高知県南国市にある長岡東部保育園では感染防止を重視して、春から保育士全員がマスクを着用してきました。
しかし、絵本の読み聞かせなど、さまざまな場面で保育士の表情や口元を見せられない日が続き、子どもの育ちに影響が出ていると感じています。具体的には保育士が話しかけても表情が乏しかったり、反応が鈍かったりすることがあるということです。
このため保育園では、特にマスクの影響が大きいと感じる0歳児のクラスで、一部の保育士がフェースシールドをつける試みを始めていて、子どもたちの表情が生き生きとしてきたということです。
保育士は「マスクをしていると、いつも様子をうかがうような目で私を見ていましたが、フェースシールドだと、これまでにないいい笑顔になりました」と、うれしそうに話していました。
また、マスクが子どもの育ちに影響しないよう、どう保育を進めるべきか、保育園の求めに応じ、高知県感染症対策協議会会長で小児科医の吉川清志医師が現場を訪れました。
保育士の声を聞き、現場を見た吉川医師は「マスク着用で保育士の顔が見えない状態が続くと、子どもの成長に影響が出る可能性がある」としたうえで、「マスクをつけないほうが子どもの保育の面で優先順位が上であれば、子どもとの距離をとるなど、対策をとったうえでマスクを外すことも仕方がない。また、あごの下までカバーするフェースシールドを活用するなど、保育の内容によってマスク着用の必要性を一つひとつ判断し、保育と感染対策の両立を図ってほしい」とアドバイスしていました。