産婦人科の
医師で
作る日本産婦人科医会がことし6
月までに
新型コロナウイルスに
感染した
妊婦について
全国調査を
行った
結果、
妊娠後期に
なると
症状が
重くなる
割合が
高くなっていたことが
分かりました。
専門家は「
妊婦の
重症化リスクが
著しく
高かったわけではないが、
後期の
妊婦は
注意してほしい」と
話しています。
この調査は、
日本産婦人科医会が
全国の
およそ2200の
産科のクリニックや
病院を
対象に
行い、およそ1500から
回答がありました。
それによりますと、回答のあった医療機関でことし6月末までに新型コロナウイルスに感染した妊婦は72人でした。
このうち発熱などの症状があった58人について詳しく分析したところ、CT検査で肺炎などと診断されたのは、
▽妊娠28週までの初期や中期では39人中4人で10%だったのに対し、
▽29週以降の後期では19人中10人で53%と割合が高くなっていたということです。
また、呼吸困難などのため酸素投与が必要となった人も、
▽妊娠の中期までが3人で8%だったのに対し、
▽後期は7人で37%と、妊娠後期のほうが重くなる傾向がありました。
感染した妊婦はほとんどが後遺症も無く回復しましたが、海外から旅行に来て入国後まもなく発症した1人が死亡したということです。
一方、生まれた赤ちゃんについては、感染したという報告はありませんでした。
調査を取りまとめた昭和大学医学部の関沢明彦教授は「妊婦の感染者は少なく、感染しないよう気をつけて生活している効果が出ていると思う。妊婦の重症化リスクが著しく高かったわけではないが、出産が近いと症状が重くなる傾向が分かったので、十分注意してほしい」と話していました。