【随時更新】ロシアウクライナに軍事侵攻（5月9日の動き） - Easy News

ロシアによるウクライナに対にたいする軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづいています。

ロシアで5月つき9日にちは、第だい2次じ世界せかい大戦たいせんで旧きゅうソビエトがナチス・ドイツに勝利しょうりしたことを祝いわう「戦勝せんしょう記念きねん日び」で、愛国あいこく心しんが最もっとも高たかまる日ひとされ、極東きょくとう地域ちいきから順次じゅんじ軍事ぐんじパレードを含ふくめた記念きねん式典しきてんが行おこなわれます。

「追悼ついとうと和解わかい」の象徴しょうちょうという側面そくめんもありましたが、プーチン政権せいけんは近年きんねんこの祝日しゅくじつを国威こくい発揚はつようの場ばとして利用りようする傾向けいこうが強つよまっています。

ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづく中なかで迎むかえる9日にちの動うごきを随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

（日本にっぽんとウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間じかんの時差じさがあります）

製鉄せいてつ所しょから避難ひなんの女性じょせい「子こどもの前まえでは泣なかないようにしていた」

8日にち、東部とうぶマリウポリから南東なんとう部ぶザポリージャに到着とうちゃくしたおよそ170人にんについて、ロイター通信ろいた-つうしんは、アゾフスターリ製鉄せいてつ所しょに取り残とりのこされていた市民しみんおよそ40人にんが含ふくまれていたと伝つたえています。避難ひなんした人ひとたちはみな疲つかれた表情ひょうじょうで、仮設かせつのテントで温あたたかい食事しょくじをとったり衣服いふくなどの支援しえん物資ぶっしを受け取うけとったりしていました。

製鉄せいてつ所しょから避難ひなんしたという男性だんせいは「避難ひなんできず、置き去おきざりにされるのではないかという疑うたがいを毎日まいにちのように抱だいていました。食料しょくりょうやまきをどう入手にゅうしゅし、食事しょくじをとるかが大おおきな問題もんだいでした」と話はなしていました。

同おなじく製鉄せいてつ所しょから避難ひなんしたという女性じょせいは「製鉄せいてつ所内しょないでは上うえの階かいにいる自分じぶんの親族しんぞくが生いきているのかさえもわからない状態じょうたいで、とても怖こわかったです。子こどもは感受かんじゅ性せいが高たかいので、子こどもの前まえでは泣なかないようにしていました」と切迫せっぱくした状況じょうきょうについて証言しょうげんしていました。

NATO元もと最高さいこう司令しれい官かん「すでにわれわれは第だい3次じ世界せかい大戦たいせんのさなか」

NATO・ヨーロッパ連合れんごう軍ぐんの最高さいこう司令しれい官かんを務つとめたアメリカ空軍くうぐんの退役たいえき大将たいしょう、フィリップ・ブリードラブ氏しがNHKのインタビューに応おうじ、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについて「すでにわれわれは第だい3次じ世界せかい大戦たいせんのさなかにある」と述のべ危機きき感かんを示しめしました。

そして、核兵器かくへいきの使用しようも辞じさない構かまえを見みせるプーチン大統領だいとうりょうを抑止よくしするには、欧米おうべいが脅おどしに屈くっせず、より強つよい行動こうどうをとることが必要ひつようだと強調きょうちょうしました。

⇒「NATO元もと最高さいこう司令しれい官かん『すでにわれわれは第だい3次じ世界せかい大戦たいせんのさなか』」詳細しょうさい記事きじはこちら

マリウポリから避難ひなんの市民しみん170人にん以上いじょうザポリージャに無事ぶじ到着とうちゃく

国連こくれんは、ウクライナ東部とうぶマリウポリのアゾフスターリ製鉄せいてつ所しょやその周辺しゅうへんの地域ちいきから避難ひなんした市民しみん170人にん以上いじょうが8日にち、南東なんとう部ぶザポリージャに無事ぶじに到着とうちゃくしたと発表はっぴょうしました。

国連こくれんは、赤十字せきじゅうじ国際こくさい委員いいん会かいとともに製鉄せいてつ所しょやその周辺しゅうへん地域ちいきからの市民しみんの避難ひなんを支援しえんしていて、これでこれまでに合あわせて600人にんを超こえる市民しみんの避難ひなんを実現じつげんさせたとしています。

グテーレス事務じむ総長そうちょうは声明せいめいで「避難ひなんに必要ひつような一時いちじ的てきな戦闘せんとうの停止ていしを確保かくほした、キーウとモスクワの指導しどう者しゃを含ふくむこの避難ひなんに関かかわったすべての人ひとに感謝かんしゃする」と表明ひょうめいしました。

そのうえで「避難ひなんを希望きぼうするすべての人ひとたちのために安全あんぜん確保かくほの努力どりょくを惜おしまないよう、紛争ふんそうの当事者とうじしゃに求もとめる」と改あらためて訴うったえました。

国連こくれんグテーレス事務じむ総長そうちょう「学校がっこう攻撃こうげきにがく然がくぜんとしている」

国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうは8日にち、声明せいめいを発表はっぴょうし、ウクライナ東部とうぶルハンシク州しゅうで多おおくの市民しみんが避難ひなんしていたとみられる学校がっこうが攻撃こうげきを受うけたという情報じょうほうについて「がく然がくぜんとしている」としたうえで「戦争せんそうで最もっとも大おおきな代償だいしょうを払はらうのは市民しみんだということをこの攻撃こうげきが改あらためて思い起おもいおこさせる。戦争せんそうにおいて市民しみんと民間みんかん施設しせつは常つねに守まもられなければならない」と強調きょうちょうしました。

アメリカがロシアへの追加ついか制裁せいさい発表はっぴょう国営こくえいのテレビ局てれびきょく3社しゃなど対象たいしょう

アメリカ・ホワイトハウスは8日にち、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを続つづけるロシアに対にたいする追加ついかの制裁せいさいを発表はっぴょうしました。

このなかでロシア国営こくえいの「第だい1チャンネル」など、テレビ局てれびきょく3社しゃについて「プーチン大統領だいとうりょうによる残忍ざんにんな侵略しんりゃくをうそで隠かくし、プロパガンダの道具どうぐにもなっている」などとして、アメリカの企業きぎょうが広告こうこく費ひや中継ちゅうけい技術ぎじゅつ、それにカメラなどの機材きざいを提供ていきょうできないようにするとしています。

また、ロシアの企業きぎょうや富豪ふごうが資産しさんを隠かくし、制裁せいさいを逃のがれることを防ふせぐため、アメリカ人じんがロシアの個人こじんや企業きぎょうに対にたいして経営けいえいコンサルタントや会計かいけい業務ぎょうむなどのサービスを提供ていきょうすることを禁止きんしするとしています。

このほか、ロシアの軍事ぐんじ産業さんぎょうに寄与きよしているとして、輸出ゆしゅつ規制きせいの対象たいしょうを産業さんぎょう用ようエンジンや建設けんせつ用ようの大型おおがた機械きかいなどにも拡大かくだいするほかロシア最大さいだいの金融きんゆう機関きかん「ズベルバンク」や「ガスプロムバンク」などの幹部かんぶを新あらたに制裁せいさい対象たいしょうに加くわえるとしています。

カナダトルドー首相しゅしょうがウクライナ訪問ほうもんゼレンスキー大統領だいとうりょうと会談かいだん

カナダのトルドー首相しゅしょうは8日にち、事前じぜんの予告よこくなしにウクライナを訪問ほうもんし、首都しゅとキーウでゼレンスキー大統領だいとうりょうと会談かいだんしました。

会談かいだんの後のちの共同きょうどう会見かいけんでトルドー首相しゅしょうは、ウクライナへのさらなる支援しえんとして小型こがたの武器ぶきや弾薬だんやくなどに加くわえて地雷じらいの撤去てっきょ作業さぎょうのための資金しきんを提供ていきょうすることや、新あらたな制裁せいさいをプーチン大統領だいとうりょうに近ちかい「オリガルヒ」と呼よばれる富豪ふごうらに科かすことなどを表明ひょうめいしました。

会談かいだんに先立さきだってトルドー首相しゅしょうは、ロシア軍ぐんによる激はげしい攻撃こうげきにさらされたキーウ近郊きんこうのイルピンを訪おとずれ、破壊はかいされたアパートなどを視察しさつしたほか、キーウにあるカナダ大使館たいしかんを訪おとずれてカナダの国旗こっきを掲かかげ、一時いちじ的てきに停止ていししていたキーウでの大使館たいしかん業務ぎょうむを再開さいかいすることを発表はっぴょうしました。

ルハンシク州しゅうで学校がっこうの建物たてものにロシア軍ぐんの爆撃ばくげき民間みんかん人じん60人にん死亡しぼう

ウクライナの大統領だいとうりょう府ふによりますと、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、8日にちに行おこなわれたG7のオンラインの首脳しゅのう会合かいごうの中なかで「きのう、ルハンシク州しゅうでロシア軍ぐんの爆撃ばくげきにより60人にんの民間みんかん人じんが死亡しぼうした。彼かれらはロシア軍ぐんの砲撃ほうげきから逃のがれるために学校がっこうの建物たてものにいた」と述のべました。

ドイツショルツ首相しゅしょう演説えんぜつでウクライナ支援しえんの姿勢しせい強調きょうちょう

ドイツのショルツ首相しゅしょうは、ナチス・ドイツが降伏ごうぶくしてヨーロッパで戦争せんそうが終おわってから77年ねんになる8日にち、テレビ演説えんぜつし「ドイツ人じんは人道じんどうに対にたいする罪つみを犯おかした」として、過去かこへの反省はんせいに言及げんきゅうしました。

そのうえで、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについて「プーチン大統領だいとうりょうは、残忍ざんにんな侵略しんりゃく戦争せんそうをナチスとの戦たたかいと同おなじだとしているが、歴史れきしのわい曲わいきょくで忌いまわしい」と強つよく非難ひなんしました。

そして「われわれは史上しじょう初はじめて非常ひじょうに多おおくの兵器へいきを戦地せんちに送おくり、今後こんごも続つづける。自由じゆうと正義せいぎを守まもる」と述のべウクライナへの軍事ぐんじ支援しえんを続つづける方針ほうしんを強調きょうちょうしました。

5月つき8日にちはドイツにとってナチスの過去かこと向き合むきあう特別とくべつな日ひですが、首相しゅしょうの演説えんぜつは異例いれいです。

ショルツ首相しゅしょうとしては、ロシアの戦勝せんしょう記念きねん日びを前まえにしてウクライナを支援しえんする姿勢しせいを強調きょうちょうするとともに、国民こくみんの間まで軍事ぐんじ支援しえんに慎重しんちょうな意見いけんもある中なかで理解りかいを求もとめた形かたちです。

イギリス政府せいふウクライナに新あらたに13億おくポンドの軍事ぐんじ支援しえん

イギリスのジョンソン首相しゅしょうは、G7＝主要しゅよう7か国かこくが8日にちに開ひらいたオンラインの首脳しゅのう会合かいごうで「ウクライナは領土りょうどを取り戻とりもどすことができるような軍事ぐんじ装備そうびを受け取うけとる必要ひつようがある」と述のべました。

また、会合かいごうにあわせてイギリス政府せいふは、ウクライナに対にたいして新あらたに13億おくポンド、日本にっぽん円えんでおよそ2100億おく円えんの追加ついかの軍事ぐんじ支援しえんを行おこなうと発表はっぴょうしました。

砲弾ほうだんの弾道だんどうを捉とらえるためのレーダーなどが含ふくまれるとしています。

イギリスはこれまでにウクライナに対にたいして15億おくポンドを支援しえんしてきたとしています。

アメリカ大統領だいとうりょう夫人ふじんウクライナ訪問ほうもんウクライナ大統領だいとうりょう夫人ふじんと面会めんかい

アメリカのジル・バイデン大統領だいとうりょう夫人ふじんは8日にち、ウクライナを訪問ほうもんし、ゼレンスキー大統領だいとうりょうの夫人ふじんのオレナ氏しと面会めんかいしました。

面会めんかいが行おこなわれたのはスロバキアとの国境こっきょう近ちかくのウクライナ西部せいぶの町まちにある国内こくないの避難ひなん民みんの受け入うけいれ施設しせつとなっている学校がっこうで、ジル氏しは「この残酷ざんこくな戦争せんそうを止とめなければならない。アメリカの国民こくみんはウクライナの人々ひとびととともにあると示しめすことが重要じゅうようだ」と述のべました。

これに対にたいしてオレナ氏しは「あなたの勇気ゆうきある行動こうどうに感謝かんしゃする。私わたしたちは皆みなさんの支援しえんやアメリカの大統領だいとうりょうのリーダーシップを感かんじている」と応おうじました。

ホワイトハウスによりますと、ことし2月つきにロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまって以降いこう、オレナ氏しが公おおやけの場ばに姿すがたを見みせたのは初はじめてだということです。

アメリカ国務省こくむしょうキーウで大使館たいしかん業務ぎょうむ再開さいかいの準備じゅんび開始かいしと発表はっぴょう

アメリカ国務省こくむしょうは8日にち、ウクライナの首都しゅとキーウにアメリカの臨時りんじ代理だいり大使たいしなどが入はいり、大使館たいしかんの業務ぎょうむを再開さいかいするための準備じゅんびを始はじめたと発表はっぴょうしました。

ブリンケン国務こくむ長官ちょうかんが、この日ひ行おこなわれたウクライナのクレバ外相がいしょうとの電話でんわ会談かいだんの中なかで伝つたえたということです。

アメリカはウクライナ情勢じょうせいの悪化あっかを受うけ、大使館たいしかんの機能きのうをいったん隣国りんごくポーランドに移うつしたあと、先月せんげつ26日にちにウクライナの西部せいぶリビウで業務ぎょうむを再開さいかいすることを発表はっぴょうしていました。

モルドバの沿ドニエストル地方ちほう祝福しゅくふくの一方いっぽうで市民しみんから不安ふあんの声こえも

モルドバの沿ドニエストル地方ちほうは1990年ねんに一方いっぽう的てきに分離ぶんり独立どくりつを宣言せんげんして紛争ふんそうになり、現在げんざいも1500人にんを超こえるロシア軍ぐんの兵士へいしが駐留ちゅうりゅうするなど、ロシアの強つよい影響えいきょう下かにあります。

ここでは外国がいこくメディアが正式せいしきな許可きょかを受うけて取材しゅざいすることが難むずかしく、NHKは中心ちゅうしん都市としティラスポリで8日にちに撮影さつえいされた映像えいぞうを独自どくじのルートで入手にゅうしゅしました。

地元じもと当局とうきょくは先月せんげつ下旬げじゅん、電波でんぱ塔とうが破壊はかいされるなど緊張きんちょう感かんが高たかまっていることを受うけて、毎年まいとし5月つき9日にちに行おこなわれている戦勝せんしょう記念きねん日びのパレードの中止ちゅうしを発表はっぴょうしていますが、市街しがい地ちには当時とうじ兵士へいしとして戦たたかった軍人ぐんじんたちの写真しゃしんやロシアの国旗こっきをイメージした飾かざりが掲かかげられていました。

道行みちゆく若わかい女性じょせいもモルドバ政府せいふが禁止きんししている黒くろとオレンジ色しょくでデザインされたロシアの勝利しょうりの象徴しょうちょう「ゲオルギー・リボン」を胸むねにつけていました。

市民しみんの男性だんせいは「祖父そふが兵士へいしとして戦たたかいました。戦勝せんしょう記念きねん日びは私わたしにとって名誉めいよな日ひです」と話はなしていました。

一方いっぽう、女性じょせいは「戦勝せんしょう記念きねん日びは家族かぞくにとって最もっとも重要じゅうような祝日しゅくじつですが、ウクライナの緊迫きんぱくした雰囲気ふんいきは隠かくしようもありません。この土地とちが危険きけんにさらされることのないよう願ねがいたい」と話はなしていました。

U2ボノ氏しらキーウで演奏えんそうウクライナの人ひとたちを激励げきれい

世界せかい的てきな人気にんきを誇ほこるロックバンド、U2のボーカルのボノさんが、メンバーでギタリストのジ・エッジさんとともに8日にち、ウクライナの首都しゅとキーウを訪おとずれ、地下鉄ちかてつの駅えきでサプライズで演奏えんそうを披露ひろうしました。

ボノさんたちは代表だいひょう作さくの「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」などを熱唱ねっしょうし、集あつまった人ひとたちは体からだを揺ゆらしながら静しずかに聞き入ききいったり、演奏えんそうが終おわると拍手はくしゅを送おくったりしていました。

U2はツイッターの公式こうしきアカウントでメッセージを発表はっぴょうし、今回こんかいの演奏えんそうはウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうの招待しょうたいで実現じつげんしたと明あきらかにしました。

ボノさんは歌うたの合間あいま「ウクライナの人々ひとびとは自分じぶんたちだけでなく、自由じゆうを愛あいする私わたしたち、皆みなのために戦たたかっている」と語かたりかけ、軍事ぐんじ侵攻しんこうへの抵抗ていこうを続つづけるウクライナの人ひとたちを激励げきれいしました。

マリウポリで戦闘せんとう続つづくアゾフ大隊だいたい副ふく司令しれい官かん「負傷ふしょう兵へいも避難ひなん必要ひつよう」

ウクライナ東部とうぶの要衝ようしょう、マリウポリの製鉄せいてつ所しょを拠点きょてんにロシア軍ぐんと抗戦こうせんを続つづける「アゾフ大隊だいたい」の副ふく司令しれい官かんは8日にち、新あらたに公開こうかいした動画どうがで「現時点げんじてんで停戦ていせんはなされていない。敵てきは一いち晩ばん中ちゅう爆撃ばくげきを行おこない、戦車せんしゃや歩兵ほへいも加くわわっている」と述のべ、マリウポリでは今いまも戦闘せんとうが続つづいていると明あきらかにしました。

また、市民しみんの避難ひなんが完了かんりょうしたとされる製鉄せいてつ所しょについて「最悪さいあくなのは、ウクライナの指導しどう部ぶからも国際こくさい機関きかんからも誰だれも製鉄せいてつ所しょに来こなかったことだ。地下ちか室しつも防空ぼうくうごうも調しらべず、さらに民間みんかん人じんがいるかどうかの確認かくにんもしていない。ここにもっと多おおくの民間みんかん人じんがいる可能かのう性せいはあるし、がれきの下したに何なん十じゅうもの遺体いたいがある可能かのう性せいもある」と述のべました。

そのうえで「任務にんむの遂行すいこうを続つづけている兵士へいしたちも適切てきせつな治療ちりょうを受うける必要ひつようがある」と述のべて、けがをした兵士へいしたちなどについても避難ひなんが必要ひつようだと訴うったえました。

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは7日にちに公開こうかいした動画どうがで、製鉄せいてつ所しょから女性じょせいや子こどもなど300人にん以上いじょうが救助きゅうじょされたと述のべたうえで「私わたしたちは避難ひなんの第だい2段階だんかいを準備じゅんびしている。負傷ふしょう者しゃや衛生えいせい兵へいが対象たいしょうだ」などとして、けがをした兵士へいしなどの避難ひなんも必要ひつようだという考かんがえを示しめしています。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうロシアをナチス・ドイツになぞらえ強つよく批判ひはん

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうはナチス・ドイツに勝利しょうりした記念きねん日びとしている8日にち、ビデオメッセージを発表はっぴょうし「第だい2次じ世界せかい大戦たいせんから数すう十じゅう年ねんがたって、闇やみがウクライナへ戻もどってきた。違ちがう姿すがたをして、違ちがうスローガンを掲かかげているが目的もくてきは同おなじだ。血塗ちぬられたナチズムがウクライナに再建さいけんされた」と述のべ、軍事ぐんじ侵攻しんこうを続つづけるロシアをナチス・ドイツになぞらえて強つよく批判ひはんしました。

そして、ナチス・ドイツが第だい2次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅう、ウクライナやヨーロッパ各国かっこくに行いった侵略しんりゃくの歴史れきしにふれたうえで「われわれの軍隊ぐんたいや国民こくみんはナチズムに勝利しょうりした人々ひとびとの子孫しそんなのだから、再ふたたび勝利しょうりを収おさめる」と述のべ、ロシアに屈くっしない姿勢しせいを改あらためて強調きょうちょうしました。

ウクライナでは8日にちが記念きねん日びキーウでは犠牲ぎせい者しゃ追悼ついとう

ウクライナでは、ロシアによる一方いっぽう的てきなクリミア併合へいごうなどで反はんロシア感情かんじょうが高たかまったことを背景はいけいに、2015年ねん以降いこうは、ほかのヨーロッパの国くにと同様どうよう、5月つき8日にちを記念きねん日びとしています。

首都しゅとキーウにある第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの記念きねん碑ひには、8日にち、人々ひとびとがカーネーションなどの花はなを持もって次々つぎつぎと訪おとずれ、戦争せんそうで亡なくなった人ひとたちに思おもいをはせていました。

このうち、会社かいしゃ経営けいえい者しゃのナタリア・コニフツェワさん（76）は、「5月つき9日にちは、ソビエト時代じだいに記念きねん日びに定さだめられたものです。ロシアがウクライナに軍事ぐんじ侵攻しんこうしている今いまの状況じょうきょうを考かんがえても、5月つき8日にちこそが記念きねん日びです」と話はなしていました。

また、東部とうぶのハルキウから来きたアンリ・アボヤンさん（34）は「5月つき9日にちを記念きねん日びとして祝いわうことはしません。私わたしたちにとって5月つき8日にちは、みずから犠牲ぎせいとなり将来しょうらいへの希望きぼうを与あたえてくれた人ひとたちへの尊敬そんけいの念ねんを示しめす日ひです」と話はなしていました。

一方いっぽう、激はげしい戦闘せんとうが続つづく東部とうぶのマリウポリから来きた男性だんせいは「なぜ戦争せんそうが始はじまったのか理解りかいできません。ロシアがウクライナの人々ひとびとに対にたいして行おこなっていることはジェノサイドです。故郷こきょうのマリウポリには両親りょうしんが残のこったままで、連絡れんらくもとれません」と話はなし、涙なみだを流ながしました。

G7 ロシアからの石油せきゆの輸入ゆにゅう段階だんかい的てきまたは即時そくじ禁止きんしで一致いっち

アメリカ・ホワイトハウスは、G7＝主要しゅよう7か国かこくが8日にち開ひらいたオンラインの首脳しゅのう会合かいごうで、ロシアからの石油せきゆの輸入ゆにゅうを段階だんかい的てき、もしくは即時そくじに禁止きんしすることで一致いっちしたと発表はっぴょうしました。ロシア経済けいざいに大おおきな打撃だげきを与あたえ、プーチン大統領だいとうりょうによる戦費せんぴ調達ちょうたつを妨さまたげることが狙ねらいだとしています。ロシアからの石油せきゆの輸入ゆにゅうをめぐってはアメリカがすでに禁輸きんゆに踏み切ふみきっているほか、EU＝ヨーロッパ連合れんごうは年内ねんないに禁止きんしする制裁せいさい案あんを発表はっぴょうしています。

この中なかで、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「ロシアによるウクライナ侵略しんりゃくは、ヨーロッパのみならずアジアを含ふくむ国際こくさい秩序ちつじょの根幹こんかんを揺ゆるがす行為こういであり、歴史れきしの岐路きろに立たつ今いまほど、普遍ふへん的てき価値かちを共有きょうゆうするG7の結束けっそくが求もとめられている時ときはない」と述のべました。

そして、資産しさん凍結とうけつの対象たいしょうにおよそ140人にんの個人こじんを追加ついかしたことをはじめとするロシアへの制裁せいさい措置そちや、ウクライナや周辺しゅうへん国こくに対にたいする支援しえんの実施じっし状況じょうきょうを説明せつめいし、G7が連携れんけいして対応たいおうを強化きょうかしていくことが重要じゅうようだという認識にんしきを示しめしました。そのうえで、「エネルギー資源しげんの大半たいはんを輸入ゆにゅうに頼たよっている日本にっぽんとしては厳きびしい決断けつだんだが、G7の結束けっそくが何なによりも重要じゅうような時ときだ」と述のべ、今回こんかいの首脳しゅのう声明せいめいも踏ふまえロシア産さんの石油せきゆを原則げんそく禁輸きんゆする方針ほうしんを表明ひょうめいしました。

ウクライナの歴史れきし学者がくしゃプーチン大統領だいとうりょうの一方いっぽう的てきな主張しゅちょうを非難ひなん

ウクライナの歴史れきし学者がくしゃ、ボロディミル・ビアトロビッチ氏しは、首都しゅとキーウで5日にち、NHKのインタビューに応おうじ、ロシアの戦勝せんしょう記念きねん日びの意味合いみあいについて話はなしました。

このなかで「ロシアで5月つき9日にちとなっている戦勝せんしょう記念きねん日びは、当時とうじのソビエトの指導しどう者しゃスターリンがファシズムに対にたいする勝利しょうりに特別とくべつな貢献こうけんをしたと誇示こじするために考え出かんがえだした」と述のべました。

そして、ウクライナでは2015年ねん以降いこう、ほかのヨーロッパ各国かっこくと同様どうように、5月つき9日にちではなく前日ぜんじつの8日にちに記念きねんの行事ぎょうじが行おこなわれていると指摘してきしました。

その理由りゆうについては「2014年ねんのロシアによるクリミアの一方いっぽう的てきな併合へいごうや、ウクライナ東部とうぶでの混乱こんらんを受うけて、ウクライナで反はんロシア感情かんじょうが高たかまったことが背景はいけいにある」と述のべました。

またビアトロビッチ氏しは「プーチンは今回こんかいの戦争せんそうで、『ウクライナのナチスと戦たたかっている』と発言はつげんしている。これは、5月つき9日にちに関にかんするソビエト時代じだいのプロパガンダを利用りようしているにすぎない」と述のべ、プーチン大統領だいとうりょうがナチス・ドイツとの戦たたかいとウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを同一どういつ視しするような主張しゅちょうを一方いっぽう的てきに展開てんかいしていると非難ひなんしました。

「今いまロシアがやっていることがファシズムそのもの」

ロシアが戦勝せんしょう記念きねん日びを祝いわうことについて、ウクライナの人ひとたちからは批判ひはん的てきな意見いけんが多おおく聞きかれました。

このうち、年金ねんきん生活せいかつ者しゃのペトロ・ドロトゥさん（84）は「私わたしの家族かぞくのうち9人にんが第だい2次じ世界せかい大戦たいせんで亡なくなったので、以前いぜんはこの日ひは大切たいせつな記念きねん日びだった。しかしそれはもう過去かこの話はなしだ。残念ざんねんながらロシアとの戦争せんそうが続つづいている今いま、もはや祝いわうべき日ひではなくなった」と話はなしていました。

そのうえで「ロシア人じんたちが祝いわいたいなら、そうさせておけばいい。それはロシアの都合つごうであり、ロシアの指導しどう部ぶの勝手かってだ」と述のべました。

そしてペトロさんの妻つまのジーナさん（83）は「今いまでは、ウクライナではほかのヨーロッパの国々くにぐにと同おなじように、5月つき8日にちを犠牲ぎせい者しゃを追悼ついとうする日ひにしている」と話はなし、8日にちの日付ひづけが重要じゅうようだと強調きょうちょうしました。

また、地元じもとのインターネットメディアで働はたらくジャーナリストのオレクサンドラ・ポボローズニクさん（28）は「ロシアは第だい2次じ世界せかい大戦たいせんに勝利しょうりした日ひとして祝いわうだろうが、皮肉ひにくなことだ。マリウポリの悪夢あくむのような惨状さんじょうを見みれば、ロシア軍ぐんがやっていることはナチス・ドイツよりもひどいことがわかる」と批判ひはんしました。

さらに法律ほうりつ家かのヤニーナ・ティシェンコさん（31）は「『ファシズムに勝かった日ひ』があってもいいが、今いま、ロシアがやっていること自体じたいがファシズムそのものだと思おもう。軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまった2月つき24日にちまでロシアに対にたいする敵対てきたい心しんはなかったが、ファシズム国家こっかがファシズムに勝かったと祝いわうようなことはあってはならない」と批判ひはんしました。

一方いっぽう、ロシア系けい住民じゅうみんが多おおく暮くらし、ロシアの影響えいきょう力りょくが比較的ひかくてき強つよい東部とうぶドネツク州しゅう出身しゅっしんのドミートリ・ブラトツェフさん（23）は「5月つき9日にちはロシアでもウクライナでも戦勝せんしょう記念きねん日びであることに違ちがいはない。あの戦争せんそうではロシア人じんもウクライナ人じんも当時とうじのドイツ軍ぐんとの戦たたかいに参加さんかした。記念きねん日びが悪わるいわけではない」と一定いっていの理解りかいを示しめしました。

専門せんもん家か「戦争せんそうが長引ながびけばあっという間あっというまに不人気ふにんきに」

ロシア大統領だいとうりょう府ふでプーチン大統領だいとうりょうの演説えんぜつの草稿そうこうを準備じゅんびする部署ぶしょに所属しょぞくしていたロシアの政治せいじ学者がくしゃアッバス・ガルリャモフ氏しがNHKのオンラインでのインタビューに応おうじ、5月つき9日にちの戦勝せんしょう記念きねん日びについて「プーチンにとっての聖せいなる祝日しゅくじつだ」と表現ひょうげんし、プーチン大統領だいとうりょうが愛国あいこく心しんに訴うったえてみずからへの求心力きゅうしんりょくを高たかめるとともに、国内こくないの結束けっそくや国威こくい発揚はつように利用りようしてきたと指摘してきしました。

ガルリャモフ氏しは2016年ねんまでロシア大統領だいとうりょう府ふに所属しょぞくしていましたが、その後そのご政権せいけん批判ひはんに転てんじ、ロシアがウクライナへ軍事ぐんじ侵攻しんこうを始はじめる前まえに身みの危険きけんを感かんじてロシアを離はなれ、現在げんざいはイスラエルにいるということです。

ガルリャモフ氏しは戦勝せんしょう記念きねん日びに行おこなわれる軍事ぐんじパレードに関にかんして「プーチン政権せいけん下かのロシアは兵器へいきを見みせつけて世界せかいを脅おどし、わが軍ぐんがいかに偉大いだいかと誇示こじしてきた」と政権せいけんのねらいを分析ぶんせきしました。

そのうえで「プーチンの正当せいとう性せいは、自分じぶんは強つよく、常つねに相手あいてを打うち負まかし、ほしいものを手てに入いれるという力ちからの概念がいねんに基もとづいている」と述のべ、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうにはこうしたプーチン大統領だいとうりょうの考かんがえが背景はいけいにあると指摘してきしました。

ただ、軍事ぐんじ侵攻しんこうについてガルリャモフ氏しは「真しんに正当せいとうな戦争せんそうとは敵てきの攻撃こうげきに対にたいして身みを守まもるウクライナのほうだ。ロシアの場合ばあいは『なぜ私わたしたちは戦たたかっているのか』という疑問ぎもんが存在そんざいする」と述のべ、多大ただいな犠牲ぎせいを払はらって祖国そこくを守まもったとする第だい2次じ世界せかい大戦たいせんとは根本こんぽん的てきに異ことなるという認識にんしきを示しめしました。

そして、ウクライナ側がわの激はげしい抵抗ていこうで劣勢れっせいも伝つたえられる現状げんじょうについて「戦場せんじょうで勝利しょうりできていないことがわかった今いま、ショックを受うけている。それこそが大統領だいとうりょうや側近そっきんが直面ちょくめんしている喫緊きっきんの問題もんだいだ」と指摘してきし、プーチン政権せいけんが動揺どうようしていると分析ぶんせきしました。

こうした中なかで、プーチン大統領だいとうりょうが「戦争せんそう状態じょうたい」を宣言せんげんし、ロシア国民こくみんが総そう動員どういんされる可能かのう性せいも指摘してきされていることについては「問題もんだいは戦場せんじょうの人員じんいん不足ふそくではなく、ウクライナが国際こくさい社会しゃかいの支援しえんで強つよくなったことだ。新兵しんぺいを送り込おくりこんでも戦死せんし者しゃがさらに増ふえるだけだ」と指摘してきしました。

そのうえで「国民こくみんはソファーの上うえにいる間まなら政権せいけんの行動こうどうに賛成さんせいするが、それ以上いじょうではない。政権せいけんや愛国あいこく心しんのために自分じぶんを犠牲ぎせいにすることは決けっしてない」と述のべ、むしろロシア国内こくないで反戦はんせんの機運きうんを高たかめることにつながるという見方みかたを示しめしました。

さらに欧米おうべいなどの制裁せいさいの影響えいきょうが市民しみん生活せいかつに出で始はじめているとして「この戦争せんそうが長引ながびけばあっという間あっというまに不人気ふにんきになる」と述のべ、軍事ぐんじ侵攻しんこうの長期ちょうき化かによってプーチン大統領だいとうりょうへの支持しじが落ち込おちこんでいくという考かんがえを示しめしました。

ただ、政権せいけんによる情報じょうほう統制とうせいを恐おそれて国民こくみんが声こえをあげられない現状げんじょうを踏ふまえ「強権きょうけん的てきなプロパガンダの成功せいこうは恐怖きょうふに基もとづくものだ。ナチス・ドイツでもそうだったし、ここでも同おなじだ」と述のべ、ナチス・ドイツに勝利しょうりした日ひを祝いわうプーチン政権せいけんが、同おなじことを繰り返くりかえしていると皮肉ひにくりました。

プーチン大統領だいとうりょう「ナチズムの復活ふっかつを防ふせぐ」

ロシア大統領だいとうりょう府ふは8日にち、9日にちの「戦勝せんしょう記念きねん日び」にあわせて、旧きゅうソビエトの国くにの首脳しゅのうや市民しみんなどに向むけてプーチン大統領だいとうりょうが祝福しゅくふくのメッセージを送おくったと発表はっぴょうしました。

この中なかでプーチン大統領だいとうりょうは「われわれの共通きょうつうの義務ぎむはさまざまな国くにの人々ひとびとに多大ただいな苦痛くつうをもたらしたナチズムの復活ふっかつを防ふせぐことだ」と述のべたということです。

また、ロシアが一方いっぽう的てきに国家こっか承認しょうにんしたウクライナ東部とうぶ2州しゅうの親しんロシア派はの武装ぶそう勢力せいりょくの指導しどう者しゃらに対にたいしては「ロシア軍ぐんの兵士へいしは彼かれらの先祖せんぞのように、ナチスの汚物おぶつから領土りょうどを解放かいほうするためにともに戦たたかっている。1945年ねんと同様どうよう、勝利しょうりはわれわれのものになるという確信かくしんを示しめした」としていて、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを改あらためて正当せいとう化かし、ロシアが勝利しょうりすると呼よびかけたとしています。

さらにロシア大統領だいとうりょう府ふは、プーチン大統領だいとうりょうからウクライナの市民しみんや第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの退役たいえき軍人ぐんじんに向むけたとするメッセージも掲載けいさいしました。

このなかでプーチン大統領だいとうりょうは「私わたしたちの共通きょうつうのすばらしい休日きゅうじつである勝利しょうりの日ひを心こころから祝福しゅくふくする」とする一方いっぽうで「残念ざんねんながらいま再ふたたびナチズムが頭あたまをもたげ、野蛮やばんで非ひ人道的じんどうてきな統治とうちを行おこなおうとしている。私わたしたちの神聖しんせいな義務ぎむは、『大だい祖国そこく戦争せんそう』の敗北はいぼく者しゃの思想しそうを受け継うけついだ者しゃたちによる復ふくしゅうを阻止そしすることだ」と述のべ、軍事ぐんじ侵攻しんこうの目的もくてきがウクライナのネオナチ集団しゅうだんとの戦たたかいだと主張しゅちょうしています。

軍事ぐんじパレードに「終末しゅうまつの日ひの飛行機ひこうき」核かく大国たいこくを誇示こじ

ロシアでは、「戦勝せんしょう記念きねん日び」の5月つき9日にちに毎年まいとし各地かくちで軍事ぐんじパレードが行おこなわれます。

ロシア国防省こくぼうしょうは、ことしの軍事ぐんじパレードについて28の都市としで実施じっしされると発表はっぴょうし、一方いっぽう的てきに併合へいごうしたウクライナ南部なんぶのクリミアでもロシアによる軍事ぐんじパレードを行おこなうとしています。

首都しゅとモスクワのパレードでは131の兵器へいきが披露ひろうされる予定よていで、なかには、アメリカのミサイル防衛ぼうえい網もうに対抗たいこうするICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイルの「ヤルス」や、ウクライナへの攻撃こうげきでも使用しようされている短距離たんきょり弾道だんどうミサイルの「イスカンデル」など、核かく弾頭だんとうも搭載とうさいできるロシア製せいのミサイルが登場とうじょうするということです。

さらにことしは、戦後せんご77年ねんにちなんだ77機きの戦闘せんとう機きや軍用ぐんようヘリコプターなどが参加さんかするということです。

このうちロシアの主力しゅりょく戦闘せんとう機きの「ミグ29」は、8機きが「Z」の文字もじを表あらわす編成へんせいで飛行ひこうするとしていて、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを支持しじする象徴しょうちょうとなっている「Z」を用もちいて国民こくみんにも支持しじを訴うったえる演出えんしゅつとなっています。

また、核かく戦力せんりょくによる戦争せんそうなど非常時ひじょうじに大統領だいとうりょうなどが乗り込のりこみ、上空じょうくうから部隊ぶたいを指揮しきすることから「終末しゅうまつの日ひの飛行機ひこうき」とも呼よばれる特別とくべつ機き「イリューシン80」も飛行ひこうすることになっています。

プーチン大統領だいとうりょうは核兵器かくへいきを使用しようする可能かのう性せいも辞じさない構かまえを示しめしていて、軍事ぐんじパレードでは核かく大国たいこくであることを誇示こじし、ウクライナを支援しえんするアメリカをはじめNATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめい各国かっこくをけん制けんせいするねらいもあるとみられます。

愛国あいこく心しん最もっとも高たかまる「戦勝せんしょう記念きねん日び」プーチン政権せいけんは国威こくい発揚はつように利用りよう

第だい2次じ世界せかい大戦たいせんで旧きゅうソビエトは、世界せかいで最もっとも多おおい、少すくなくとも2600万まん人にんの兵士へいしと市民しみんが死亡しぼうしたとされています。

なかでもナチス・ドイツとの戦たたかいはロシアでは「大だい祖国そこく戦争せんそう」と呼よばれ、苦難くなんの末すえに勝利しょうりした栄光えいこうの日ひと位置いちづけられています。

こうした歴史れきしはロシアの学校がっこう現場げんばでも詳くわしく教おしえられていて、5月つき9日にちはロシアの人ひとたちがソビエト軍ぐんの功績こうせきや戦争せんそうに加くわわったそれぞれの祖先そせんに思おもいをはせるなど、愛国あいこく心しんが最もっとも高たかまる日ひとされています。

毎年まいとしこの日ひは首都しゅとモスクワにある赤あかの広場ひろばで記念きねん式典しきてんが開ひらかれ、このうち2005年ねんの60周年しゅうねんの式典しきてんには欧米おうべいを含ふくむ50か国かこく以上いじょうの首脳しゅのうが出席しゅっせきし、戦勝せんしょう国こく・敗戦はいせん国こくを問とわず犠牲ぎせい者しゃを追悼ついとうするなど、平和へいわに向むけた国際こくさい社会しゃかいの結束けっそくが誓ちかわれました。

このように「戦勝せんしょう記念きねん日び」は「追悼ついとうと和解わかい」の象徴しょうちょうという側面そくめんもありましたが、プーチン政権せいけんは近年きんねん、この祝日しゅくじつを国威こくい発揚はつようの場ばとして利用りようする傾向けいこうが強つよまっています。

ロシアのラブロフ外相がいしょうは今月こんげつ1日にちに公開こうかいされたインタビューで「ロシア軍ぐんは、戦勝せんしょう記念きねん日びを含ふくむ特定とくていの日ひにもとづいて行動こうどうを調整ちょうせいすることはない。5月つき9日にちはいつものように厳粛げんしゅくに祝いわう」と述のべ、1つの節目ふしめともみられてきたこの記念きねん日びのあとも戦闘せんとうが継続けいぞくされるという見方みかたを示しめしています。

プーチン大統領だいとうりょうモスクワで演説えんぜつへ

首都しゅとモスクワでは、日本にっぽん時間じかんの9日にち午後ごご4時じから中心ちゅうしん部ぶの赤あかの広場ひろばで式典しきてんが開ひらかれ、プーチン大統領だいとうりょうが演説えんぜつする予定よていです。

プーチン大統領だいとうりょうは、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを続つづける理由りゆうとして、ゼレンスキー政権せいけんが「ネオナチ」だと一方いっぽう的てきに主張しゅちょうし、ロシア系けい住民じゅうみんを保護ほごする必要ひつよう性せいを強調きょうちょうしています。

プーチン大統領だいとうりょうとしては、ナチス・ドイツに勝利しょうりした先さきの大戦たいせんと重ね合かさねあわせることで、軍事ぐんじ作戦さくせんに対にたいする支持しじを国民こくみんに訴うったえるのではないかという見方みかたも出でています。

また、戦闘せんとうが長期ちょうき化かする中なか、イギリスのウォレス国防こくぼう相しょうなどは、プーチン大統領だいとうりょうが演説えんぜつの中なかで「戦争せんそう状態じょうたいにある」と宣言せんげんし、ロシアの国民こくみんを大量たいりょう動員どういんする可能かのう性せいに言及げんきゅうしています。プーチン大統領だいとうりょうが国威こくい発揚はつようを演出えんしゅつする式典しきてんでどのような演説えんぜつを行おこなうのか関心かんしんが集あつまっています。

一方いっぽう、演説えんぜつの後のち、赤あかの広場ひろばでは1万まん人にん以上いじょうの兵士へいしが行進こうしんし、最新さいしん兵器へいきなども披露ひろうされる軍事ぐんじパレードが行おこなわれます。この中なかでは、核かく戦力せんりょくによる戦争せんそうなど、非常時ひじょうじに大統領だいとうりょうなどが乗り込のりこんで部隊ぶたいを指揮しきする「終末しゅうまつの日ひの飛行機ひこうき」とも呼よばれる特別とくべつ機き「イリューシン80」も飛行ひこうする計画けいかくとなっています。核兵器かくへいきが使用しようされる事態じたいを想起そうきさせることで、ウクライナを軍事ぐんじ支援しえんする欧米おうべい側がわを強つよくけん制けんせいする狙ねらいもあるとみられます。

また、ロシア側がわは、軍事ぐんじ侵攻しんこうで掌握しょうあくしたと主張しゅちょうするウクライナの地域ちいきでも式典しきてんを開催かいさいする可能かのう性せいが伝つたえられています。ロシア側がわが9日にちに行おこなう予定よていの一連いちれんの行事ぎょうじは、軍事ぐんじ侵攻しんこうの見通みとおしや、ウクライナでの支配しはいを既成きせい事実じじつ化かさせようとする動うごきを見みる上うえでも重要じゅうような意味いみを持もつとみられます。