天皇皇后両陛下は、
国賓として
日本を
訪れているベルギーのフィリップ
国王夫妻を
案内して、
茨城県結城市を
訪問されました。
両陛下は
12日正午すぎ、
国王夫妻とともに
JR結城駅前の
多目的施設に
到着し、
両国の
小旗を
持って
出迎えたおよそ
6000人の
人たちに
笑顔で
手を
振って
応えられました。
施設では
歓迎セレモニーが
行われ、
地元の
中学校の
吹奏楽部員たちがベルギーで
1960年代にヒットし、
日本でも
親しまれた「サン・トワ・マミー」を
披露しました。
このあと両陛下は、国王夫妻とともにユネスコの無形文化遺産に登録されている「結城紬」の機織りの実演を見学されました。結城紬はすべての工程が手作業で行われるのが特徴で、保存会の会員が「地機」と呼ばれる日本で最も古い型の織機を足で操作し、反物を織り上げるとフィリップ国王は「織るのにはどのくらい時間がかかるのですか」などと質問していました。またマチルド王妃は、完成した反物を見ながら皇后さまと親しく言葉を交わし、「とても繊細ですね」などと話していました。
13日は国王夫妻が一連の歓迎に対するお礼のコンサートを開き、両陛下や皇族方が出席されることになっています。
歓迎のセレモニーで、結城市で200年以上続く伝統の神楽を披露した須藤克己さんは、「無心であっという間でした。ベルギー国王からすばらしいパフォーマンスだったと言っていただき、神楽をやっていくうえでの誇りになりました」と話していました。
また、歓迎のセレモニーで、日本でも親しまれたベルギーのヒット曲、「サン・トワ・マミー」を演奏した結城中学校吹奏楽部の部長の松尾衿菜さんは、「1か月間、練習をしてきて一番の演奏を披露することができました。皇后さまから、来年のコンクールも頑張ってくださいと声をかけていただき、うれしかったです」と話していました。
さらに、天皇皇后両陛下とベルギーの国王夫妻に「結城紬」の説明にあたった「本場結城紬技術保持会」の野村寛司会長は、「天皇陛下から『これからも続けていってほしい』と声をかけていただき、後世に引き継ぎたいという思いが強くなりました」と話していました。