「
なし崩し」という
慣用句を
本来の「
少しずつ
返して
いく」でなく、「なかったことにする」という
意味で
使っている
人が
6割を
超えることが
文化庁の
調査でわかりました。
この調査は
慣用句の
使われ
方の
変化を
把握するため、
文化庁が
毎年、
行っていて、
今回は16
歳以上の
男女、2022
人から
回答を
得ました。
このなかで、「なし崩し」という慣用句について、意味を尋ねたところ、本来の借金などを「少しずつ返していく」という意味で使っている人は19.5%にとどまった一方、「なかったことにする」という意味で使っている人は65.6%に上りました。
また、「檄をとばす」を本来の「自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求める」という意味で使う人は22.1%で、「元気のない者に刺激を与えて活気を与える」という意味で使う人は67.4%に上りました。
さらに、「やおら」という慣用句を本来の「ゆっくりと」という意味で使う人は39.8%だったのに対し、「急に、いきなり」という意味で使う人は30.9%と、こちらも3割を超えていました。
文化庁は「言葉は時代とともに変化するので、誤りとはいえないが、ふだん何気なく使っている言葉の意味や由来を知って、日常のコミュニケーションにいかしてほしい」と話しています。