長く
謎とされてきた
ヨーロッパウナギの
産卵場所として、
大西洋の
海底山脈付近と
推定されるとした
研究結果を
海洋研究開発機構などの
国際研究チームが
公表し、
今後、
資源管理に
役立つ可能性があるとして
注目されています。
ヨーロッパに生息するヨーロッパウナギは、国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定され、北大西洋のサルガッソー海で産卵していると考えられていましたが、調査で卵や成熟したウナギは発見されず、産卵場所の特定はできていませんでした。
海洋研究開発機構やフランスの研究機関などはニホンウナギの産卵場所が太平洋の海底山脈の周辺で、水温と塩分が急激に変化する海域であることに注目して、大西洋でも同じようなところを探しました。
すると、大西洋中央海嶺という海底山脈の付近で、水温と塩分が急激に変化する海域が存在することを発見しました。
その海域は、サルガッソー海から東へ数百キロほど離れていて、海流データを使ったシミュレーションを行ったところ海流によってこの海域からたどりついた先は、ヨーロッパウナギが生息する地域と一致したということです。
こうしたことから研究チームではヨーロッパウナギの産卵場所を推定できた可能性が高いとしています。
海外の研究チームがこの海域で調査を行うことを検討しているということで、今後、資源管理に役立つ可能性があるとして注目されています。
海洋研究開発機構アプリケーションラボの宮澤泰正 所長代理は「ニホンウナギの研究がとても役に立った。従来考えられてきた海域とは大きく異なるが、ヨーロッパウナギの産卵場所が特定される日もそう遠くないだろう」と話していました。