調査報道を手がけるアメリカの報道機関「プロパブリカ」は8日、ジェフ・ベゾス氏や著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏など25人の富裕層に関する納税記録を独自に入手し、分析したとする調査報告書を発表しました。
それによりますと、25人の資産は2014年から2018年の間に4010億ドル、日本円にして43兆円余り増えましたが、連邦政府への所得税額は1兆4000億円あまりにとどまったということです。
このうち、ベゾス氏の資産は990億ドル増えましたが納税額は9億7300万ドルで資産の増加に対する「真の税率」は0.98%、またバフェット氏の資産は243億ドル増えましたが、「真の税率」は0.1%でした。
保有する株式が値上がりしても売却しなかったり、多額の資金を借り入れたりするなどして、課税所得を抑えていたということです。
報告書では年間の収入が7万ドル余りのアメリカの標準的な世帯でも連邦政府による税率は14%だとしたうえで、富裕層は「ばく大な資産にもかかわらずほとんど納税していない。税制がいかに不公平かを示している」と主張しています。
プロパブリカの取材に対しバフェット氏は、資産の99%を慈善活動に投じる計画で、すでに実行し始めたとしたうえで「アメリカ政府の債務を減らすことに使うより、ずっと役に立つ」とコメントしています。