菅かん首相しゅしょう 福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつなど視察しさつ「責任せきにんもって復興ふっこうに取り組とりくむ」

ことし3月つき、9年ねんぶりに全線ぜんせんで運転うんてんを再開さいかいしたJR常磐ときわ線せんで、午前ごぜん11時じ過すぎに大熊おおくま町まちに到着とうちゃくした菅かん総理そうり大臣だいじんは、まず、東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょを訪おとずれました。

バスで敷地しきち内ないをまわったあと、1号機ごうきから4号機ごうきまでを見渡みわたせる高台たかだいでバスを降おり、廃はい炉ろ作業さぎょうの状況じょうきょうを視察しさつしました。福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつでは、トリチウムなどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ水みずがたまり続つづけ、処分しょぶん方法ほうほうが課題かだいになっていて、菅かん総理そうり大臣だいじんは、処理しょり水すいの入はいった容器ようきを手てにし、東京とうきょう電力でんりょくの担当たんとう者しゃから、説明せつめいを受うけました。

そして、「大変たいへんで長期ちょうきにわたる作業さぎょうだと思おもうが、安全あんぜんに、着実ちゃくじつにやっていただきたい。国くにも前面ぜんめんに出でて、全力ぜんりょくで取り組とりくみたい」と話はなしていました。

続つづいて、菅かん総理そうり大臣だいじんは、今月こんげつ20日にちに双葉ふたば町まちにオープンした、県けんの伝承でんしょう施設しせつ「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい・原子力げんしりょく災害さいがい伝承でんしょう館かん」を訪おとずれ、住民じゅうみんの避難ひなんの記録きろくや、震災しんさい後ごに世界せかい各国かっこくから寄よせられた支援しえんの品しなを展示てんじするコーナーなどを見みて回まわりました。

このあと、菅かん総理そうり大臣だいじんは、復興ふっこうを担になう人材じんざい育成いくせいを目指めざして広野こうの町まちにつくられた、県立けんりつの中高なかだか一貫いっかん校こう「ふたば未来みらい学園がくえん」を訪おとずれ、生徒せいと3人にんが、地域ちいきの課題かだいの解決かいけつに向むけて取り組とりくんでいる学習がくしゅう活動かつどうの成果せいかを発表はっぴょうしました。

このうち、祖父そふが漁師りょうしだという、中学ちゅうがく2年生ねんせいの小野おの雄太郎ゆうたろうさんは、風評ふうひょう被害ひがいの払拭ふっしょくのため、地元じもとの漁業ぎょぎょうの魅力みりょくを伝つたえる絵本えほんをつくりたいと話はなしていました。生徒せいとたちの発表はっぴょうを聞きいた菅かん総理そうり大臣だいじんは、「目標もくひょうをしっかり持もって頑張がんばっているのは本当ほんとうにすばらしい。私わたしは、『意志いしあれば道みちあり』をモットーに一生いっしょう懸命けんめい頑張がんばり、いつのまにか総理そうり大臣だいじんになった。失敗しっぱいをおそれず頑張がんばってほしい」とエールを送おくっていました。

一連いちれんの視察しさつのあと、菅かん総理そうり大臣だいじんは、記者きしゃ団だんに対にたいし、「総理そうり大臣だいじんに就任しゅうにんして初はじめての訪問ほうもん先さきに、福島ふくしまを選えらんだ。福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつについては、廃はい炉ろ作業さぎょうが安全あんぜんで着実ちゃくじつに進展しんてんしていることを確認かくにんした。今後こんごも復興ふっこうと廃はい炉ろの両立りょうりつのために、国くにが前面ぜんめんに出でて、しっかり取り組とりくんでいきたい」と述のべました。そのうえで、増ふえ続つづけているトリチウムなどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ水みずの処分しょぶん方法ほうほうについて、「今後こんごできるだけ早はやく、政府せいふとして責任せきにんを持もって処分しょぶん方針ほうしんを決きめたい」と述のべました。

また、菅かん総理そうり大臣だいじんは、「『福島ふくしまの復興ふっこうなくして東北とうほくの復興ふっこうなし』、『東北とうほくの復興ふっこうなくして日本にっぽん再生さいせいなし』、これは私わたしの内閣ないかくとしての基本きほん方針ほうしんだ。組閣そかくの日ひに、全ぜん閣僚かくりょうに指示しじ書しょを渡わたし、その中なかにこのことをしっかり書き込かきこんでいる。これからも、福島ふくしまや東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの復興ふっこうに責任せきにんを持もって、政府せいふとして取り組とりくんでいきたい」と強調きょうちょうしました。

そして、原発げんぱつ周辺しゅうへんの帰還きかん困難こんなん区域くいきについて、「最終さいしゅう的てきにはすべて解除かいじょし、皆みなさんがそこに住すむことができるよう、時間じかんをかけてもやり遂やりとげたい」と述のべました。