、反はん体制たいせい派はに資金しきんを提供ていきょうしたと非難ひなんしましたが、事実じじつではありません。

私わたしたちは、民主みんしゅ主義しゅぎそして民主みんしゅ化か支援しえんグループ、独立どくりつ系けいメディアを支援しえんしていますが、CIA＝中央ちゅうおう情報じょうほう局きょくが政権せいけん転覆てんぷくを図はかったというのは、間違まちがいです。

プーチン氏しが強つよい恐怖きょうふを感かんじたのは、エジプトでもウクライナでもジョージアでもチュニジアでもなく、まさに足元あしもとのロシアで自身じしんが率ひきいる政権せいけんに対にたいする大だい規模きぼなデモが起おきたことです。

そして、民主みんしゅ主義しゅぎやその支持しじ者しゃに対にたいし、病的びょうてきなほどに疑い深うたがいぶかくなりました。

そして、とどめの一撃いちげきが2014年ねん、ウクライナで大だい規模きぼな市民しみんの抗議こうぎ活動かつどうでロシア寄よりの政権せいけんが崩壊ほうかいした「マイダン革命かくめい」です。

プーチン氏しは、「アメリカの支援しえんを受うけたネオナチによる政権せいけん奪取だっしゅだ」と非難ひなんしています。

ウクライナが民主みんしゅ主義しゅぎで、ロシアが独裁どくさい体制たいせいであるからです。

もし、ウクライナがロシアと同おなじ文化ぶんかや歴史れきしを共有きょうゆうしているにもかかわらず民主みんしゅ主義しゅぎであり続つづけるなら、自身じしんが率ひきいるロシアという独裁どくさい体制たいせいにとって直接ちょくせつ的てきな脅威きょういになります。

そして、ウクライナが民主みんしゅ的てきになればなるほど、ロシアとの断絶だんぜつは大おおきくなります。

だからこそ、彼かれは武力ぶりょくを使つかってウクライナを取り込とりこもうとし、民主みんしゅ主義しゅぎを阻はばもうとしたのです。

しかし、彼かれはウクライナの戦たたかう意志いしと軍事ぐんじ力りょくを過小かしょう評価ひょうかし、ロシアの軍事ぐんじ力りょくを過大かだい評価ひょうかしていました。

彼かれが、首都しゅとキーウの制圧せいあつを諦あきらめていないおそれはありますが、私わたしはそれが可能かのうだとは思おもいません。

このため、最終さいしゅう局面きょくめんを調整ちょうせいしているのだと思おもいます。

そして今いま、プーチン氏しが考かんがえる最終さいしゅう局面きょくめんとは、南部なんぶの全ぜん地域ちいきの制圧せいあつだと思おもいます。

だからこそ、マリウポリへの攻勢こうせいを強つよめているのです。

そして、この南部なんぶをクリミアやドンバス地方ちほうと統合とうごうし、ウクライナの新あたらしい国境こっきょうについて交渉こうしょうを開始かいしし、ウクライナを永久えいきゅうに分断ぶんだんしようと考かんがえているのだと思おもいます。

ただ、非常ひじょうに困難こんなんな交渉こうしょうで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうが受け入うけいれるかどうかはわかりません。