このうち悪戸地区のりんご園では、1本の木から収穫できるりんごのおよそ1割に当たる20個ほどが落ちる被害が確認されたということで、弘前市は、5日中に確認を終えたいとしています。
また、大沢地区の伊藤公正さんの畑には、弘前市の桜田市長が訪れ、被害の状況を視察しました。伊藤さんが「木が数本倒れたうえ、多いものでは1本の木から半数もの実が落ちてしまった」と伝えると、桜田市長は「市全体の被害を速やかに把握し対応を検討したい」と応えていました。
伊藤さんは、平成3年に台風によって大きな被害が出たことを思い出しながら「当時に近い、想像を超える被害になってしまった。ことしは、できがよかっただけに、がっかりしています」と話していました。
青森 弘前 りんご落ちる
弘前市のりんご園では、主力の「ふじ」など多くのりんごが収穫を控えていて、台風の接近から一夜明けた5日朝、市と農協の職員が手分けして被害の確認を進めています。
このうち悪戸地区のりんご園では、1本の木から収穫できるりんごのおよそ1割に当たる20個ほどが落ちる被害が確認されたということで、弘前市は、5日中に確認を終えたいとしています。
また、大沢地区の伊藤公正さんの畑には、弘前市の桜田市長が訪れ、被害の状況を視察しました。伊藤さんが「木が数本倒れたうえ、多いものでは1本の木から半数もの実が落ちてしまった」と伝えると、桜田市長は「市全体の被害を速やかに把握し対応を検討したい」と応えていました。
伊藤さんは、平成3年に台風によって大きな被害が出たことを思い出しながら「当時に近い、想像を超える被害になってしまった。ことしは、できがよかっただけに、がっかりしています」と話していました。
北海道七飯町でも
道南を代表するりんごの産地、北海道七飯町では、収穫を控えたりんごが多数落ちているのが確認され、町や地元の農協が被害の状況を調査しています。
七飯町は西洋りんご発祥の地とも言われ、りんごの栽培が盛んに行われています。
台風21号による強風の影響で、町内の畑では、りんごが多数落ちているのが確認され、町や地元の農協は農家を回って被害の状況を調査しています。
このうち、宮後英子さん(65)の3.5ヘクタールの畑では、1か月後に収穫を控えた「レッドゴールド」などが地面に落ち、りんごの木が折れる被害も確認されました。
宮後さんによりますと3割ほどが落ちてしまった木もあるということで、落ちたりんごはジャムなどに加工して出荷することも検討しているということです。
宮後さんは「ひどい被害でした。風で葉に傷がつくとりんごの成長にも影響するので心配です」と話していました。
北海道増毛町では梨にも被害
北海道増毛町は果物の栽培が盛んで、現在、梨やブドウ、それに桃などが収穫時期を迎えています。
暑寒沢地区にある広さ5.5ヘクタールの観光果樹園では、台風21号による強風の影響で梨やりんごなどが落ちる被害が出ています。
果樹園によりますと、被害は特に収穫を控えた梨で大きく、全体のおよそ6割が落ちたと見られるということです。
果樹園を営む佐藤善一さんは「想定以上の落下の多さに驚きました。今後、残ったものが大きく成長することに期待します」と話していました。
増毛町によりますと、被害の情報は複数の果樹園から寄せられているということで現在、実態調査を進めているということです。
北海道南幌町 スイートコーン倒れる
北海道南幌町では、収穫直前だったスイートコーンが倒れて出荷できなくなる被害が相次いでいます。
このうち、木村博志さん(35)が経営する法人は、およそ2ヘクタールの畑でスイートコーンを栽培し収穫の時期を迎えていましたが、強風の影響で茎の根元から曲がって倒れてしまいました。
スイートコーンが倒れてしまうと、皮の中の実の部分に泥が入って出荷できなくなるということで、木村さんの畑の半分近くで被害を受けたということです。
木村さんは「一夜明けて思ったより被害が大きかった。収穫直前で残念ですが、自然のことなのでどうしようもないです」と話していました。
地元の農協や町によりますと、南幌町では被害を受けたスイートコーンが他にも相次いでいるということで農協では詳しく調べています。
「JAなんぽろ」の担当者は「ほかにも、野菜などが被害を受けている可能性がある。被害の全容をいち早く把握したい」と話していました。
南幌町では台風21号の接近に伴い5日未明に風が強まり、町の観測によりますと、5日午前3時すぎに28.3メートルの最大瞬間風速を記録していたということです。
新潟では梨・ぶどう・ユリに被害
梨の産地として知られる新潟市江南区では、収穫を目前に控えた梨が台風による風で落ちる被害が相次いだということです。
地元の梨農家、塚原幸夫さんは「大きい梨や風の当たりが強かったところで被害が出ている。落ちたものは捨てなければいけないが、その作業も大変です」と話していました。
また聖籠町のぶどう園では巨峰やシャインマスカットなど多くのぶどうが落ちる被害がありました。
ぶどう園を経営する高橋正之さん(76)は「ことしのぶどうは糖度が高く、期待していました。ぶどう狩りのシーズンが始まったばかりですが台風だけはどうにもならないです」と話していました。
このほか、全国有数のユリの産地、魚沼市でもユリが風で倒れる被害が相次いでいて、農家の八木浩一さん(57)は「彼岸に向けて出荷するユリが倒れてしまった。つぼみが傷ついてしまうと出荷ができないので厳しい状況です」と話していました。
山梨でもぶどうの被害
台風21号による強風の影響で、山梨県甲州市では収穫直前のぶどうが落ちる被害が出ました。
山梨県甲州市勝沼町では4日午後5時すぎ、最大瞬間風速26.8メートルを観測しました。
ぶどう農家の小池宣弘さんの畑では、一夜明けた5日、収穫直前のピオーネが地面に落ちているのが確認されました。
風でぶどうの房が互いにこすれて傷みが進むなどして、等級が下がってしまうおそれがあるということです。
小池さんは「今回の台風は想像していた以上に風が強くて不安な一夜を過ごしました。1年間育ててきたので本当に残念です」と話していました。
和歌山特産のみかんに被害
台風の影響で、みかんの全国的な産地、和歌山県有田市で、みかんが落下したり木が折れたりする被害が出ました。
全国でも有数のみかんの産地、和歌山県有田市の森川文夫さんの畑ではおよそ1800本のみかんの木が植えられています。
みかんは11月ごろに収穫の最盛期を迎えますが、台風の影響で色づく前のみかんの実が落ちたほか、木が折れたり倒れたりする被害が出ました。
また、防風ネットが壊れたり、周辺の大きな木が折れてみかんの木の上に倒れかかっているところもあり、森川さんは畑の見回りなどに追われていました。
森川さんは例年、80トンほどのみかんを出荷していますが、ことしは、2割ほど減る見通しだということです。
森川さんは「こんなに大きな被害を受けるのは初めてです。残った実を大事に育てて、おいしいみかんをつくっていきたいです」と話していました。