鹿児島県奄美市にある
国立ハンセン病療養所で、この
療養所の
最後の
語り
部として
活動してきた
95歳の
男性が、
亡くなりました。
語り
部として
活動する
人がいなくなったのは、
全国の
療養所で
初めてで、
当事者の
体験をどう
語り継ぐかが
課題になっています。
国立ハンセン病療養所「
奄美和光園」では、
入所者が、
訪れた
人に
国の
誤った
隔離政策で
受けた
差別や
苦しみなどの
体験を
伝える
語り
部の
活動が
行われています。
療養所によりますと、
入所者の
高齢化に
伴い、
語り
部の
数は
減っていき、ただ
1人残った
最後の
語り
部として
活動してきた
95歳の
男性が、
11日亡くなったということです。
全国に13ある国立ハンセン病療養所にNHKが取材したところ、語り部として活動する人がいなくなったのは、奄美和光園が初めてです。
奄美和光園では、これまでに撮影した語り部の映像などを使って、体験を語り継いでいきたいとしています。
全国の国立ハンセン病療養所の入所者の平均年齢は、先月末の時点で84.7歳と高齢化が進んでいて、当事者の体験をどう語り継ぐかが課題になっています。
奄美和光園の加納達雄園長は、「私たちは、ハンセン病の歴史について話すことはできますが、実体験を語れるのは、当事者の入所者だけです。その声をなんとか残し、後世に伝えていく努力を続けていきたいです」と話しています。