「
箱根駅伝」で10
回の
総合優勝を
誇る、
日本体育大学の
監督が
学生にパワーハラスメントを
行った
疑いが
あるとして
大学側が
調査してきた
問題で、
日体大は
暴力行為やパワハラを
認定し、
監督を
解任しました。
解任されたのは、
日体大で
駅伝を
担当する
渡邉正昭監督です。
渡邉監督をめぐっては、今月3日に学生にパワハラをした疑いがあるという報告書が陸上競技部の部長から大学に提出され、体育会を統括する学友会の倫理委員会が部員や元部員から聞き取りを行うなど調査をしてきました。
日体大は調査結果をまとめ、12日公表しました。
それによりますと、学生への聞き取り調査で渡邉監督が学生の足を蹴ったり胸ぐらをつかんだりした暴力行為や、人格を否定したと受け取られる言動があったことが複数報告され、それについて渡邉監督はおおむね事実だと認めたということです。
そのうえで渡邉監督は「暴力に当たるという認識や、言動がパワーハラスメントに当たるという認識はなかった」と話したということです。
これを受けて渡邉監督は辞任願いを提出しましたが、日体大の学友会は学生指導の適性に欠け解任が相当と判断し、11日付けで渡邉監督を解任しました。
日体大は今後、後任の監督を選び、問題に巻き込まれた部員だけでなく在籍するすべての部員に対して十分なケアを行うなど競技や練習に打ち込むことができるあらゆる方策を講じるとしています。
解任された渡邉監督 高校の指導でも体罰で停職処分
解任された日体大の駅伝担当の渡邉正昭監督は55歳。
日体大の選手として箱根駅伝に出場したあと、高校駅伝の強豪愛知県立豊川工業高校で陸上部の監督を務めました。
しかし、5年前の平成25年に部員への体罰が明らかになり停職の懲戒処分を受けて辞職し、その後、平成27年から日体大陸上競技部の駅伝担当の監督を務めていました。
具志堅学長のコメント
監督が解任されたことについて、日本体育大学の具志堅幸司学長は「多くの皆様にご心配とご不安を与えてしまうこととなり大変申し訳ありません。関係者の聞き取りなど事実確認を進めて参りましたが、誠に残念ながら暴力行為等の事実が認定されました。このような過ちを繰り返さないためにも、教職員・学生に対して継続して暴力行為等の禁止を啓発すべく研修に努めます。本学にお寄せいただいているご期待にきちんとお応えできるよう、まずはここで改めてみずからを省み、その姿をただしてまいります」などとするコメントを発表しました。