格付かくづけ会社かいしゃフィッチ・レーティングスが米国債べいこくさいの格付かくづけを引ひき下さげたことを受うけ、２日ふつかの世界せかいの株式市場かぶしきしじょうでは軒並のきなみ株価かぶかが下落げらくした。

フィッチは「統治水準とうちすいじゅんの着実ちゃくじつな悪化あっか」と米政府債務べいせいふさいむの増加ぞうかを理由りゆうに、米国債べいこくさいの格付かくづけを最上級さいじょうきゅうの「ＡＡＡ」から「ＡＡ＋」に１段階引だんかいひき下さげた。

日経平均株価にっけいへいきんかぶかは前日比ぜんじつひ２．３％安やすと今年最大ことしさいだいの下落率げらくりつを記録きろく。香港ほんこんハンセン指数しすうも２．５％安やすとなった。

欧州市場おうしゅうしじょうの下落率げらくりつはそれより小ちいさいが、代表的だいひょうてきなＳＴＯＸＸ６００指数しすうが米東部時間午前べいとうぶじかんごぜん５時じ５７分ふん（日本時間午後にっぽんじかんごご６時じ５７分ふん）までに１．４％下さげ、２週間しゅうかんぶりの安値やすねとなった。

米国株式先物べいこくかぶしきさきものも下落げらくし、立会時間前たちあいじかんまえの取引とりひきでＳ＆Ｐ５００指数しすうが０．８％安やす、ナスダック指数しすうが１．２％安やすとなった。一方いっぽう、米国債べいこくさいの価格かかくは上昇じょうしょうし、１０年債利回ねんさいりまわりが４．０３％に下さがった。

米議会べいぎかいは今年ことし、債務上限問題さいむじょうげんもんだいが土壇場どたんばまでもつれ、米政府初べいせいふはつのデフォルト（債務不履行さいむふりこう）に陥おちいる恐おそれがあった。情報筋じょうほうすじによると、フィッチはバイデン政権当局者せいけんとうきょくしゃとの会合かいごうで、２０２１年ねんの米議会襲撃事件べいぎかいしゅうげきじけんを、統治とうちに関かかわる重大じゅうだいな懸念事項けねんじこうに挙あげた。

同社どうしゃは声明せいめいで「格下かくしたげは今後こんご３年間ねんかんで予想よそうされる財政悪化ざいせいあっか、高水準こうすいじゅんかつ増加ぞうかする一般政府債務いっぱんせいふさいむ、統治機能とうちきのうの衰おとろえを反映はんえいした」と説明せつめい。財政赤字ざいせいあかじは２２年ねんの国内総生産こくないそうせいさん（ＧＤＰ）比ひ３．７％から２３年ねんには同どう６．３％に上昇じょうしょうすると予想よそうする。