東京の
美術大学の
学生たちが、
青森県八戸市の
中学校の
黒板に、
生徒たちにないしょで
チョークで
美しい絵を
描き、
生徒たちを
驚かせました。「
黒板ジャック」と
名付けられた
この取り組みは、
東京の
武蔵野美術大学の
学生が
全国で
行っているもので、
今回は
八戸市の
長者中学校を
訪れました。
大学生たちは、30日のうちに8つの教室の黒板に、チョークだけで絵画を制作していました。
進路指導室の黒板は、田んぼを眼下にセミと赤トンボがあいさつを交わす、夏から秋への移り変わりを表現した芸術作品に生まれ変わっています。
31日朝、生徒たちがなにも知らずに教室に入ると「すごい」などと声をあげながら、友達と感想を言い合ったり、描いた大学生に「何時間かかったんですか」と質問したりしていました。
作品を見た女子生徒は「チョークで描いたとは思えません。絵のタッチや光の入り方に圧倒されました」と話していました。
この作品を手がけた武蔵野美術大学油絵学科3年の薄羽由実子さんは「自分がこだわった部分もよく見てくれていてうれしいです。この体験をきっかけに美術と生徒の心の距離が縮まってくれれば」と話していました。
校内には、このほか自分自身を空飛ぶ巨大なクジラに見立てた作品や、お城を陰影をつけながら白一色で描き切った作品もあり、生徒たちは教室を回って鑑賞するたびに刺激を受けた様子でした。