熊本くまもと地震じしん全壊ぜんかい」のななぜろちかくがかつ断層だんそう沿いに集中しゅうちゅう

Easy Japanese news
Oct 14, 2016 19:10
Furigana
一連いちれん熊本くまもと地震じしん震度しんどななれを観測かんそくした益城ましきまち西原にしばらむら被害ひがいについて、NHKえぬえいちけいり災りさい証明しょうめいしょのデータを分析ぶんせきした結果けっか、「全壊ぜんかい」と認定にんていされた建物たてものななぜろちかくがかつ断層だんそう沿ったぜろぜろメートルの範囲はんい帯状おびじょう集中しゅうちゅうしていることがわかりました。専門せんもんは、かつ断層だんそうのリスクがあらためて浮き彫うきぼりになったとして、リスクをまえて公共こうきょう施設しせつなどの建設けんせつ検討けんとうすべきだと指摘してきしています。熊本くまもと地震じしんでは、内陸ないりくかつ断層だんそうたいおおきくずれうごき、県内けんないいちななまんむねえる住宅じゅうたく被害ひがいました。このうち震度しんどななれを観測かんそくした益城ましきまち西原にしばらむらまんけんあまりのり災りさい証明しょうめいしょのデータをもとに、NHKえぬえいちけいは、日本にっぽんかつ断層だんそう学会がっかい専門せんもんとともに、建物たてもの被害ひがいかつ断層だんそうとの関連かんれん分析ぶんせきしました。

その結果けっか、「全壊ぜんかい」と認定にんていされた建物たてもののうちろくろくあまに当にあたるおよそさんぜろぜろむねが、学会がっかい専門せんもんのグループが確認かくにんしたかつ断層だんそう沿ったぜろぜろメートルの範囲はんい帯状おびじょう集中しゅうちゅうしていることがわかりました。

全壊ぜんかい」の建物たてものは、かつ断層だんそうからはなれるほどすくなくなり、益城ましきまちではかつ断層だんそうからいちキロの範囲はんいななきゅうあまりが集中しゅうちゅうし、いちキロをえた場所ばしょでの「全壊ぜんかい」は全体ぜんたいのおよそぜろ%で、被害ひがい程度ていどおおきなています。

日本にっぽんかつ断層だんそう学会がっかい所属しょぞくする名古屋なごや大学だいがく鈴木すずき康弘やすひろ教授きょうじゅは、今回こんかいのデータについて、「かつ断層だんそう沿いの被害ひがい非常ひじょうおおきく、断層だんそうからいちキロもはなれると大幅おおはば被害ひがい軽減けいげんしていて、断層だんそうちかいことが被害ひがいおおきくする要因よういんになっている」として、かつ断層だんそうのリスクがあらためて浮き彫うきぼりになったと分析ぶんせきしています。

そのうえで「かつ断層だんそうちかくにむか、まないかは個人こじん判断はんだん重視じゅうしされるが、すくなくとも、学校がっこう病院びょういんなど特定とくてい多数たすうひとあつまる建物たてもの断層だんそうからはなすことが重要じゅうようだ。まずは、そこからはじめて、それ以外いがい建物たてものはどうしたらいいか、順番じゅんばんかんがえることが重要じゅうようだとおもう」として、かつ断層だんそうのリスクをまえて公共こうきょう施設しせつなどの建設けんせつ検討けんとうすべきだと指摘してきしています。

自宅じたく全壊ぜんかい男性だんせい「どこにんだらいいか不安ふあん

益城ましきまち宮園みやその地区ちく笠井かさい慶一けいいちさん(ろくろく)は4月しがついちろくにち自宅じたくそとかい震度しんどなな地震じしんい、前後ぜんご左右さゆういちメートルほど引っ張ひっぱられるようなはげしいれをかんじました。この地震じしんで、笠井かさいさんの自宅じたくいちかいがつぶれ、まちから「全壊ぜんかい」のり災りさい証明しょうめいしょ交付こうふされました。

NHKえぬえいちけい調しらべたところ、笠井かさいさんの自宅じたくから半径はんけいいちぜろぜろメートルにあるおよそななぜろむね建物たてもののうち、ぜろむねあまりが全壊ぜんかい認定にんていされました。自宅じたくからおよそはちぜろメートルのところにはかつ断層だんそうがあり、専門せんもんは、かつ断層だんそうによって被害ひがいおおきくなったのではないかとみています。

笠井かさいさんは父親ちちおやから断層だんそうがあることはいていましたが、これほどおおきな地震じしんがくるとはおもっていなかったということです。自宅じたく先月せんげつから解体かいたいはじまり、いまは仮設かせつ住宅じゅうたくらしていますが、今後こんご住み慣すみなれたもと場所ばしょ住宅じゅうたく建て直たてなおすかどうかめられないままでいます。笠井かさいさんは、「かつ断層だんそうについては、よそのことのようなかんじでていた。いえてても、今回こんかいのようなおおきい地震じしんがきたら、またこわれる可能かのうせいがある。みんなどこにんだらいいか不安ふあんがっている」とはなしています。

かつ断層だんそうリスクまえ 施設しせつ移転いてんするれい

熊本くまもと地震じしんのあと、全国ぜんこくかつ断層だんそうのリスクをまえた対策たいさくすすんでいます。

このうち、主要しゅようかつ断層だんそうたいよっつある山形やまがたけんは、ことし4月しがつ今後こんごかつ断層だんそううえけん施設しせつてない方針ほうしんめました。また、かつ断層だんそうからぜろメートル以内いないにある学校がっこう警察けいさつしょなどむっつの施設しせつ全体ぜんたい、または一部いちぶ今後こんごべつ場所ばしょうつ方針ほうしんしめしています。

一方いっぽう山形やまがたかつ断層だんそうのリスクをまえて、きゅうきょ公共こうきょう施設しせつ移転いてん計画けいかく見直みなおしました。市内しない西にし山形やまがた地区ちくにあるコミュニティセンターは、老朽ろうきゅうともなってさんねんべつ場所ばしょうつ計画けいかくでした。しかし、熊本くまもと地震じしんのあと、専門せんもん調査ちょうさした結果けっか移転いてん予定よていからおよそななぜろメートルのところかつ断層だんそうがあることがわかったため、計画けいかく見直みなおしをめ、今月こんげつさんにち住民じゅうみん説明せつめいしました。

住民じゅうみんがわは、あらたにあきらかになったかつ断層だんそうのリスクに戸惑とまどいながらも、安全あんぜんさい優先ゆうせんするとして、計画けいかく見直みなおしに理解りかいしめしました。

住民じゅうみん代表だいひょうでつくる「西にし山形やまがたコミュニティセンター建設けんせつ促進そくしん委員いいんかい」の安達あだちたかしくら委員いいんちょうは、「熊本くまもと地震じしんさいかつ断層だんそううえでは、耐震たいしん構造こうぞう建物たてもの被害ひがいけたので、安全あんぜん優先ゆうせんする方針ほうしんはやむをえない。あたらしい施設しせつ避難ひなんしょとして使つかわれ、地域ちいきどもたちもあそ建物たてものにもなるので、安全あんぜん安心あんしん優先ゆうせんしたい」とはなしています。

山形やまがたは、あらたな移転いてん予定よてい検討けんとうしていますが、かつ断層だんそうからはなれた場所ばしょさがすのがむずかしく、移転いてん当初とうしょ予定よていよりおくれる見通みとおしだということです。山形やまがた鴨田かもだ尚史ひさし総務そうむ次長じちょうは、「ゼロからの見直みなおしでまった白紙はくし状態じょうたいだが、できるだけはや用地ようちつけられるようすすめていきたい」とはなしています。

復興ふっこう計画けいかく策定さくていでもリスク考慮こうりょ

益城ましきまちは、ことしちゅう復興ふっこう計画けいかく策定さくていする方針ほうしんで、かつ断層だんそうじょう土地とち利用りようについては、げん在国ざいこくすすめているかつ断層だんそう調査ちょうさ結果けっかまえて検討けんとうしたいとしています。

益城ましきまち復興ふっこう中桐なかぎり智昭ともあき課長かちょうは、「住民じゅうみんのアンケート調査ちょうさでも、宅地たくち断層だんそうがどうなっていて、むことができるのかがおおきな課題かだいとしてがっているので、くに調査ちょうさ結果けっか時点じてん住民じゅうみん公表こうひょうするとともに、今後こんご復興ふっこう計画けいかくにも反映はんえいさせていかなければならないとおもっている」とはなしています。

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