19日にち午前ごぜん8時じ前まえ、加賀かが市し作見さくみ町まちにあるショッピングセンター「アビオシティ加賀かが」で、敷地しきち内ないにクマがいるのを従業じゅうぎょう員いんが見みつけ、警察けいさつに通報つうほうしました。

加賀かが市しによりますと、クマ1頭とうが商品しょうひんの搬入はんにゅう口ぐちから施設しせつ内ないに入はいる様子ようすが、ショッピングセンターが設置せっちした防犯ぼうはんカメラに写うつっていたということで、警察けいさつや猟りょう友とも会かいが捕獲ほかくに向むけて店内てんないの捜索そうさくを進すすめていますが、今いまのところクマは見みつかっていないということです。

警察けいさつによりますと、けが人けがにんの情報じょうほうは入はいっていないということです。

ショッピングセンターは19日にちの営業えいぎょうを取とりやめて、従業じゅうぎょう員いんを避難ひなんさせる対応たいおうをとりました。

従業じゅうぎょう員いんの男性だんせいは「お客おきゃくさんに、けが人けがにんがいなくてよかったです。まさかクマが出でるとは思おもいませんでした」と話はなしていました。

また、ショッピングセンターを訪おとずれた男性だんせいは「店みせに入にゅうろうとしたらクマがいると言いわれ、驚おどろきました。とても怖こわいです」と話はなしていました。

石川いしかわ県けんでは18日にちまでの3日間にちかんで、合あわせて8人にんがクマに襲おそわれてけがをする被害ひがいが相次あいついでいて、石川いしかわ県けんは県内けんない全域ぜんいきにクマの「出没しゅつぼつ警戒けいかい情報じょうほう」を出だして警戒けいかいを呼よびかけています。

専門せんもん家か「過疎かそ化かや高齢こうれい化かも影響えいきょうか」

人ひとがクマに襲おそわれる被害ひがいや目撃もくげきが相次あいついでいることについて、クマの生態せいたいに詳くわしい東京とうきょう農業のうぎょう大学だいがく地域ちいき環境かんきょう科学かがく部ぶの山崎やまざき晃司こうじ教授きょうじゅは、全国ぜんこくで一律いちりつではなく、地域ちいきや季節きせつごとの事情じじょうがあるとしたうえで「本州ほんしゅうに生息せいそくするツキノワグマの個体こたい数すうが増ふえ続つづけていることと、以前いぜんは生息せいそくしていなかった場所ばしょに分布ぶんぷ域いきが広ひろがっていることが背景はいけいの一ひとつとみられる」と分析ぶんせきしています。

山崎やまざき教授きょうじゅによりますと、ツキノワグマは例年れいねん9月つき中旬ちゅうじゅんごろからブナやミズナラなど、落葉らくよう広葉樹こうようじゅのドングリを大量たいりょうに食たべて脂肪しぼうをたくわえ、11月つき以降いこうの冬眠とうみんや出産しゅっさんに備そなえるということです。

しかし、ドングリの実みのりが多おおい場所ばしょを探さがして転々てんてんとするうちに人間にんげんの生活せいかつ圏けんに入はいることがあり、最近さいきん起おきている被害ひがいの中なかにも当あてはまるケースがあったのではないかとみています。

山崎やまざき教授きょうじゅは「かつては山間さんかん地ちの集落しゅうらくに近ちかづくと人間にんげんに追い返おいかえされていたが、過疎かそ化かや高齢こうれい化かの影響えいきょうで追い返おいかえされることが少すくなくなり活動かつどうの前線ぜんせんが広ひろがる原因げんいんとなっていることも考かんがえられる」としています。

そして対応たいおうとして、

▽クマの管理かんり捕獲ほかくを徹底てっていすることや

▽庭先にわさきや農作のうさく地ちで食べ物たべものになるゴミの片かたづけを励行れいこうすることなどを、挙あげています。