ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、地球規模の課題に対して各国が一致したメッセージを打ち出せるかが焦点になります。
国連の気候変動対策の会議、COP27は日本時間の6日午後6時半すぎ、エジプト東部のシャルムエルシェイクで開幕しました。
冒頭、国連の気候変動枠組み条約のスティル事務局長はウクライナ侵攻などの国際情勢を念頭に、「交渉を前に進めて現状を変えるためにも、世界で起きていることと切り離して、COPを安全な政治の場所としなくてはならない。いまこそ行動すべきときだ」と訴えました。
去年のCOP26では、世界の平均気温の上昇を1.5度までに抑える努力を各国が追求することで合意しましたが、国連の最新の分析では、各国の現在の温室効果ガスの削減目標では今世紀末までにおよそ2.5度上昇する見通しとなっていて対策の強化が課題です。
7日から始まる首脳会合には、フランスのマクロン大統領や、イギリスのスナク首相など多くの首脳が参加するほか、11日にはアメリカのバイデン大統領も参加する予定です。
ウクライナ侵攻によって深まる欧米とロシアの対立でエネルギー危機が深刻化し、各国で温室効果ガスの排出が多い石炭への回帰も進む中、対策の強化に向け一致したメッセージを打ち出せるかが焦点になります。