この世論調査は、日本のNPO法人「言論NPO」と、韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が、2013年から毎年行っているもので、ことしは先月から今月初めにかけて日韓双方でおよそ1000人ずつが回答しました。
15日公表された調査結果によりますと、現在の日韓関係ついて「非常に悪い」、もしくは「どちらかといえば悪い」と答えたのは日本側では54.7%と、去年6月に発表された調査より8.8ポイント低くなりました。
一方、韓国側では去年より22.3ポイント高い88.4%で、日本政府による韓国向けの輸出管理の厳格化などで対日世論が厳しさを増したことがうかがえます。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、解決のために何をすべきか尋ねたところ、日本側では「すでに解決済み」が29.3%だったのに対し、韓国側では「韓国最高裁判所の判決に従うべき」が36%でした。
さらに、日本企業の資産を差し押さえて売却する「現金化」が行われた場合の対応を尋ねたところ、日本側では「日本政府による対抗措置」を支持する人が54.2%、韓国側では「日本側の措置への韓国政府の対抗措置」を支持する人が54%となり、双方の国民感情の悪化が浮き彫りとなりました。
「言論NPO」の工藤泰志代表は、「日韓の国民感情の悪化を食い止め正常化に向かうため、両国政府の努力が問われている」としています。
相手の国に対する印象
相手の国への印象を尋ねたところ、「良くない」もしくは「どちらかといえば良くない」と答えた割合は、日本側は46.3%で、去年より3.6ポイント減少しました。
韓国側は71.6%で去年より21.7ポイント増加しました。
良くない印象の理由
良くない印象を持っている理由を尋ねると、日本側では最も多いのが
「歴史問題などで日本を批判し続けるから」で55.7%、
「竹島をめぐる領土対立」が29.4%、
「慰安婦合意をめぐる対立」が23.3%でした。
韓国側は最も多いのが
「韓国を侵略した歴史について正しく反省していないから」で61.3%、
「独島をめぐる領土対立」が45%、
「日本の政治指導者の言動に好感を持っていない」が24%でした。
良い印象の理由
一方で良い印象を持っている理由を尋ねると、日本側は最も多いのが
「韓国のドラマや音楽など、韓国の文化に関心がある」で58.7%、
「韓国の食文化や買い物が魅力的だから」が52.1%、
「同じ民主主義の国だから」が21.6%でした。
韓国側は最も多いのが
「日本人は親切で誠実だから」で58.1%、
「生活レベルの高い先進国だから」が47.6%、
「日本製品の質は高いから」が33.9%でした。
日韓関係は重要か
日韓関係が重要か尋ねたところ、「重要」もしくは「どちらかといえば重要」と答えた割合は、日本側は48.1%、韓国側は82%でした。
相手の国の首脳に対する印象
相手の国の首脳に対する印象を尋ねたところ、「大変悪い」もしくは「どちらかといえば悪い」と答えた割合は、日本側は49.7%で、去年より1.1%減少しました。
一方、韓国側は90%で、去年より10.7ポイント増加しました。