この休学費、調べてみると、見直す大学が相次ぐ一方で、年間の学費の半分以上といった大学もありました。
海外留学をはじめ、学生時代の起業や、企業で就業体験をするインターンシップが活発になる中、休学費はどうあるべきなのでしょうか。ブログのタイトルは「日本女子大学を本気で変えようとした話」。
川崎市の佐藤真央さん(26)が5年前、日本女子大学の学生だった時の体験をつづったものです。
当時、佐藤さんは「バックパッカーとして世界一周の旅行をして、世界遺産を巡ったり、ボランティアをしながら、発展途上国の子どもたちの日常や現実をこの目で見てみたい」という思いから、大学を1年間休学しようと考えていました。
ところが、休学に伴って66万円もの大金を納めなければならないと知り、がく然としたと言います。
「納得できない!」と、大学の経理課に値下げの交渉をしましたが、取り合ってもらえません。それでも諦めず、ほかの大学の休学費用を調べたり、別の大学で値下げを実現させた学生に会いに行ってアドバイスをもらったりしました。
そして、休学費の引き下げを要求することを学生自治会に提案して賛同を得て、思いの丈を込めた嘆願書を作って提出したものの、大学側は却下。アルバイトで稼いだ160万円から66万円を泣く泣く支払って休学し、世界一周の旅に出たということです。
ブログに“値下げ奮闘記”
ブログのタイトルは「日本女子大学を本気で変えようとした話」。
川崎市の佐藤真央さん(26)が5年前、日本女子大学の学生だった時の体験をつづったものです。
当時、佐藤さんは「バックパッカーとして世界一周の旅行をして、世界遺産を巡ったり、ボランティアをしながら、発展途上国の子どもたちの日常や現実をこの目で見てみたい」という思いから、大学を1年間休学しようと考えていました。
ところが、休学に伴って66万円もの大金を納めなければならないと知り、がく然としたと言います。
「納得できない!」と、大学の経理課に値下げの交渉をしましたが、取り合ってもらえません。それでも諦めず、ほかの大学の休学費用を調べたり、別の大学で値下げを実現させた学生に会いに行ってアドバイスをもらったりしました。
そして、休学費の引き下げを要求することを学生自治会に提案して賛同を得て、思いの丈を込めた嘆願書を作って提出したものの、大学側は却下。アルバイトで稼いだ160万円から66万円を泣く泣く支払って休学し、世界一周の旅に出たということです。
広がる驚きや共感
この記事は、休学費はこんなに高いのかという驚きに加え、熱い思いとパワフルな行動をコミカルにつづった文章が共感を呼び、閲覧回数は記事の掲載から3日間で30万回近くに上っているということです。
ネット上でも、「休学でそこまでお金を取る理屈が分からない」「は?休学費なるものがあるの?は?何だそれ」「大学もビジネスでやっているとは言え、66万円は高い・・・」といった声が上がっています。
当の佐藤さんは「最近始めたブログで世界一周旅行の体験を書くにあたって、その出発点となった休学費のことを書いたら、予想外の大反響があり、とても驚いています」と話しています。
休学費とは 見直しの流れも
それにしても、そもそも休学に伴う費用とはいったい何なのでしょうか?
多くの大学は学則で、休学できる期間と、その間に納めるべき費用を定めています。国立では基本的に無料とされていますが、私立では、授業料の半額ほどが必要な大学や、「在籍料」という名称で授業料の一定額を求めている大学など、さまざまです。
ブログに出てくる日本女子大学では、授業料の半額に当たる在籍料のほか、施設の維持管理費などの全額を合わせた66万円となっています。
首都圏にある有名私立大学のホームページをざっと調べただけでも、法政大学や東京理科大学では年間10万円、立教大学では12万円、明治大学では16万円など、総じて10万円から20万円前後のところが多いようです。
また、最近では、学生の訴えを受けるなどして、大妻女子大学が80万円余りから20万円に引き下げたほか、日本大学や上智大学などでも値下げが行われるなど、見直しの動きが広がっているようです。
こうした中、慶応大学では、学生たちが、現在30万円前後の休学費の引き下げを求めて、大学側と交渉をしています。インターネット上で署名を集め、2000人以上から賛同を得ているということです。
見直しに関わった大学関係者は
休学費の見直しの動きについて、3年前に国際基督教大学で、教養学部の副部長(学修支援担当)として引き下げに取り組んだ鈴木寛教授は、当然の流れではないかと受け止めています。
鈴木さんは「学生にとって実質的な“対価”があるのかという視点から考えるべきだ。以前は、入試の合格者が入学金や授業料を支払ったあと、入学を辞退しても返してもらえなかったが、裁判をきっかけに、授業を受けていないのに授業料を取るのはおかしいだろうということで、返還されるようになった。それと同様に、休学中なのに高額の費用を求めるのは、正当とは言えないと思う」と話しています。
反響受けて変化の兆しも
ブログで取り上げられた日本女子大学でも、変化の兆しが見られます。ネット上での反響を大学側も把握していて、NHKの取材に対し、「学生の負担を減らすよう検討していきたい」とコメントしているのです。
ブログを書いた佐藤さんは、大学側の英断を求めてエールを送っています。
佐藤さんは、値下げを求めて活動していた当時、休学を考える学生の集まりに参加し、海外留学やインターンシップをしたいという学生だけでなく、経済的な理由や病気などで、一時的に休学せざるをえない学生の存在を知り、「彼らのためにも値下げを実現したい」と思ったそうです。そうした当時のことを思い起こしつつ、「大学を休学して新しいことにチャレンジしようと目を輝かせている若者たちのためにも、さまざまな事情を抱えて休学せざるをえない人たちのためにも、大学は一歩を踏み出してほしい」と話しています。
この話題は、きょう夕方、NHK総合で放送される「ニュースシブ5時」でもお伝えする予定です。